魔戦姫伝説異聞〜白兎之章〜


第2話 琥珀の風 part16
Simon




――グニュッ!――ギチュ…ニュル…


「――はぁぁ…ハァハァ――んんっ」

アリーシャ様が、まるで子供のように、夢中になって自分の胸を揉んでいる
その手の動きには、技巧的なものなどなく、まるで何かに駆り立てられているか
のようで――

――ハァッハァッ…ハァッ…

息が荒くなるに連れて、その眼の中に、次第に違う光が混じり始めた


――パタ――パタ…タ…


アリーシャ様の頬を伝って、涎が床に滴る

「――キャウ!?――はぁぁっ!――アン」

――グッチャグッチャ――グニュウ!

あんなに、こねくり回して――内股になって、太腿をすり合わせて――


――ブ…チィッ!


「――あははは!――あぁ…これぇ!」


我慢できなくなったように、辛うじて胸を覆っていた布を、自分の手で引き千切
ってしまった

――グチョッ!――ギュプッ!――グチュッ!

「アハァぁ――うあァ!――ふきィィぃ!」

信じられない――自分の胸を根元から絞り上げるように……あんなに激しく
蜜に濡れた乳房が、アリーシャ様の手の中で、押しつぶされ、揉み解され、引き
伸ばされて――信じられない!

「――はぁハァハァ!――う…んっ――っはァ!」

乳房を上に押し上げて――舌をいっぱいに伸ばし……そんなの無理です!

「――ンアぁぁぁァぁ!」

小さくもないけれど、けして大きくはない乳房――どうしても舌が届かないと知
って――

――ギュゥゥゥ!

爪をっ!

「うああぁぁ!――イヒャァァ!!」

ガクガクと痙攣しながら、乳首をつねり上げて――上に――上に引っ張って
爪先立ちに――乳房があんなに……ああっ!

――ビチィ!

「――ンキャハァッ!!」

爪が弾かれて、解き放たれた胸がブルンブルン揺れて――
今度は指が――シタールを掻き鳴らすみたいに胸の上を――尖りきった乳首をつ
まんで、弾いて擽って揉み解して――カリッ――小指の爪で、クルクルと転がす
ように

――ヌチュッ!――ニュルル――グチュ

蜜と汗が入り混じって、アリーシャ様が身悶えるたびにギラギラと――怖い

いくら蜜で滑ると言っても、あんなに爪を立てて掻き毟ったら――

「どうした、ユーデリカ――あれでもまだ序の口だぞ」

耳元でファズが囁いてくる

「やはり、お前のことが気になるようだな――イキきれないらしい」

――まぁ、それもここまでだが


余裕の表情のファズよりも、アリーシャ様が震える右手を――

「――ダメです! アリーシャ様!!」

思わず叫んでしまった

ギクリ――と、震えたアリーシャ様が、ゆっくりとアタシの方を見る
叱られた子供のような頼りない目


「――ユーディ… ダメなの?」

――やっぱり……いけないことなの?


そうだ――と、応えそうになって……ファズはなんと言っていた?――原液で使
うには少々強力すぎて……すぐに気持ちよくなる……?

――瞳に涙を湛えながら、その口元からは熱い吐息――無意識に舌なめずりをし
て、零れた涎を舐め取る
右手を迷子のように彷徨わせながら、左手は別の生き物のように胸を弄り――

ユーデリカの知識にあった媚薬――ほんの少し身体が熱くなる、お酒に混ぜて飲
む――

これは――そんな生易しいものではなかった

「ま……さか、ファズ……」

「気がついたかね? ――アレがいったいどんなものなのか、自分で確かめてみ
るといい」

ファズの――まだ少し蜜を残した指が、ユーデリカの胸元に伸び――

――スゥッ

掠めるように、鎖骨の下を撫でていった

僅か一箇所――だからこそ、その効果がより鮮明に感じられる

――フラ…

よろめきかけて、足を踏ん張る
頭を振って、意識をハッキリさせる
それでもジワジワと広がってくるムズ痒さ――切なさ――

――トキトキトキ――

無理やり身体が酔わされていく


――た……たった一塗りで……これ?




――それじゃあ……アリーシャ様は……!


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