王女戴姦 第6話
隠者
侍女たちも寝静まった深夜の王宮。王妃デルフィナは寝室のテラスを開け、宮
殿の外へとロープを伝っていく。ゆらゆらとしており不安定な様子だが、足元はし
っかりとしていた。宮殿を出ると、人目を気にしながら、ある建物へと入って行く。
「…あそこは内大臣ネスビルの家?なぜこんな夜更けに」
王宮からデルフィナの後を付けていたのは、ファーレンハイトの密命を帯びたシュ
レイであった。「女の調査だから女に尾行させる」というのは常識的な発想かもし
れなかったが、この判断が悲劇をいずれ生む─。
デルフィナが門をくぐったのを確認すると、シュレイも邸内に侵入した。シュレイ
は
ファーレンハイトの命令で、ネスビル邸の間取りを調べたこともあり、邸内の様子は
頭に入っていた。天井裏の通風孔を伝いながら、シュレイはデルフィナを探す。
「…いいぞぉ。デルフィナぁ」
シュレイがデルフィナの姿を探し始めてまもなく、真下の部屋から男の声がした。
─!今のはネスビルの声。
シュレイは天井に張られたタイルを音もなく、静かにずらし、部屋の様子を覗く。
部屋は薄暗く、鎖や鉄製ベッド、磔台、拘束帯など怪しげな器具が並べられてる。
─な、なんだこの部屋は?
訝しがりながら、さらに目を凝らすと、デルフィナの痴態が飛び込んで来た。四つん
這いで木馬の上に拘束されている。服が裂け、背中には鞭で打たれた痕もある。
「!!」
シュレイは驚きで危うく声がでそうになった。王妃が内大臣の家で虐待されていると
はどういうこと?疑問の渦がまく、シュレイの頭にネスビルの声が再び聞こえる。
「さささ。王妃さま。今度は1リットルですよ〜」
ネスビルは巨大な注射器を手にデルフィナの尻を撫で回す。木馬の上のデルフィナ
は体を揺すっているが、手足が拘束され、なすがままだ。鞭で引き裂かれたのだろ
うか無惨に裂けたドレスの間から真っ白な尻が除き、その割れ目の中央部に、ネス
ビルは注射器をあてがう。
「うふふぅ。さぁ。いきますよ」
ネスビルの手がゆっくりとシリンダーを押し始める。注射器の中の白っぽい液体がみ
るみると、デルフィナの腸内に吸い込まれて行く。デルフィナの口には猿轡がされて
おり、彼女は「うぅうぅ」と唸るだけだ。
「それ終わり」
─ちゅぽんっ。卑猥な音がデルフィナの尻から鳴る。ネスビルは注射器を投げ捨てる
と酷いことに、デルフィナの腹を拳でぐりぐりと押し始めた。
「うぅっっ!!ぐぐっぅぅぅ!うぅぅ」
目を白黒させながら、首を懸命に振るデルフィナ。
「苦しいですか!痛いですか?もっともっと顔を歪めて見せて下さいぃぃ!」
恍惚とした表情を浮かべる小男のネスビル。そそこくさとズボンを降ろし、小さな一
物
でを右手でしごいている。
─変態だわ…。
シュレイはネスビルの様子に嫌悪感を催していた。それと同時に手足を拘束され、浣
腸なんかで痛めつけられる王妃に酷く同情を感じていた。
─王妃様…レイプされているのかもしれない。以前に、ネスビルに強姦されて、その
秘密を守るために性奴になることを強要されているとか……。
シュレイは迷った。ファーレンハイトには「探れ」とは言われたが、「助けろ」とは
言わ
れていない。今ここで、王妃を助けてよいものか…。
「ぐぅぅぐぐぐぐぐぅ!!ぐぅぐぐぐっっっ!」
思案にくれるシュレイの耳に、一際大きいデルフィナの唸り声が聞こえる。下を覗く
と
ネスビルが鉄の棒で、デルフィナの膣口を引っ掻き回しているのである。腸内に液体
を注入され、今度は膣内への乱暴…。
「そうれ!ホレホレ!」
「ぐうっ!っぐっ!ぐっ!あぐぐぐっ!」
デルフィナの苦悶は尋常じゃない。痛みや羞恥や苦しみ、全てが混在し、瞳からは
大粒の涙がボロボロと零れている。閉じることができない口から流れる涎も憐れだ。
─もう我慢できない。助ける!
シュレイは女として、体を玩具のように扱う男に耐えられなかった。怒りが体を覆
い、
拳がぶるぶると震えた。シュレイはいてもたってもいられず、王妃を救うため、タイ
ル
を外し、床へ降下する。
「ネスビル!王妃様を放しなさい!」
シュレイの一喝に、ネスビルはデルフィナの性器に突き立てた鉄棒の動きをぴたりと
止めた。
「お、お前、誰だ!?」
シュレイの存在はアリゾン国親衛隊の中でも数人しかしらない。ネスビルはシュレイ
の
姿を見たことすらもなかった。
「誰でもいいわ。王妃様を助けにきたのよ!」
怒りに顔を赤くするシュレイ。その体をネスビルは舐めるようにじっくりと視姦す
る。鍛
え上げられたといっても、決して筋肉質ではなく、無駄を削ぎ落としたというような
流麗
なフォルム。ほっそりとしたラインに浮かぶ、乳房や臀部が、ぴっちりとした黒衣に
際立
って妖しい。肩の辺りで切り揃えられた髪と聡明そうな顔立ちが、ネスビルの加虐心
を
掻き立てる。
「いい体だなぁ。そう思わない?デルフィナ」
ネスビルはゆっくりとデルフィナの猿轡を外す。口が自由になったデルフィナはシュ
レイ
に助けを求めるかと思えば、意外な言葉が口から出てきた。
「そう…邪魔しないでほしい…」
とろんとした瞳で呟くようなデルフィナの言葉に、シュレイは驚いた。「邪魔しない
で」と
はあの残虐な行為が同意の上だったというのか。呆然とするシュレイはその時、後頭
部に鋭い衝撃を感じた。
「うっ」
殴られたらしい。意識がどんどん薄れて行く。
「…付けられてしまいましたね…」
…誰?いけない。意識が…
「…すいませんね〜。ウロボロスの皆さんにこんな事まで…」
…ウロボロス?…なぜ…
「…全くだ。デルフィナ様、あなたはお戻り下さい…」
「…はい…」
「…この女は?…」
「…恐らくは間者だ。当方で拷問する…」
「…そうですか…」
…拷問…まずい…ファーレンハイト様ぁ…
シュレイは完全に気を失った。
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