*A week・第1日目(6)
T.MIYAKAWA
プラムはさっき注いだ酒を飲みながら、自分の過去の事を話し始めた。 「私ね、ちょっと前までに付き合っていたのがいたんだ。 彼は私と同じ部隊の仲間なの。」 王子はプラムの話を黙って聞いていた。 「私、昔からいつも男っぽいって言われてたんだ。 だから男とは全く縁がなくてね。 そんな時だったよ、彼と出会ったのは…。」 プラムは話を続けた。 「私は彼を見て一目見て気に入ったよ。 だから、私は何度もプロポーズとかしたりしたんだ。」 プラムは話を続けているうちに、沈んでいた表情がさらに重くなっていた。 「やっぱり、ダメだった。 あいつは…あいつは私じゃなく違う女(ひと)と付き合っていたんだよ!」 プラムはテーブルを叩きながら、声を荒くして言った。 王子はその様子に驚いた。 「とてもくやしかったよ。 あいつは私よりもあの女の方がいいって言ったんだ。 私より女らしいからって…。」 プラムの目はいつの間にか、涙で潤んでいた。 「あいつが言った言葉は今でも覚えてる。 いや、忘れたくても忘れる事が出来ないんだよ!」 プラムはそう言いながら、テーブルを何度も叩いた。
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