『魔戦姫伝説』


 魔戦姫伝説「殺害の妖精リザイラ」2
山智

王城から、祖母の住む別邸への移動中に山賊
に誘拐されてしまったのだ。
山賊たちの居城に連れ込まれたのが、一週間
まえ。
リザイラは一緒に攫われた二人の侍女の身の
安全と引き換えに、その身を陵辱されつづけ
たのだ。
山賊のかしら、ゴルドに夜も昼もなく犯され
つづけた。
初めは痛かったものの、そのうち、何も感じ
なくなってしまった。快楽も苦痛もない。不
感症になってしまったのだ。
しかし、リザイラの誇りを保つのに、それは
好都合であった。
ゴルドはそれが気に入らない。

ゴルドはリザイラを四つん這いにして、獣の
格好で犯していた。
「くくく、姫様のはいい具合だぜえ。よく締
まって、吸い付いてくるみてえだ。アソコか
らグジュグジュいやらしい音がしてるぜ」
そう言いながら、一層奥に突き入れる。
「うるさいのじゃ。わらわを犯したくば、黙
っておれ」
リザイラは頬杖をついて、ゴルドのことなど
意に介していない。
「くそっ」
ゴルドは苛立ちを露わにした。
これでは陵辱していることに、意味がない。
屈辱に塗れさせ、苦痛に顔を歪ませ、絶望の
うちに男に屈伏させてこそ、陵辱というもの
だ。
「おいっ、おめえら」
ゴルドは部屋の外に待機している手下に声を
かけた。
「へい。お頭、なんですかい?」
「あれを連れて来い。そのあとで、おめえら
も交じっていいぜ」
「けけけ、じゃあ、乱交ですねい」
「おうよ。早くいけ」
「へい」
部屋の外で手下が動く気配がした。
「何をするつもりじゃ?」
「へへへ、いいもんを見せてやるぜ」
睨み付けるようなリザイラの瞳に、ゴルドは
ニヤニヤと下卑た笑いで答える。
「お頭、連れてきましたぜ」
「おう。一人ずつ入れろ」
「へい。どちらにしやす?」
「黒髪のほうからだ」
「へい」
返事の後、ドアが開き、三人の人物が部屋の
中に入ってきた。
二人はゴルドの手下。そして、その二人に引
き立てられるように入ってきたのは……。
「サイアっ!」
リザイラは目を見開いた。


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