大和古伝、桜花姫ヨシノの物語 (ヨシノ姫とアマノウズメの外伝♪)
ムーンライズ
(4) 美しき裸身の女神、紺碧の海に舞う!!
ヨシノ姫達が海辺に到着したのと同じ頃、とある海岸にて高天ヶ原より1人の女神が天下っていた。
岩場の多いこの海岸に、女神の降臨を歓迎するべく多くの海女が集まっている。
「美しき女神さまの御姿を拝するは、至高の喜びにございます。我ら一同、女神さまの御降臨を心より歓待いたします。」
集まった海女達の視線は、ひときわ高い岩場に集中している。
その岩場には・・・美しい肉体美を披露する女神が立っていた・・・
「・・・感じるわ・・・私の美しさに萌えた男達の視線が・・・ウフフ。」
官能的な女神の瞳は、紺碧の海を見つめている。女神は、身体を隠す一切の物を纏ってはいなかった・・・
そう・・・彼女は裸の女神・・・麗しき美の化身・・・
かつて天の岩戸に引き籠もったアマテラスを助け出すため、美しき裸体で舞を踊った女神の名は・・・アマノウズメ・・・
岩場に立つ女神は、輝く見事な裸体を大海原に晒し、来るべき(獲物)の到来を待っていた。
やがて女神は、豊かな乳房を揺らして舞踊り始めた。
ーーータン・・・タタン・・・タン・・・
岩場を踏み締める足音も軽快に、裸の女神は踊る。
その舞は海の深き場所にまで(萌え)をもたらした。女神の裸身を見た男衆は、如何なる者も萌えずにはおられないであろう。
それを証明する異変が、大海原に起きた。
突如、海の四方から魚の大群が出現し、女神の元へ押し寄せたのだ。
タイにヒラメにマグロにカツオ、イワシにサメにダイオウイカ(!?)に至るまで。多種多様な魚達は皆、目を(はーと型)にして萌え喘いでいる。(しかも全部オスばっかり☆)
「「め〜が〜み〜さ〜ま〜♪その御身体をもっと観させてくださ〜い♪」」
海辺を埋め尽くす魚の群れに向って、裸の女神は魅惑の微笑みで尋ねた。
「お魚さん達、八百万の神々のご飯になってもらえるかしら?」
「「は〜いっ、喜んでご飯になりま、って・・・ご、ご、ご飯〜っ!?た、た、食べられるのはイヤ〜ッ!!」」
絶叫するも遅く・・・裸の女神は海女達に命令を下す。
「今ですわよっ、お魚さん達を一網打尽にしてしまいなさーい。」
「了解ですわっ。」
即答した海女達が一斉に縄を引っ張る。すると、海の底に仕掛けられた網が持ち上がり、集まった魚達は皆、網の中に閉じ込められてしまった。
こうして、女神の巧妙?な作戦によって、高天ヶ原に捧げられる海産物が捕獲されたのであった。
網いっぱいに捕まえた魚達を前にして、女神は得意満々で高笑った。
「お〜っほっほ♪私の美貌をもってすれば、お魚達を捕まえるなんて朝飯前よ♪」
捕えられた魚達は、天空より飛来した空飛ぶ船(天之鳥船)に乗せられ、高天ヶ原へと運ばれて行く。
そして、海産物の確保を終えた海女達は女神に敬意の礼をした。
「お見事でございます、アマノウズメさま。あなた様の御蔭で我らにも海の恵みがもたらされました。心より感謝を申し奉ります。」
深く頭を下げる海女達を見て、裸の女神こと・・・アマノウズメはにこやかに笑った。
「感謝なんていいわよ、私は女神としてとーぜんの勤めをしたまでだモン。」
人々に平和と恵みをもたらすのが神の勤めである。そして、それはアマノウズメも然り。
彼女は、美しき(裸体によって)絶大なる喜びと萌えを人々にもたらすのである。
同性をも魅了する裸体を、なんの躊躇いもなく披露しているアマノウズメを前にして、恥ずかしそうに尋ねる海女達。裸の女神は、女性の最も大切な部分まで露にしているからだ。
「・・・あ、あの〜。お見事な御身体をご披露して頂けるのはいいんですけどぉ・・・その・・・せめて下は隠された方がよろしいかと・・・(焦)」
するとアマノウズメは、胸を張って得意気に答えた。
「なに言ってるの、この私の身体は見せるためにあるのよ。人々に披露してこそ真価が発揮されるのですわよん。」
その美しさも然る事ながら、堂々たる(でかい)態度も感服の一言に尽きる。これぞまさに(裸の女神)の真骨頂と言えよう。
海女達も感心して頷いている。
「ほんと、ウズメさまってステキだわ〜。あの美しいお身体、堂々とした性格、惚れ惚れしちゃう・・・」
「そうよね、でも見せるためにあるって仰ってるけどお・・・ウズメさまのお身体を見た男は、みーんなボロクズにされちゃうのよね〜。(汗)」
海女達の言う通り、むさ苦しい野郎が女神の裸体を見たら最後、問答無用でブチのめされるのである。(^^;)
でもって・・・ここにも1人、でわなくて一匹、美しい女神にお仕置きされる(野郎)がいたのだ。
海女達が手際よく作業している中、魚を捕えていた網から一匹の(海産物)が逃げ出した。
黒くてブサイクな(海産物)の正体は・・・ナマコであった。
岩の上をモゾモゾ逃げているナマコを目にしたアマノウズメは、それの首根っこを掴んで尋ねる。
「こらナマコ、トンズラしてんじゃないわよ。あんたも私のスバラシイ身体を観たからには、大人しく神様の夕ご飯になりなさいよね、どーなの?」
すると、ふて腐れたナマコは顔をプイッと背けてしまう。
「やなこった。だーれが神様の夕メシになんかなるもんかい、フンだ。(`ε´)」
それを見たアマノウズメ。すっごいキョーアクな顔でナマコを睨んだ。
「あ〜ら、この私にシカトとはいい度胸じゃない。文句があるならちゃんと言いなさいよね〜。」
アマノウズメの手には、全裸のどこに隠し持っていたのか小刀が握られていた。でもって無礼なナマコの口をバッサリ!!
