古城の艶舞2

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その舞台には自然の光があちこちから取り入れられ、それが舞台のなかの反射鏡のような
飾りに反射してきらきらと輝いている。その光のなかで一人の妖精が舞っている。
 『踊り』舞踏会でのしとやかな踊りしか知らなかったピエールは驚いた。妖精は爪先で
立って、大きく飛び跳ねる。薄桃色の薄布をまとい、ぴんと横に張った短いスカートから
は、その美脚を惜しげもなく曝している。しかしその舞は花のように美しく、可憐だった。
「パテイ様!姫様!ピエール様がおこしです!パテイ様!」
 妖艶な音楽とともに舞っていた妖精が、その声に初めて地上に舞い降りた。
「ピエール様・・・?」
きょとんとしたように立ち尽くす妖精。その顔は先ほどまでの激しい舞にも、汗一つかい
てはいない。
「ピエール様・・・おこし下さったんですね!・・・本当に・・・ああ・・・ピエール様」
 まるで、歌うように、そして見開いた大きな目をぱちくりさせながら、舞うようにしな
やかな早さでピエールに近づいてきた。
「パトリシア?・・・パトリシアなんだね・・・君が?・・・」
「そうです・・・パテイと呼んで下さい・・・」パトリシア姫は栗色の髪を赤い大きなリ
ボンで束ね、大きな目を更に大きく見開いてピエールの反応を待っている。
 それにしてもパテイはピエールより一つ下の18歳であるはず。小柄なからだ、大きな
目年齢以上に幼さを感じさせる。
 それとは対照的に、踊りの衣装の悩ましさはどうだろう。舞踏会用の胸のあいたドレス
よりもはるかに、両方の肩と、胸より上を露出した、刺繍と飾り石がついていなければ、
キャミソールにしか見えない薄布だけの上半身。それは、豊かとは言えないが形の良い胸
を隠してはいない。そして、細く引き締まった腰。なにより横に広がった短いスカートは、
白いタイツに覆われただけの下半身は、すらりと伸びた脚、太股、そして小柄ながら形よ
く盛り上がったお尻のラインを隠してはいないのだ。
「パテイ・・・パテイ・・・・」
 ピエールは、この愛らしいお姫様を思わず抱きしめたくなった。

・・・と・・・。 「あれっ?ピエール様タイツの前が・・・」 「!こ、これは!」  ピエールの若い肉体はその意志に反して、あまりにも無防備な姫の姿態に反応して、タ イツの前をこんもりと膨れさせていた。 「パ、パテイ様!」  侍女が慌ててピエールを部屋の外へと連れ出した。  残った侍女が、姫の身体にタオルを巻いて、控え室へと連れていった。 「ピエール様・・・。気がつきませんで。お待ち下さい・・・失礼」 「あ・・・」  侍女が眼をつぶって、ピエールのタイツを引き下ろした。そして、布でピエールのペニ スをくるむと、そのまましごきだした。 「失礼しました・・・。外の方にはあまりにも刺激が強すぎたようです・・・」 「おおお・・・ああっ」  侍女がしごき出すとまもなく、ピエールが激しく射精した。 「失礼しました・・・」  侍女が顔を赤らめながら、後始末をしていると、再び、ピエールのペニスが首をもたげ てくる。 「まあ・・・これなら・・・お子さまの誕生もまもなくですわ・・・・」  くすくすとうれしそうに笑う侍女の声に、ピエールは照れ隠しに一つ咳をした。  夕食時。ピエールの為に質素ながらももてなしの夕餉が開かれた。 「お兄さまもご出席下さるとばかり思っていたのじゃが・・・」 「は、はあ・・・」  国王が寂しげに言葉を漏らす。たしかに、いかな小国のこととはいえ、礼儀に反する。  ピエールも兄のそっけない態度には怒りさえ感じていた。  そのとき。 「おお、パトリシアまいったか。婿殿がすっかりお待ちかねじゃぞ」 「はい、おとうさま・・・」  全員が席に着いたあと、しばらくしてパトリシア姫が入ってきた。  先ほどのことがあって、ピエールは目を合わせるのをためらった。 「さきほどは・・・。体調でも崩されたのかと心配いたしました」 「え?い、いえ大したことは・・・」  さすがにパトリシアにはピエールのその後の話はされなかったようだ。 初めてあった姫君に欲情して、侍女に後始末をしてもらったなど、恥以外のなにものでも ないからだが・・・。 「さあさあ。食事にいたそう。あまり客人を待たせては申し訳がない」  屈託のない王の一言で、宴は始まった。 最後に、パトリシア姫が、ダンスを誘ってきた。 「ご一緒いただけますか・・・」 「よろこんで」  普通のダンスなら、誇れるほどではないににしろ、姫君の相手をせざるをえまい。  静かなワルツが奏でられた。姫の手を取って踊り出すピエール王子。  その時初めて、ドレス姿のパトリシアを身近に見ることができた。先ほどとは打って変 わったおとなしめの、濃い緑のドレス。胸の開き具合も控えめだ。栗色の髪の毛は、スト レートに流されて、ハーブの香りのする整髪料で整えられている。顔立ちも、幾分大人び て見えて、年齢にふさわしく写る。  身体を寄せて、ワルツのリズムに乗って、軽やかに踊るパトリシア。優雅な身のこなし、 手を腰に回したときの、心地よい柔らかさ。まるで先ほどの天使とは、別人のようにも見 える。  「君は二つの顔を持っているんだね?」 ピエールが、パトリシアの耳元でささやいた。 「どちらの私がお好みですか?」  にこにこと可愛い笑顔でパトリシアが聞き返した。 「どちらもさ・・・」 ピエールの言葉に、パトリシアはくすくすと可愛い声で笑った。  楽しいときは、あっというまに過ぎ去ってしまう。やがて宴は終わりの時を迎えた。 ピエールは、貴賓用の部屋へと案内された。いかに、数日後には妻となるとはいえ、その 時までは、一緒に寝ることなど出来はしないのだ。  先ほどの侍女が、ピエールを部屋へと案内した。 「しばらくはご不便をおかけいたしますが、なにとぞご容赦のほど」 「いや、それはかまわぬ。して、姫君はもうお休みになられたのですか?」  部屋に入り、ベットメイクをしながら、侍女がくすくすと笑いながら応える。 「ご心配でございますか?」 「・・・い、いや」 「姫様は、式の日に踊る舞の練習に戻りました。姫様もただ時を送っているよりはともう されまして」 「・・・そうか。あまり無理をせぬよう、申し伝えてくれ」 「はい・・・。他に何かご用は?」 「いや、私はもう休むことにする」 「承知いたしました。ごゆるりとお過ごし下さい」 侍女は、軽く会釈をすると退いていった。 「ふう・・・」  ピエールは、あまりにもめまぐるしい一日と、旅のつかれ、酒のせいもあって、そのま まベットに倒れ込んだ。  しかし、眠気など一向に訪れてはくれない。「姫はまだ、踊りの稽古か・・・」  ピエールの頭に、薄布で軽やかに舞うパトリシア姫の姿が浮かんでくる。  そして、白いタイツと申し訳程度に下半身を覆ったショーツ姿が・・・・。 「いかん!いかんぞ!俺は!姫君を愚弄するなんて!」  必死に自分の感情を否定するピエール。そして、姫君の前でタイツの前を大きく膨らま せてしまったこと。そして、侍女の手によって射精してしまったこと。  しかし、再び自分の股間が明らかに反応してくるのを感じていた。  しかし、ピエールは知らなかった。この時、おぞましい獣達の陰謀が渦巻いていること など・・・。  

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