大和古伝、桜花姫ヨシノの物語 (ヨシノ姫とアマノウズメの外伝♪)
ムーンライズ
(5) ヨシノ姫、裸の女神に心奪われる・・・
海岸で海女達の働きぶりを見学しているヨシノ姫と、カレンとハルカ。
カレン達は、珍しい海の魚を見せてもらって楽しくはしゃいでいるが、ヨシノ姫はと言うと・・・(お姫さまらしく)控えめに(見学)しているのであった。
「・・・あーあ。控えめにするのがお姫さまらしいのか、堂々と振る舞うのがお姫さまらしいのか・・・悩みますわね・・・」
溜息まじりに呟くヨシノ姫は、生真面目で気の小さい自分をうらめしく思っている。
そして、何気なく海を眺めていた・・・その時である。
---ピュウィッ・・・
不意に甲高い指笛が響き、その音に導かれるかのように海の中から数頭のイルカが現れた。
始めてみるイルカの群れに、歓声を上げるヨシノ姫。
「まあっ、かわいいイルカさんですわ・・・」
元気に波を蹴って進むイルカの群れは、海辺に突き出た岩礁へと向っている。それを目で追っていたヨシノ姫は、イルカを指笛で呼んだ人物を目撃したのだった・・・
「あっ・・・あれは・・・まさか・・・!?」
岩礁の上に立つ、一糸纏わぬ姿の女神・・・その後ろ姿には見覚えがある。かつて高天ヶ原で友の契りを交わした、その女神の名は・・・
潮風が女神の髪をかき上げ、美しい横顔と、豊かな乳房を晒す。
「・・・やっぱり・・・あの方は・・・アマノウズメさま・・・ウズメさんっ。」
岩場に立つ全裸の女神、それは紛れもなくアマノウズメその人であった。
女神の玉のように光る肌は、全身余すところなく黄金色に日焼けしている。それは日頃から衣服を全く身に付けずに過ごしている証拠だ。
金剛石ですら色褪せる美しき裸体に、装飾品など一切不要である。
飾らぬ裸体一つで、全てを支配する・・・それがアマノウズメなのだ・・・
目も眩む美しい姿は、ヨシノ姫の心に強い衝撃をもたらした。
「・・・・ウズメさん、キレイですわ・・・で、でも・・・なんでスッポンポンなんですの〜!?」
顔を真っ赤にして驚くヨシノ姫であったが、裸の女神にとって全裸でいること自体(当たり前)の事。純情な姫君に見事な女神の裸体は刺激が強過ぎたのだ。
アマノウズメは、岩場のすぐ側に泳ぎよって来たイルカの背に跨がると、お転婆娘のように歓声をあげ、大海に繰り出す。
「それいけ〜っ。い〜やっほう〜っ♪」
まさに天真爛漫、自由奔放・・・裸の女神を縛るものなど何一つない。
あらゆる事に束縛されぬアマノウズメは、裸の女神であると同時に、(自由の女神)であるとも言えるだろう。
波を蹴って人魚のように舞泳ぐ姿に、ヨシノ姫の目は釘付けになっていた。
「ウズメさんの身体・・・もっと近くで観たいですわ・・・触りたい・・・ですわ・・・」
美しき裸身を間近で観たい、触れてみたい・・・
アマノウズメの美しさに魅了されたヨシノ姫は、我を忘れてフラフラ歩き出した。
瞬きすらしていない姫君の瞳は、裸の女神しか見ていない・・・足元が岩場の端に来ている事に・・・気付いていない・・・
「ああ・・・ウズメさん・・・いますぐそちらに行きま・・・きゃ〜っ!?」
足を踏み外したヨシノ姫、盛大な水しぶきを上げて海に落っこちた。
「あ〜れ〜っ。た、た、助けて〜っ!!わ、わたし泳げませんのよおお〜。(x_x)」
突如の悲鳴に、カレンとハルカ、それに海女達まで血相を変えて走り寄ってきた。
「姫さま何事ですかっ!?」
「た、タイヘンですぅ〜っ。姫さまが溺れてますぅ〜っ。」
大慌てでヨシノ姫を助けようとする侍女2人だったが、それより早く海女がヨシノ姫を抱き起こす。
「大丈夫ですわよヨシノ姫さま、この辺は浅いですから。」
海女の言葉に、ヨシノ姫も我に返る。
落ち着いて立ってみると・・・おへその辺りまでしか深さがない。ボー然としていたヨシノ姫は、顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
「あ、あら、浅かったのですわね、もう私ったら〜。(汗)」
頬に手を当てて照れるヨシノ姫を見て、一同も大爆笑。
岩場に上ったヨシノ姫は、先程アマノウズメが泳いでいた場所に視線を向けた。だが・・・すでにアマノウズメは沖へと泳ぎ去っており、美しい姿を目にする事はできなかった。
「・・・ウズメさん・・・お会いしたかったのに。」
虚しく海を見つめ、名残惜しそうにしているヨシノ姫であった。
しばらく海女達の元にお邪魔していたヨシノ姫一行は、沢山の魚をお土産にもらって屋敷へ戻る事となった。
岩山を越える坂道を歩きながら、ヨシノ姫は何度も海を振り返り、アマノウズメの姿を求めていた。だが本当は、女神も寂しい想いを懐いているのに、ヨシノ姫は気付いていなかった・・・
その頃、遥か沖で独り泳いでいたアマノウズメは、ぼんやりした顔で蒼い空を眺めていた。仰向けになってプカプカ浮いている女神の側に、陽気な鳴き声でイルカ達が泳いで来る。
