バラステア戦記

第二十三話

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バラステアで暗躍するレジスタンス・カディス=ジークのアジトは、ゼキスードの北・バ
ラステアの屋根と呼ばれる山脈地帯に広がる不毛の樹海エリアにある。
アジトまでの道のりには、レジスタンスのメンバーにだけわかるように特殊な印がつけら
れており、樹海深くのアジトにはメンバー以外の者は簡単にはたどり着けないようになっ
ていた。
「まずいぜ、そろそろここがやつらにばれるかもしれん」
アジトでは、カディス=ジークの主要メンバーが集まり、バラステア軍に抵抗するための
作戦が練られている。
「軍は樹海にアジトがあることまでは突きとめたらしいぜ・・・・バランの奴もいよいよ
大部隊を展開してくるらしい」
「ゼキスードの魔砲台も間もなく完成するらしい。それまでになんとか破壊しなければ」
カディス=ジークは反バラステアの思想を持つ者たちが集まったレジスタンス部隊である。
そのメンバーは多国籍で、国を問わずに大志を掲げる者たちが集結していた。中にはバラ
ステア軍を抜けて参加している者もいる。アイルランガ軍の兵士としてソード・ロックで
の死線をくぐりぬけて来た者もいる。彼らはゲリラ戦を得意とし、少数部隊でゼキスード
の守備隊と幾度となく交戦を繰り返してきた。
「皇帝の婚礼の儀は1週間後だ。つかんだ情報によると、婚礼の儀で祝砲として魔砲台を
ぶっ放すそうだ。・・・・・そんなことは絶対に阻止しなければならない。いよいよ作戦・
(オデッサ)を発動する時が来た・・・・・!」
作戦・(オデッサ)はバラステアの要塞を破壊するレジスタンスの最終作戦である。リー
ダーであるレッドは、カルノアの婚儀がせまった今、まさに作戦を発動しようとしていた。
作戦では、ゼキスード建設の為に過酷な労働を強いられている何万人もの奴隷たちが寝起
きする(奴隷房)を襲撃し、バラステアに不満を持つ奴隷達を解放する。そして彼らを味
方に付け、ゼキスード要塞と魔砲台に多量の爆薬を仕掛けて破壊する、というものだった。
「作戦は二日後に発動する。我々の全力を尽くす時だ。それまでにしっかり休んで力を蓄
え、装備の点検をしてくれ」
レッド=サーキュイスもバラステアの侵攻によって国を失った1人である。
レッドは、当時バラステアと肩をならべるある強国の兵士だった。国は発展し、四季のあ
る美しい国であった。
レッドには美しい婚約者がいた。彼女は幼なじみで、子供の頃からのつき合いであった。
「もうすぐ部隊をまかされることになる。そしたら俺と結婚してほしい」
美しい彼女は、レッドのプロポーズを涙をながして喜んでくれた。
だが幸せは長くは続かなかった。ある日、クレファー・ロロイの率いるバラステアの大軍
が国境を越えて侵攻してきたのだ。
「心配はいらない。この国はバラステアには負けない。必ず無事に帰ってくるさ」
しかしクレファーの率いるバラステア軍は正に鬼神のごとき強さであった。国境を越えて
から数日のうちに王城を取り囲んでしまった。そんな中、レッドの部隊は孤軍奮闘、王城
を打って出る。
「俺に続け!狙うは敵将・クレファーロロイ只1人!!他の者には目をくれるなぁ!」
「おおおおお!!」
怒号と共にレッドはバラステア軍に突撃する。
「おおおおおりゃ!」
レッドは自分の身の丈よりも長い大剣を振り回しながら騎馬を駆る。そのあまりの凄まじ
さにバラステア軍の兵士達は成す術もなく討たれていく。
レッドの進む方向に一際大きなバラステア国旗がはためいていた。
(あそこか)
クレファーの居場所を知ったレッドは、バラステア兵達を蹴散らしながら風の如く突き進
んだ。
「クレファー!!」
レッドは大剣をふりかぶると、間合いを詰めてクレファーに向かって振りおろした。
「くっ!」
クレファーはブラック・ソードを抜くと、かろうじてレッドの一撃を受け止める。しかし
あまりに強烈な一撃に、クレファーの体は後方に飛ばされた。
「将軍!」
「奴を近づけるな!」
レッドはクレファーを目の前にしながらバラステア兵達の強烈な抵抗に合って後退を余儀
なくされる。
(もう少しというところで・・・・!)
レッドの部隊はやむを得ず一時引き返す。だがそこで見た物は今だにレッドの脳裏から離
れることはない。
(ゴアアアアアアアアア!!)
王城に巨大な暗黒竜がとりついているのだ。その恐怖の咆哮は身を凍らせる程である。
(これは・・・・・!?)
王城は暗黒竜によって破壊されていく。城壁がくずされると、それを取り囲むバラステア
兵たちが城内になだれこんだ。暗黒竜の前に戦意を失った城の兵達は次々に討たれ、また
は捕らえられていく。
「おのれぇ!」
レッドは最後まで戦ったが、敵の放った矢に片目を射抜かれると、くずれ落ちて敵兵に捕
らわれてしまった。
城内ではすさまじい略奪が行われた。城の金品は奪われ、国の要職の者達は1人残らず殺
された。侍女達はなだれこんだバラステア兵達によって悲惨な目に合わされていた。
「ひひひひ、おとなしくしろお!!」
「いやああああ!!」
レッドの婚約者も、バラステア兵によって捕らえられた。彼女はレッドの目の前でバラス
テア兵たちに陵辱された。
「やめろ・・・・・!たのむ・・・・・!やめてくれ・・・・・!」
「んん?なんだ、この女なかなかの上玉だが、おまえの女か」
「いやあああああ!やめて・・・・・・・!!」
レッドの目の前で、彼女は数人のバラステア兵たちに衣服を剥がされ、そして・・・・・
(すにゅうううううう)
「あううううううう!!」バラステア兵の1人が黒く汚い剛直を彼女の可憐な秘部へ突き
刺す。まだ汚れを知らぬその秘部からは、破瓜の血が痛々しくあふれ出す。
「へっへっへ・・・初モノかあ!最高の締まりだぜ!!」
男はこらえきれずにすぐに中に放つと、入れ替わりに何人者の兵士が彼女の体を陵辱した。
「やめろおおおおおお!!!」
レッドは叫ぶが、激しい陵辱は止むことはなかった。そして彼女はあまりの凄まじさに耐
えることができずにショック死してしまったのだ。美しい彼女は、秘部と口に男の汚れた
ものを差し込まれながら死んだ。
(この恨み・・・・・・・どうすれば晴れるというのだ)
レッドは血の涙を流しながらその様子を見ているしかなかった。そして彼は奴隷として労
働させられている時に自力で脱出したのだった。
(かならずバラステアに復讐する。そのために俺の命を使う)

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