アルセイク神伝
第一話その2.狂乱の魔導師
「ムッ!?」
振り向きざま石を受け止めるヒルカス。その先に、1人の背の低い男が怒りの篭った目
でヒルカスを睨んでいた。
「この裏切り者めっ、姫様から離れるだ!!」
その声を聞いたルクレティアは驚き、そして安堵の顔で男を見た。
「ボーエンっ。よかった・・・生きていたのですね!?」
「こいつはオラがやっつけますだ。姫様はその間にお逃げくだせぇ。」
ルクレティアがボーエンと呼んだその男は、片手に棍棒を持ち、その先をヒルカスに向
けている。
「おお、誰かと思えば下男のボーエンじゃないか、相変わらずのマヌケ面だな。」
見下した目付きで悪態をつくヒルカスを睨むボーエン。
「マヌケはお前のほうだべっ。その薄汚ねぇ手で姫様に指1本でも触れてみろ、お前の
ドタマかち割ってやるだ!!」
気勢を上げるボーエンを忌々しげに見るヒルカスは、受け止めた石をグシャッと握りつ
ぶした。
「クソ虫の分際でこの俺に楯突くとはな・・・よかろう、かかってこい。」
「おおっ!!」
殴りかかるボーエン。それを見たヒルカスは、ニッと口元を歪めて右手をかざした。そ
の右手からすさまじい雷撃がほとばしった。
「う、わあああ!!」
雷撃をモロに食らったボーエンが叫びを上げて倒れた。
「ぼ・・・ボーエンっ!!」
ルクレティアの悲痛な声が響いた。
「ぐあ・・・ううう・・・」
ボーエンの全身に激痛が走り、地面をのた打ち回った。
「身の程を知るがいいクソ虫が。」
倒れたボーエンに近寄るヒルカス。
「ルクレティアの恥ずかしい姿をお前にも拝ませてやる。特等席でたっぷりとな。」
ヒルカスは身動きの取れないボーエンの髪の毛を掴んで、呆然とするルクレティアの前
に引きずってきた。
「これで人質が1人増えた事になる。さあ、さっきの続きをしてもらおうか、ルクレテ
ィア。」
ルクレティアは地面に倒れているボーエンと、触手に囚われている侍女達を見た。
「みんな・・・私が至らないばかりに・・・」
自分を責めるルクレティア。今はただ、ヒルカスの傲慢な命令を素直に聞き入れ、侍女
等の命の保証を乞うしかなかった。
手を後ろに回し、ブラジャーをはずすルクレティア。そして片手で胸を隠しながらもう
片一方の手で、パンティーを下ろした。 なんとか裸を見られまいと、彼女の身の丈ほど
もある長い金髪を身体の前に垂らし、両手で胸と股間を覆い隠した。
「往生際が悪いぞ、手をどけろ。」
震えているルクレティアに、ヒルカスの無情な声が浴びせられた。
「こ・・・これで皆が助かるのなら・・・」
ルクレティアは死ぬほどの恥ずかしさに堪え、手をどけた。彼女の長い金髪が風に流さ
れ、その美しい裸身がヒルカスや魔族達の前に晒された。
「おおっ!!」
歓声を上げる魔族達。
「ク、フフ、最高だ・・・」
ヒルカスの陰湿な視線が、恐怖と恥辱に震える顔から、豊かな胸の膨らみ、そして金髪
の陰毛が茂る股間へと移動した。
その裸身は完璧と呼ぶにふさわしい姿であった。真珠の様に白く極め細やかな肌。見事
なまでに均整の取れた身体に、豊満な乳房。どれを取っても完璧である。
「ひゃははああっ、もっと見せろォっ!!。」
ヒルカスの後ろでは集まった魔族達が全裸のルクレティアを見て歓声を上げている。全
身を舐め回すような視線に、ルクレティアは思わず顔をそむけた。
「さ・・・さあ、あ、あなたの言う通りにしましたよ。約束どおり、
人質を解放しなさい。」
「ああ、そうだったな。奴等は解放してやろう。」
ヒルカスが指をパチンと鳴らすと、触手は捕らえていた侍女達を放り出した。だが、触
手が侍女を放り出した場所は、血に飢えた魔族どもの真っ只中だった。
「き、きゃあああっ、たすけてええぇ!!」
「い、いや・・・ひいいい!!」
侍女達の悲鳴が上がる。恐怖におののく侍女達に、猛り狂った魔族がにじり寄った。
「おんなだァ・・・人間のメスだァ・・・」
ギラギラした目で侍女達を見る魔族ども。皆、巨大なイチモツをはちきれんばかりに怒