「んぎゃ〜っ!!口が裂けちゃった〜っ、いてぇよおおお〜っ。」
「あんたみたいなブサイクナマコ、食べたってマズイだけだわね。ポイしちゃえ。」
むじょーにも、ナマコを海に捨てちゃうアマノウズメであった。
(まんが日本昔話の口調で)それ以来、ナマコの口は裂けたままになってるそーな。(^o^)
だがしかし・・・この時ナマコを虐待した事が原因で、(お姫さま陵辱♪)が勃発しようとは、アマノウズメも予測できなかった。
口を切り裂かれ、海に捨てられたナマコが、怨念も露に呟く・・・
「あ、あのスッポンポン女神め〜っ。この恨み、晴らさでおくべきか〜っ。」
海の底に溜まった闇の力を吸収し、ナマコは恐るべき(お姫さま陵辱の)怪物へと変貌を遂げたのであ〜る!!
アマノウズメがお魚達を捕獲したその頃・・・アマノウズメがいる海岸を見下ろす岩山に、美しいお姫様が侍女2人を伴って現れた。海辺へ保養に訪れたヨシノ姫達である。
「はあ、ふう・・・ずいぶんと高い所まで登りましたわね。ほら、海のお屋敷があんなにちっちゃく見えますわ。」
振り返ると、立派な屋敷が掌に乗りそうなほど小さく見えている。侍女のカレンとハルカも驚きの声で景色を絶賛した。
「うわあ〜、すごい・・・砂浜と後ろの山が全部見えますわ・・・」
「キレイですぅ〜♪海の向こうがキラキラ光ってますぅ〜♪」
ヨシノ姫達の立っている岩山の頂上は、海辺を一望できる絶景の地点であった。そこから四方をグルリと見渡せば、海辺の地形が手に取るようにわかる。
海辺は小さな半島の先端にあり、海岸線沿いにある幾つもの入り江に、美しい浜辺や壮観な岩場が多数存在する。
さらに半島は、山岳地帯によって陸地から隔たれており、半島そのものが外部からの侵入者を拒むかの如き地形を成しているのだ。
そんな閉鎖的な地形であるに関わらず、半島を囲む海は極めて開放的で美しく、訪れた者は皆、至高の絶景に感動するであろう。
ヨシノ姫は自分達以外で海辺に訪れている者はいないのかと思い、視線を眼下の海辺に向けた。
すると、岩場の多い海岸で大勢の海女達が威勢よく働いているのが見える。
海女達に興味を引かれたヨシノ姫は、その働きぶりを観に行きたいと思った。
「ねえカレン、ハルカ。下に降りてみましょうよ。」
坂道を下りるヨシノ姫を追って、カレンとハルカも海女達の元に向うのであった・・・
海女達が海産物の仕分けに精を出している最中、ヨシノ姫が声をかけてきた。
「あの・・・お仕事中に申し訳ないのですが、見学をさせてもらってよろしいでしょーか。」
低姿勢で尋ねられてキョトンとしていた海女達は、相手が(桜花姫)であると気付き、笑顔で迎えた。
「これはこれは、ヨシノ姫さま。ようこそお越しくださいました。御見学とのことでしたら、どうぞご遠慮なく。」
「は、はい・・・で、でわ、その・・・見学させて頂きますわ・・・」
大勢の海女達を前にして、少し恐縮気味にしているヨシノ姫。どうやら威勢の良い海女達に気押されているようだ。
お姫さまなのに、やたら引っ込み思案な主君を見て、カレンもハルカも思わず苦笑い。
「姫さま、もっと堂々となさって良いんですよ。あんまり頭下げてばっかりじゃ、お姫さまらしくありませんわ。」
「エッヘンて威張っちゃえばいいかもですぅ。」
「う、うん・・・それもそーだけど・・・」
(お姫さまらしくない・・・)その言葉は、少なからずヨシノ姫に(こんぷれっくす)を与えてしまった。
余りにも生真面目過ぎるゆえに、姫君は人々の前で清楚に振る舞わねばならないと言う固定観念ゆえに、そして・・・聖桜母の教えを重んずる(良き姫君)であらねばならないという気持ちゆえに・・・ヨシノ姫は活発な事ができなくなっていたのだ。
褐色に日焼けした海女達の闊達な姿に、羨ましさを感じずにはいられないヨシノ姫であった。
「・・・みなさん、とってもハツラツとしてますわね・・・」
普段から人々の前で堂々と舞っていた(つもり)だったが、それは単に、舞姫としての勤めを義務的に果たしていただけであって、自分の意思で堂々と舞った事がない事に気付き、ますます気落ちするヨシノ姫。
その落ち込むヨシノ姫の前に、自由奔放、威風堂々たる裸身の女神が姿を見せたのであった・・・
次ページへ
前のページへ
MENUへ