魔戦姫伝説異聞〜白兎之章〜


第2話 琥珀の風 part20
Simon


「やぁっ! やめろバカァ!!」


飛び出したアタシは――いきなり床に叩きつけられた
そのまま背中に圧し掛かられて、押しつぶされる

「や! お願い、放して!――アリーシャ様がァァァッ!」

じたばたと足を――腕さえ自由だったら、引っかいてやるのに!


――メキッ!

「――ガァッ!?」

また……腕を……

「ア……リ……さまぁ……」

それでも――少しでも這いずって

目の前で――アリーシャ様が! 犬に襲われて……このクソ犬っ! どこを舐め
てるのよ!

「――ぅぅぅぁぁあああ!!」

獣のような声がアタシの喉から溢れ出す

アリーシャ様が、犬に舐められて――さっきアタシが奇麗にしたのに

犬の舌がベチャベチャ這い回って

凄い荒い息がここまで伝わってくる

うつ伏せになって、執拗に乳房を狙ってくる舌から逃げようとして――無防備に
晒してしまった背中を、お尻から肩甲骨の間まで舐め上げられて

仰け反って痙攣して――震えてるアリーシャ様の全身に犬が舌を這わせて、蜜油
を舐め取っていく……

それにつれて――アリーシャ様が!


「お願い! お願いだからぁ! 姫様がこわれちゃうよぉぉ!!」

――ブシュッ!

突き上げた腰、おま○こから、粘ついた液が噴き出した

それすらも犬が美味しそうに舐めしゃぶって――床に飛び散った分まで――アリ
ーシャ様が嬉しそうにワラウ

胸を嘗め回していた犬が、大きく口を開けて、乳房を咥え込んだ
首を揺すって――

「アアァァ!――イヤァァァ!!」

足の間を突き上げるように鼻面を押し付けて――犬に押されてアリーシャ様がず
り上がって――潜り込もうとしてる!

足首を咥えた一頭が、自分の方に引っ張ろうとして――そんな! 3頭がばらば
らに動いたら!

「……! アガッ――イダァァイッ!!――ンブゥ!?」

顔中をメチャクチャに嘗め回されてる

頭を振っても執拗に追いかけて――押しのけようとした手を咥えられて、アリー
シャ様が悲鳴を上げる!

入れ替わり立ち代り、目まぐるしく場所を変えながら、犬たちが全身を嘗め回し
てる

アリーシャ様の悲鳴が――悲鳴……なんで――


――なんで……そんなに嬉しそうな声を上げるの!


いやじゃないんですか! 気持ち悪くないんですか!

そいつらは――犬は!


――アタシじゃないのに!!


いっぱい舐めあって、抱きしめてくれたじゃないですか!

お臍もお尻も――全部舐めさせてくれたじゃないですか

アタシだから――そうじゃなかったんですか!


「違うのぉ! アリーシャ様はそんなんじゃないの!!」


なんだか分からないモノがこみ上げて――グチャグチャに泣きながら叫んでいた


「ダメ! 行っちゃダメ! アリーシャ様はアタシのなの!!」


――でも、このままでは向こうに行ってしまうよ?


「そんなのやだぁ!! 助けて! 殺してやる!」


――何でもするか?


「する! 姫様! アリーシャさまぁぁ!」


――姫がこんな目に遭っているのに、笑っていた子がいるだろう?

――白くて――銀色で――小さくて……


「白?――リン…ス?」


――可哀想なアリーシャのことを、笑ってたんだよ……酷い子だねぇ


「リンス――そんな――友達だと……」


――ああいう酷い子には、もっと酷い目に遭ってもらわないとね


「友達――だと思ったのに……っ! あのクソがぁぁぁ!!」


――悪い子の代わりに、アリーシャがこんな目に遭ってるんだよ……それでもい
いのかい?





「殺してやる!――アタシが殺してやる!! だから――アリーシャ様を――ち
くしょう!! リンスッ! ぶっ殺してやるっ!!!」


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