ローザ姫の悲運第二部:白百合美少女親衛隊

第二話:失敗
神光寺雅

山賊達の下っ端どもは毎日のように不満を漏らしていた。
ローザ姫が山賊の洞窟に連れ込まれていらいその不満は爆発せんばかりだった。
親方はローザ姫を自分の部屋に囲って、姫様の顔を拝むことはできなかった。
侍女のアン、メイドのリンはローザ姫を攫ってきた兄貴格に占領され、これまた触ることすらゆるされていなかった。
かっては男だけのアジトであったから、苦にはならなかったことも女がいるというのにその恩恵を得られないのだ。
しかも、水くみなどの苦労な仕事は下っ端任せで。わずか数人がトクベツ扱いという、今までにはなかった階級制が山賊達を支配していた。
女達の顔を見ないようにすむ場所さえ分けられ、食事さえ別扱いになった。
だが・・
国王の送った女刺客を手に入れ、自分たちの洞窟に囲い込み。わずかながら女の恩恵をえられる用になったのだが。女刺客は一人。数十人の手下どもに足りるはずもなかった。
馬や馬車は親方達が独占し、女をさらってくることさえできない。
不満の収まるときはなかったのだ。

今日も水くみに向かう手下。だがその手下が手ぶらで帰ってきた。
手下専門の洞窟にはいると興奮して仲間を集めた。

「女だ、女がいる三人だ・・それも飛びっきりだ・・姫様かもしれない」
「・・また罠かもしれないから、できるだけ手勢が欲しくて戻ってきたんだ」
「親方にしられちゃまずい」
もとより女達から隔離するために別の洞窟になっている。通路は一本のみ、親方達が手下の洞窟に入ってくることはなかった。

『とびっきり上等な女』を攫うために、十数人の手下が、洞窟からはい出た。

【遠目】と呼ばれる目だけがでかい背の低い男が先頭に立った。洞窟の入り口から少し行くと、池全体が見渡せる。だが。相変わらず背の高い茂みのため普通の人間には隠れている兵士を見ることはできない。この男の存在が、国王の策を亡き者にしたのだ。
池の端、岩のある場所に三人の女の姿が見える。赤、緑。青と美しいドレスが目に入った。
「たしかにべっぴんさんだ・・・」
遠目がにたにたと笑った。
「それは分かっているさ、問題は茂みの中だ」
「どうだ?・・・隠れてるか?」
遠目が目をこらす。
「1..2.....3・・・・いや5人だ。女達を取り囲むように・・・おや?」
「やっぱりか・・・おまえがいてよかったぜ・・まずはじゃまな奴らからかたずけないとな・・・」
「・その必要もなさそうだ・・・ひひひっ」
「必要がない?どういうことだ?」
「それは俺も聞きたいね。兵士は兵士でも五人とも女だそれも・・なかなかの美形だ」
「女?・・・・・ほんとうか?」
手下どもは大きな声で叫びそうになった。奇怪な顔の男達が、ひひと笑った。


「現れないな・・・」
「ほんとに・・今日は現れないのでしょうか?」
岩の上でつまらなそうにロゼットが呟いた。お姉さん格のリヒテが愛あいずちをうつ。
「二人とも真面目にやりなさい!」
お堅いユーリアが二人を失跡した。
迫っている危機に気づいてはいない。
ざわざわ・・・
茂みがうごめいた。
「不吉な・・・風が出てきたようだ」
ユーリアが当たりを見回した。

【遠目】の指示に従って手下どもが白百合隊に迫った。
ちょうど風が出てきて茂みを揺らし、背後からの接近を容易にしてしまった。
親衛隊服姿で身を隠し剣を構えて辺りをうかがっていたシンシアは突然羽交い締めにされた。
「ううっ・・・」
口をふさがれ、あっという間に縛り上げられてしまった。

「勇ましいお嬢さんだぜ・・・・こつは俺がいただきだ」
手下の声がうわずっていた。
次々と、背後から山賊が親衛隊を襲った。ものの10分とかからぬうちに・5人の親衛隊員は縛り上げられ、洞窟へと連れ去られた。

「何かがおこってる気をつけて!」
ユーリアがロゼットに叫んだ
「何かが?なにもおこってないじゃないの?」
ユーリアは茂みの中に走り込んでいく。
だが・・・
「うっ!・・・・・・」
小さな悲鳴を上げるとユーリアの倒れる音が。
「ユーリア!」
ロゼットとリヒテがとさっさに懐中から剣を取り出して茂みに走った。
だが・・・
「お前達が最後だなお姫様きひひひ・・・」
茂みの中からユーリアを抱きかかえた大男が現れた。
「物騒な物をしまいな・・・この娘がどうなってもいいのか?」
「ひきょうな・・・」
ロゼットが呟く。
すると両脇から山賊が飛び出してきて。口をふさぎ縛り上げてしまう。
あまりに手慣れた山賊達の行動にロゼットもリヒテも手向かうことはできなかった。

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