バラステア戦記

第二十七話

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カルノアが築き上げた強大な軍事国家・バラステア帝国・・・・・
今や大陸にバラステアに抵抗できる国家は存在していなかった。カルノアはそ
の底知れぬ欲望を世界へ向け、激しい国家侵攻と略奪を繰り返してきたのであ
る。
そしてその強力なバラステア軍は、「バラステア四魔将」と恐れられる四人の
将軍が、それぞれ軍団を率いて統率していた。
バラステアの北方地方遠征軍団を率いるのは老将・ダレン=リドック。蛮族の
地である東南地方遠征軍団を率いるのは知将・ベラビア=カーン。ゼキスード・
中央軍団を率いる剛将・バラン=ギガ。そしてアイルランガ地方遠征軍団を率
いるのが大将軍・クレファー=ロロイである。ダレンとベラビアが率いる2軍
団は現在遠征先に駐屯している。帝都にはバランとクレファーがいたが、バラ
ンはカディス=ジーク掃討の為に樹海地帯へ出撃中であり、実際カルノアの元
にいるのはクレファーのみであった。

その報告を受けた時、クレファーはアリアとの激しい交わりを終えた直後であ
った。
「そうか・・・・奴らがくるか」
クレファーに事態を報告に来たのは、彼が全国に放っている特殊諜報部隊員で
ある。クレファーは敵国だけでなく、バラステアの四魔将たちの動向を把握す
るために自分独自の諜報網を作り上げていた。
(バランは死に、レジスタンス達の要塞破壊作戦が決行されようとしている)
「軍団をバラシティ郊外へ待機させておけ」
クレファーは傍にいる全裸のアリアを見た。アリアは発作の欲望を満たされた
満足げな表情を浮かべ、その秘部からは愛液とクレファーの子種をたれ流しな
がら、まだ小刻みに体を振るわせて激しいクレファーの攻めの余韻に浸ってい
る。
(いい女だ)
クレファーは毎日アリアを抱いた。そこには女戦士としてのアリアではなく、
一人の女として貪欲に男を求めるアリアがいる。クレファーがアリアの額をそ
っと撫でると、彼女は肩で息をしながらうっすらと目を開いた。
「クレファー・・・・なぜこのあたしを抱くのだ」
「おまえはわたしの妻だ。わたしはおまえに惚れている」
「あたしは決しておまえの女にはならない」
アリアは起きあがった。
「この体の発作が無ければおまえなどに抱かれるあたしではない。いつか必ず
おまえを殺す。あたしはバラステアとの戦いを宿命付けられた女だ」
「好きにするがいい」
クレファーは立ち上がると黒い装束を身に纏った。
(宿命か。ならばこのわたしの宿命は・・・・・・・)


夜、ゼキスードの奴隷房では要塞建設にたずさわっている奴隷達が死んだよう
に眠っていた。昼間の過酷な重労働で、耐えきれない者たちは死んでいくのみ
である。その日一日を耐えた者のみが生き残れて奴隷房へ帰ってくるのである。
スーチェンも泥のように横たわり、奴隷達と共に疲労し切った体を休めていた。
(スーチェン・・・・スーチェン・・・・・)
自分を起こそうとしている者がいる。うっすらと目を開けると、そこには良く
見知った男がいた。
「・・・・・リュウ!」
「しっ」
リュウは奴隷房の中への潜入に成功していた。もともと警備の厚い場所ではな
い。奴隷達はみな足枷をはめられているし、せいぜい逃亡監視の兵が何人かい
るだけである。
「久しぶりだな」
「・・・・どうやってここへ来た?」
「詳しい話は後だ。・・・・ルルはどうした?」
久しぶりの再会を果たしたスーチェンの顔が曇る。
「ルルは・・・・・ここの見張りの兵士達の慰み者にされている。・・・・す
まん、俺が不甲斐ないばかりに・・・・・ルルを守る事ができなかった」
「ルル・・・・・!!」
「ここには男女構わずに連行されてくるが、女は兵士達の慰み者にされるか奴
隷市場へ売られてしまうんだ」
幼い頃からの仲であるスーチェンやルルの凄惨な状況に、リュウは激しい悔し
さと憎しみを禁じ得なかった。・・・・しかし、リュウは自分の氏名を果たす
為に必死に理性を取り戻す。そしてカディス=ジークに身を寄せている自分の
状況と、作戦・「オデッサ」を決行するために奴隷房へ潜入してきたことをス
ーチェンに話した。
「スーチェン、力を貸してくれ。まずはここにいる見張りの兵士達を片づける」
「わかった」
「そして・・・・ルルを助ける」


救護班用の白い制服をきたまま、肌は白く瞳の大きい可愛らしい少女が、獣の
目をした二人のバラステア兵に陵辱されていた。少女は四つん這いの形にされ、
一人は後ろから犯しもう一人はその汚い一物を少女の口に差し込んでいる。
「へっへっへ・・・・いい締まりだぜ・・・・・」
「もう三年もすりゃあかなりのいい女になるが・・・・今のうちに男を教えと
いてやるってもんよ・・・・・」
「うぐう・・・・・あふうううううううう」
少女・・・・・ルルは男達の非道な陵辱に涙をながしながら耐えていた。ルル
はここへ連行されてきてすぐに大勢の前で処女を散らされた。そしてそれを見
ていた兵士たちに輪姦され、それから毎日見張りの兵士達の慰み者として彼ら
の毒を体にそそぎこまれてきたのである。
「へへへへ・・・・ううっ・・・・もう出ちまうぜ・・・・・」
二人はルルの中に同時に欲望を放出した。
「うぐう・・・・・・」
「さあしっかり飲み込めよ。もったいないからこぼすなよ」
男はルルに口に吐き出された男の毒を、むりやり飲み込ませようとする。はげ
しく咽せるが、あまりの嗚咽感を我慢しながら、ルルは男の毒を飲み込まされ
た。
「うううう・・・・・」
「ふう、さっぱりしたぜ」
男たちは自分の一物をルルの制服で拭っている。清楚なルルの制服は、男達に
よって汚されていった。
(ビシュッツ)
「ぎゃああああああ!」
(ガシュッツ)
「ぐわああああっ」
ルルへの陵辱を終えて恍惚の表情を浮かべていた兵士達が斬られて突然その場
へ倒れ込む。
「ルル!遅くなったが助けにきたぞ!」
リュウとスーチェンであった。ルルは二人の顔を見ると、安心感からかその場
へ座り込んでしまう。力が抜けると、自然と涙がこぼれてきた。
「リュウ・・・・スーチェン・・・・・二人とも無事だったのですね」
「すまん・・・・おまえを守ってやることができなかった」
「こうして再会出来たのも神のご加護でありましょう」
幼なじみの三人の、涙の再会であった。リュウは優しくルルを抱き上げると、
作戦を決行するために仲間達の元へ急いだ。



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