『騎士で武士な僕と皇女様005』(16)
小さい人間
「覚悟はいいな?」
上から僕を見下ろす皇女様の表情は、高貴で、色っぽくて、はかなくて……どこまでも強くて、大人の女性の顔だった。
僕がこくりと肯くと、皇女様は腰を一気に落とし、僕の物を加えこんだ。
「はあう! あああん!! は……入ってくる」
皇女様が僕の上で悶える。 ゆっくりと、徐々に激しく皇女様の腰が上下した。
「う……く……」
「はう! ああ……あう!」
パンパンと肉を打つ音が室内に響く。心地よいリズムに、僕も自然と腰をつき上げ出した。
「いい……いいぞお主! もっとじゃ……もっと腰を上げよ!」
「こ……壊れてしまいます! 皇女様が壊れてしまいます!」
僕はあまりにも皇女様の表情から儚さを感じたので思わず口に出てしまった。皇女様の動きがピタリと止まり、二人の激しい息づかいの音が残る。
「いいのじゃ……いいのじゃ……たとえ壊れてもいい……いや、むしろ壊してくれ」
「皇女……様?」
「お主……本当に……本当に待っていたんだぞ! いつかえるか、毎朝鐘を鳴らすたびにお主が来るのではないかと、何度期待したか!」
ポツリ……と水滴が僕の腹に落ちる。
「一緒に、ずっと一緒にいてくれ、ずっとそばで支えてくれ! ずっと共に手を取り合って寝てくれ! 私は……女なんだぞ……主に惚れた女なのだ! もう……離れるな」
皇女様が僕の上に崩れた。僕はその金糸の髪を撫でながらその細い肩を抱いた。
そう……皇女様は高貴で、強くて、僕なんかいつもお世話になりっぱなしで……でも、女の子……なんだな……。
僕は、僕の上に泣き崩れる少女の耳元で囁いた。
「突くよ、クリス……ずっと一緒に気持ち良くなろう」
僕がそう囁くと、クリスは顔を上げた。その表情は、僕の世界の普通の女の子の笑顔のようで、でもやっぱり浮世離れした美しさがこの少女が高貴な女性であることを感じさせた。
「ついてくれ」
クリスが短くいう。僕は腰を激しく突き上げる。
「あ、あ、あ、あ……あううう」
「はあ、はあ……も……もう……」
そう言って僕とクリスは同時に果てた。
僕の逸物を封じていた拘束具も、自然と外れた。突き上げる快楽の余韻は凄まじく。僕は夜明けに小姓が起こしに来るまで皇女様とともに、沈んだように眠っていた。
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