ローザ姫の悲運第二部:白百合美少女親衛隊
第九話:シンシア反撃!
神光寺雅
「ひひひ・・いいね・・処女だよね?だよね?いひひ・・」
モヒカンがシンシアに迫る。
強面の表情をゆがめて、よだれも垂れてきそうだ。
「く・・・」
シンシアは顔をゆがめる。だが、抵抗はしない。
男にされるがままに与し抱かれる。
「おやおやおとなしくなったね。こわいのかな?それともしてほしかったのかな?」
抵抗しないシンシアに、モヒカンは気を許し、大胆に迫っていく。
「もう少し抵抗するかと思ったんだがね。ひひひっ」
視線を合わせないシンシアの顔をのぞき込んで。
「可愛い顔を見せてくれよ。ひひひっ」
ほとんどスケベおやじだ。
モヒカンはじゃまっけなズボンを脱ぐと、シンシアに覆い被さる。
シンシアは足を開かれまいと必死にたたんでチャンスを待っていた。
【最後にして最も効果的な反撃】のチャンスを狙っていたのだ。
もしも捕まったとき。自分の貞操を守りつつ、なおかつ最大限の反撃を与える。
一撃必殺の秘策。男が急所を無防備にさらしたとき。一撃のキックで急所を捕らえる。
金的ねらいのキック。
花も恥じらう乙女達が、幾度となく訓練を重ねた技。
まさか使うとは思っても見なかったのだが。
そして・・
「いまよ!」
折りたたんだ足を一挙に蹴り上げる。金的ねらいのキック。
ぐにゅ・・・的に的中した足が妙な感触を残した。
「ぎゃああああ!」
「やった!」
モヒカンはたまらずのけぞり、そのままひっくり返った。
【敵に捕らわれたときの反撃の手段】として訓練した結果が出たのだ。
間髪を入れず、腰に着いた補足縄をほどいてモヒカンの手を縛っていく。
モヒカンはもだえ苦しんでいて、あっという間にシンシアに縛り上げられた。
「うまくいった」
はずだったのだが・・。
「そこまでだよお嬢さん!」
他の4人の男がシンシアを取り囲んだ。
「どうして・・・」
シンシアの攻撃を合図に他の4人も一斉に同じ反撃をするはずだったのだが。
「同じ手をくうわけがないだろうが」
モヒカンがあまり大きな悲鳴を上げた物だから、他の4人は作戦に気づいてしまったのだ。
他の4人の少女達は反撃することもできずに捕らえられてしまった。
「くっ・・」
「シンシアごめん・・・」
4人とも膝まで下げられたタイツによって、キック攻撃が使えなかったのだ。
手下とはいえ山賊の一味。手慣れているとしか言いようがない。
実戦経験の差とでも言うのだろうか。
「こいつ!よくもやってくれたな」
仲間に縄をほどいてもらってやっと威勢を取り戻したモヒカン。
シンシアの胸ぐらをつかんで息巻いた。
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