アルセイク神伝


第一話その3.踏みにじられた忠誠心

  「やめるだ・・・ヒルカス・・・これ以上・・・姫様を泣かしたら・・・ただじゃ済ま
ないだ!!」
 背後から聞こえたボーエンの声に、ルクレティアを傷つけるのを止めたヒルカスは後ろ
を振り向いた。
 「しぶとい奴だな。」
 雷撃で昏倒していたボーエンが立ち上がっていた。両足は激痛に苛まれ、僅かに歩くだ
けでも発狂しそうになる。そんな苦痛を気力だけで押さえ、ヨロヨロとヒルカスに向かっ
て歩いて行った。愛しい姫様を守る、ただそれだけの為に・・・
 「クソ虫めが!!」
 ボーエンの腹に、ヒルカスのヒザ蹴りが炸裂した。血反吐を吐いて地面に叩き付けられ
るボーエン。
 「てめえはどこまで俺に楯突けば気が済むんだあっ!!」
 倒れたボーエンを何度も蹴るヒルカス。だが、ボーエンは尚も立ち上がろうとする。
 「おめえの好きにはさせねぇ・・・オラは姫様に誓っただ・・・死んでも姫様を守るっ
て、ぐっ。」
 「フン、お前はいつもそうだったな。姫様のため、姫様のため。そう言ってはルクレテ
ィアの腰巾着になって媚びてやがった。お前みたいなゴマ擦り野郎はヘドが出るんだよ!!
」
 ヒルカスは憎々しげに言い放つとボーエンの頭をグリグリと踏みにじった。
 「お前の忠誠心などクソの役にも立たんことを教えてやる。立たせろ!!」
 後方に控えていた魔族が倒れているボーエンの両腕を掴んで無理やり立たせた。
 「どうだボーエン、お前もルクレティアの裸を見たかったんじゃないか?姫様に誓った
とか言いながら、本当はルクレティアをネタにマスかいてやがったんだろう。どうだ図星
だろうが。」
 「おめえと一緒にするなっ!!オラにとって姫様は天使様だっ。そんな姫様にいやらし
い事なんか一度だって思った事ねえだ!!」
 激しく反論するボーエンを嘲笑ったヒルカスは、右手をボーエンの額に押し当てた。
 「いやらしい事を一度も思わなかっただと?バカかお前は。男はどんな奴だっていい女
を見れば盛りがつくもんよ。男はみんなケダモノなのさ。」
 右手からバチッと軽い電撃が走った。電撃の走ったボーエンの額には、ヒルカスの右手
にあったのと同じラスの紋章が描かれていた。
 「お、オラに何しただ!?」
 「これでお前は俺と同じ魔界の住人となった。お前が少しでもルクレティアに欲情すれ
ば身も心も醜い魔族に成り果てるのだ。」
 「馬鹿言うな、オラは姫様に欲情なんか・・・あ、ぐ!?」
 ボーエンが声を詰まらせた。骨がメキメキと音を立てて軋み始めたのだ。全身の表皮が
浅黒く硬い皮に変化し、筋肉の隆起と共に上半身の服がビリビリと破れた。破れた服の下
から現れたその身体は、正に魔族の姿であった。
 「お、オラのからだがあぁあ・・・」
 悲痛な声を上げて嘆くボーエン
 「顔が変化していないな。普通なら身体も顔もたちどころに醜く変化するのだが。ルク
レティアへの忠誠心が変化を押さえているわけか。」
 ヒルカスはそう言いながら右手を上げた。すると、ルクレティアの両腕を縛っていた触
手が動き出し、胸を傷つけられてぐったりしているルクレティアを持ち上げた。
 「う、ボーエン・・・」
 痛めつけられているボーエンに気が付き、弱々しく名前を呼ぶルクレティア。
 「裸を見るぐらいでは忠誠心は揺るがないかもしれないが、これを見ればいくら強情な
お前でも欲情するさ。」
 ヒルカスの声と共に2本の触手が両脇からルクレティアに近寄ってきた。そしてルクレ
ティアの白い太ももに巻きつくと、両足を大きく広げた。
 「ああ、い、いや・・・やめてぇ・・・」
 股を大きく開かされ、秘部を晒されてしまったルクレティアは大粒の涙を流した。金髪
の陰毛に覆われたピンク色の秘部は、一片の穢れもなかった。
 「クク、いい眺めじゃねえか。」
 ギラギラした視線を秘部に向けるヒルカス。
 「どうだ見るがいいボーエン。お前の愛しい姫様の恥ずかしい姿を。」
 顔を背けるボーエンの髪を掴んで、さらし者にされているルクレティアに向けさせた。
 「あう・・・姫様・・・」