張させている。
「ひめさまぁああー!!」
魔族どもが一斉に襲いかった。哀れ侍女達は、服を破られ、イチモツをねじ込まれ、男
を知らぬ身体を魔族に蹂躙された。
「さあ、オレのをくわえろ。」
1人の魔族が、侍女の頭を抱えて自分のモノを侍女の口に突っ込んだ。
「う、ぐぐ・・・ぐぶっ!?」
侍女の口から魔族の精液が溢れた。なおも噴出してくる精液で、侍女の顔は精液まみれ
になる。だが魔族イチモツは射精してもなお萎えることなかった。さらに侍女の口にイチ
モツを突っ込んで、何度も何度も射精した。
それは他の魔族も同様である。いつ果てることなく、侍女達を底無しの性欲のまま犯し
続けた。
「あ・・・ああ・・・そんな・・・」
魔族に蹂躙される侍女達を見たルクレティアは、力なくその場に座り込んだ。
「約束が違います!!彼女達を解放すると言ったではありませんか!?」
声を上げるルクレティアを、蔑んだ目で見ているヒルカス。
「何を言ってるんだ。約束通り解放してやったぞ触手からな。ワアッハハッー!!」
「あ・・・悪魔・・・」
嘲り笑うヒルカスを、涙の溢れた目でキッと睨むルクレティア。
「フッ、俺が憎いか?だが今のお前に侍女どもの心配をする余裕などないぞ。」
「え、きゃあ!?」
ルクレティアが不意に悲鳴を上げた。彼女の背後から触手が伸びてきて、ルクレティア
の両腕を後ろ手に縛り上げたのだ。
「な、なにを・・・はなしなさいっ。」
触手は叫ぶルクレティアを、ヒルカスの前に引きずって行った。
「クク、いい胸だ・・・汚すのがもったいないくらいにな。」
身動きの取れないルクレティアの胸にヒルカスの青白い手が伸びてきた。
「さ、触らないでっ、あうっ!!。」
ヒルカスの両手がルクレティアの白く美しい乳房を掴み、乳首を掴んで引っ張った。
「あ、ああ・・・やめて・・・やめてぇっ。手を離しなさいっ、この外道ー!!」
外道と言われたヒルカスは、目に憎悪を浮かべてルクレティアを睨んだ。
「減らず口を叩けるのは今のうちだぞルクレティア。貴様に受けた屈辱を倍にして返し
てやる。その清ました顔が苦痛に歪むのをどれだけ待ち望んだ事か・・・」
そう言ったヒルカスは、人差し指をルクレティアの目の前に突き付けた。
「あう・・・」
ルクレティアは我が目を疑った。ヒルカスの人差し指がゆっくりと形を変えたのだ。指
だけではない、右手自体が鈍い光を放つ金属になった。そして右手は鋭い鉄の爪を持つ奇
怪な凶器に変貌した。
「やめなさいっ、なにをするの!?」
サディスティックな怪物と化したヒルカスから逃れ様とするルクレティア。だが、彼女
を捕らえている触手のため、それも適わない。
「ズタズタにしてやる・・・お前の自慢の美貌をな・・・」
ニヤリと笑ったヒルカスは、鉄の爪をルクレティアの胸の谷間に食い込ませた。
「あ、あああ!!」
ルクレティアは悲鳴を上げた。鋭い爪が透き通るような白い肌を傷つけていく。鮮血が
胸の谷間を流れ、激痛が全身を貫いた。
「こんな傷がなんだ。どうせすぐに癒しの力で元に戻すんだろうが。」
憎々しげにルクレティアに呪詛の言葉を吐くヒルカス。
ヒルカスの言葉通り、ルクレティアには癒しの力がある。この程度の傷など難なく直す
事が出来る。だが、逆に言えば癒しの力があるが故に、永遠の苦痛を受けねばならないと
言う事でもあった。
「治すがいいさ。治った端から切り刻んで苦しめ続けてやる。」
ヒルカスはそう言いながら、血のついた爪をルクレティアの顔に近づけた。
「この綺麗な顔を二目と見られない醜い顔にしてやろうか?」
「ひっ・・・いやあああぁー!!」
絹を切り裂くような絶叫を上げるルクレティア。
「いい声だ・・・もっと泣け、もっと叫べ!!その叫びが俺の心を満たしてくれる。俺
の憎しみを快楽に変えてくれる。さあ思う存分泣き喚くがいい!!フハハハッ、ヒャーッ
ハハァ!!」
ヒルカスは笑った。傷つけられ、泣き叫ぶルクレティアを見ながら狂ったように笑った。