『魔戦姫伝説』
魔戦姫伝説「殺害の妖精リザイラ」3
山智
「お願いですっ」
サイアがゴルドに向き直り、声をあげた。
「私はどうなっても構いません。ですから、リザイラ様だけでもお助けください。リ
ザイラ様を助けて下さるのであれば、私はどのようなことでもします。喜んでご奉仕
します。感じろというのであれば、感じます。一生性の奴隷として慰み物になろうと
も構いません。ですから、どうか、リザイラ様だけでも……お願いします、ゴルド
様……」
サイアの態度はこれまでとは一転した、へりくだったものだ。ゴルドを自分より上と
認めたようなものである。
だが、自分のプライドなどどうでもよかった。
リザイラのためならば、どんな奴にでも平伏できる。なんでもする。
(ただ、残念なのは、最後まで付いていけなくなること……。どこまでも、あなたに
付いて行きたかったです……リザイラ様……)
サイアは床につけるように頭を下げた。
「いかんっ! そのようなことをしてはならん! わらわはよいのじゃ、構うな!
なぜ自分のみを案じんっ? 頭を上げるのじゃ!」
「ゴルド様、お願いです。リザイラ様を……」
サイアは身を切り裂かれるような思いでリザイラを無視するように言う
「やめよ! やめるのじゃぁ! 頭を上げてくれえぇっ!」
リザイラの言葉に悲痛なものが混じり始めた。
リザイラにとって、自分のことはどうでもよかった。
自分に仕えてくれた者を守ることこそ彼女の矜持のひとつであり、願いでもあるの
だ。
サイアは特に、幼い頃から仕えてくれた、特別な存在だ。
それが、よりにもよって……。
自分の為に、自分のせいで、男たちの欲望にその身を捧げようとは。
リザイラにとって、なによりも耐えがたいことなのだ。
「ククククク、フフフ、ハーッハッハッハッハッ!」
リザイラ、サイア、二人の思いを叩き潰すように、ゴルドの哄笑が湧き起こった。
「ふはははは。イイっ! イイぞっ! そうだ! これだぜ! お姫さんのその顔が
見たかったんだ! そう、その追い詰められた表情がな! そして、そのおんな、こ
の俺に這いつくばったぜ。屈服しやがった。これこそが、陵辱ってもんだぜ! なあ
? おめえら?」
「へい、まったくで。へへへ、こんな綺麗でとびっきりイイ女が親分に土下座してや
がる」
「ひゃはは、お姫さんもイイ顔してましたぜ。すげえソソりますぜ」
「お互いに庇い合うなんて、美しい主従愛じゃねえか? そんな主従を引き離すなん
て、可哀相すぎて、俺には出来ないぜ。だから、二人一緒に可愛がってやる」
「くっ……おのれ……」
「そんな……リザイラ様を……」
「だめだ。おまえ、お姫さんのためなら、感じてみせると言ったな。たっぷり感じ
て、よがってもらうぜ。おい、おまえら」
「へい、待ってましたぜ」
ゴルドの声に、手下の二人は嬉々として答えた。サイアの両腕を掴み、立たせる。
「すげえ……。むしゃぶりつきたくなるようなイイ身体してやがるぜ」
手下の一人がサイアの裸身を改めて眺めて、生唾を飲み込んだ。
「へへ、たまらねえぜ」
サイアの紅く厚めの唇に吸い付こうとする。
「い、いやっ」
サイアはたまらず、顔を背ける。
それでも手下は無理矢理唇を合わせた。
「んっ、んんっ」
逃れようと、サイアはしきりに首を振るが、手下は舌を突き出して、サイアの唇をな
ぞるようにチロチロと舐め上げる。
「いやっ、いやあっ」
サイアは必死に抵抗した。しかしそのとき、
パアァンッ。
肉を打つ音が響いた。
ゴルドがリザイラを四つん這いにして、その尻を力任せに叩いたのだ。
「つっ……」
「リザイラ様あ……!」
「おめえ、まだわかってねえようだな。さっき、俺たちに喜んで抱かれるって、言っ
たよな。さもないと……」
そう言って、ゴルドはまたリザイラの尻を引っ叩いた。
「っ……」
「おっ、今、アソコがキュッと締まったぜ」
「へへ、叩かれて、感じてるんじゃないですかい? その変態淫乱姫様は」
「けけけ、ちげえねえですぜ。首を締めるとアソコも締まるっていいますぜ」
「ほお? 試してみるか」
ゴルドはリザイラの鶴のように細い首に手を回し、クッと力を込めた。リザイラの首
があまりにも頼りなげで、いまにも折れてしまいそうだ。
「ぐ……う……くっ」
「おお、しまるしまる」
ゴルドはリザイラの首を締めたまま、膣内に突き入れた肉棒を容赦なく律動させる。
「やめてえ! わかった! わかりましたから! おねがい、リザイラ様を殺さない
でっ!」
たまらずサイアが絶叫した。それは悲鳴を越えた、断末魔に似た響きがこもってい
た。
「ふん、わかりゃいいのよ」
サイアの悲鳴を聞いて、ゴルドはニマリと笑いながら手を放した。
「うぐっ、がはっ! げほっ……げほ……」
「リ……リザイラさま……」
もはや、サイアにもリザイラにも、男たちに抵抗する気力も体力も失われていた。
自失しているサイアの唇に手下の一人が吸い付いてくる。
差し込まれてくる舌に、サイアは抵抗できなかった。
「んんっ……うっ……ん」
サイアは、嘲るように口腔を蹂躙する舌を、目をつぶって受け入れるしかなかった
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