「キュキュ、うズメさマ。浮かナい顔しテ、どーシマしたか?」
「・・・うん、ちょっとね。」
好きな事を、好きな時、好きなだけ、好きなように楽しんで生きる(自由の女神)アマノウズメ。
だが、自由を極める事は(虚しさと寂しさ)に身を委ねる事でもある。
そして裸の女神は、完璧過ぎる美しさ故に(孤高)であった・・・
白い雲に、桜色に輝く姫君の笑顔が浮かんでは消える。その可愛い姫君は、女神の大切な親友だった・・・
この広い海を独りで過ごすのは、とても虚しい事である。
本当は親友である桜の姫君と、楽しく海で遊びたかったが、姫君が多忙であったゆえ、共に過ごす事は叶わなかったのだ。
「・・・ヨシノちゃん・・・今どこにいるのかなあ・・・会いたいなあ・・・」
寂しく呟くアマノウズメであったが・・・まさか・・・愛すべき姫君がすぐ近くに来ているなどとは、夢にも思ってない。
そして女神と姫君が再開する時は、まもなく訪れようとしていた・・・
休暇の第一日目は瞬く間に過ぎ、黄昏の刻が迫る浜辺は、鮮やかな夕焼けで染められていた。
ヨシノ姫一行が滞在する屋敷では、華やかで賑やかな晩餐が催されようとしている。
海女達にもらった新鮮な魚を使い、屋敷の侍女達が豪華絢爛な御馳走を用意していた。
「姫さま〜、お夕食ができましたよ。」
部屋も狭しと並べられた御馳走の数々・・・それは姫君に召し上がって頂くに相応しいものであり、豪華さも然る事ながら、その土地で直に食す新鮮な食材の味は、実に格別なものだ。
常時ヨシノ姫の側に仕え、(御馳走)は見慣れている筈のカレンとハルカも、今日の晩餐には驚きを隠せないでいる。
「うわあ〜、美味しそうですわね・・・海の幸が盛り沢山って感じ〜♪」
「ほんとですぅ〜。姫さまぁ〜、早く召し上がってくださーい。」
主君を上座に迎えるカレンとハルカであったが・・・なにやら、ヨシノ姫の様子がおかしい。
海女達の元から帰って来てから、心ここにあらずといった感じでボンヤリしてるのだ。御馳走に箸をつけるも、ヨシノ姫は上の空で御馳走を食べている。
「・・・ウズメさん、今頃どーしてるかしら・・・オッパイ丸出しで、カゼひいてないでしょーか・・・」
元気のなさそうな(?)ヨシノ姫に、豪勢な刺身の盛り合わせを差し出すカレン。
「これはとっても新鮮なお刺身ですわよ。いっぱいありますから、遠慮なく食べてくださいね。」
顔を上げたヨシノ姫の眼前には・・・カレンの胸の膨らみがあった。それが裸の女神のオッパイと重なり合う・・・
「・・・いっぱい・・・おっぱい・・・オイシそーなオッパイですわ〜っ。」
何を思ったかヨシノ姫、カレンの胸を(むにゅ♪)と揉んだのだった。(O.O;)
「きゃ〜っ!?ひ、ひ、姫さま〜。私のオッパイ食べちゃダメですわよお〜。(汗)」
「あ、あら?私ってば何を・・・カレンごめんなさ〜い。」
余りにも(不可解)なヨシノ姫の様子に、戸惑いの表情で驚くカレンとハルカ。
「ひ、姫さまはどーなさったのかしら?」
「おっぱい(まにあ)になってしまったかもですぅ〜。」
囁きあう2人は、ヨシノ姫が突然の休暇で気が動転してるんだと思ったのだが、実際は・・・アマノウズメの裸体に心奪われ、ハゲシク萌え喘いでいたのだ。無論、姫君が裸の女神を目撃した事をカレンとハルカは知る由もない。
そして、裸の女神の美しい姿に魅了されたヨシノ姫は、とんでもない行動を起こしてしまうのだった・・・(^^;)
宴も終わり、屋敷の窓から夜空を見つめていたヨシノ姫は、何かを決意したかのように呟く。
「・・・私に足りないもの、それはウズメさんのような(大胆さ)ですわね。」
そう言うと、着物の胸元を少しだけ開いて、普段は決して人前に晒すことない胸を見つめた。彼女は今宵、裸の女神のように(大胆)になろうと決意していたのだ。
ーーー私は堂々とした姫君にならねば・・・ウズメさんみたいに(大胆)な姫君になってみせますわっ・・・
真面目で気の弱い自分を変えたい、もっと大胆になりたい・・・そんな想いが、姫君を(萌え)の行動に走らせる。
だがしかし・・・ヨシノ姫の突拍子もない(大胆な行動)が、思わぬ※事態を巻き起こす事となるのだ。
※(もちろん、お姫さま陵辱♪)
美しい満天の星空に、煌々と輝く満月が浮かんでいる。
だが・・・暗い海の底で、恐るべき闇の魔物(悪のナマコ)が邪笑いを浮かべている事に、桜花の姫君は気付いていない・・・危うし桜花姫!!
裸の女神に萌え憧れ、月の光の下で無防備にも・・・裸身で舞踊らんとするヨシノ姫。
満月の聖なる光に照らされた浜辺で今夜・・・美しい桜花姫は見事なる(華)を咲かせるのであった・・・(^^;)
大和古伝、桜花姫ヨシノの物語 (ヨシノ姫とアマノウズメの外伝♪)後編に続く・・・
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