 ボーエンは目を閉じようとしたが出来なかった。ヒルカスの魔力によって強制的にルク
レティアを見ざるを得ないようにされたのである。
 「これからが本番だぞ。じっくり目に焼き付けろ。」
 地面から新しい触手が無数に出てきた。そして動けないルクレティアの周囲に群がると、
ルクレティアの全身を弄り始めた。
 「あひっ、ひぃあ・・・ああ、い、や・・・」
 声にならない喘ぎを上げて身をよじるルクレティア。粘液を滴らせた触手は、全身の性
感帯を余すところ無く刺激していく。乳房を撫でていた触手の先端がパクリと口を開き、
膨らんだ乳房に絡み付くと、ピンと立っている乳首をくわえた。
 「あうっ!!」
 触手に吸いつかれている乳首から白い母乳が溢れ出てきた。触手はさらに母乳を搾り出
そうと乳房を締めつけていく。
溢れた母乳は傷つけられた胸の谷間を流れ、鮮血と交じり合うとピンク色の雫となって地
面に滴り落ちた。
 「そ、そこは・・・やめて・・・」
 ルクレティアの声が更に大きくなった。太ももを刺激していた3本の触手が、秘部を責
め始めたのだ。
 「あ、あああ。」
 ヒダの周りを、そしてクリトリスを刺激されたルクレティアは、全身をビクビクと震わ
せ、悶えた。
 「こんな、く、うう・・・もうだめ・・・」
 触手に蹂躙されるルクレティアは、今まで味わった事の無い淫靡な感覚に翻弄されてい
た。
 「クックック、いいぞ、もっと悶えろっ。清純な神姫を汚らわしいメスブタにしてやる
っ。」
 よだれをたらしてわめくヒルカス。取り巻きの魔族どもも同じように興奮し、気味悪い
歓声をあげている。
 「ぐああ、負けねえだ・・・魔族になんかならねえだっ、あぐあっ!!」
 いたぶられるルクレティアを見せ付けられているボーエンは湧き出してくる欲情を必死
になって押さえていた。だが、そんなボーエンの努力も空しく、身体は徐々に魔族へと変
貌して行った。その変化はやがて顔にも及んできた。
 「どうしたんだボーエン、さっきまでの威勢は。欲情なんかしないとか言っても身体は
正直だな。」
 ボーエンの股間は、自分の意思とは関係無く勃起している。
 「あうう、お許しくだせえ、姫様ぁ・・・」
 自分の意思と関係ないとは言え、忠誠を誓った愛すべき姫様に欲情したことを詫びるボ
ーエン。
 そんな苦悩するボーエンを嘲笑うヒルカスは、ルクレティアの秘部を指差し口元を歪め
た。
 「終わりだ、ルクレティアァァ・・・こいつを食らって奈落の底に落ちるがいいっ!!」
 その声と共に最も大きな触手が蠢き、先端が異様な形に変化した。それは正に勃起した
男性器そのものの形であった。それには無数のイボと突起がついており、キノコの様に大
きく開いたカリ首の先端から白くてドロドロした液体がたれている。
 「ひっ!?」
 短い悲鳴を上げるルクレティア。ふとともを縛っていた触手が股をさらに大きく広げた
のだ。その広げられた股間に不気味に蠢く触手が迫る。
 「やめてっ、やめて・・・いやー!!」
 迫る触手が、ルクレティアの秘部に突き刺さった。
 「はう、あっ、うああううっ!!」
 触手は激しく動き、その度にルクレティアは悲鳴を上げた。触手の先端から溢れている
ドロドロの液体が秘部から噴出してきた。狂おしい快感がルクレティアを攻め立てる。
 「だ、だめ・・・ボーエン・・・見てはだめ・・・ああー!!」
 絶頂に達したルクレティア。
 「姫様あー!!う・・・ぐあああ!!」
 ボーエンの悲痛な叫びがこだました。ボーエンの身体が完全に魔族の肉体となり、顔の
形が醜く歪み出したのだ。
 「いやだああっ、こんな・・・うわあ・・・」
 頭を抱えてのた打ち回るボーエン。その頭には2本の角が生えていた。とうとうボーエ
ンは醜い鬼、ゴブリンに成り果ててしまった。
 「フハハー!!どうだボーエン。魔族になった気分は?お前の忠誠心など、所詮こんな
程度のものだ。」
 ボーエンがルクレティアの下男となった日から誓ってきた忠誠心は、こうして無残にも
踏みにじられた。






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