魔戦姫伝説異聞〜白兎之章〜
白い少女 第31話
Simon
「――んっ……んんーっ!」
――こく……こくん……
「えらいえらい! 今度はちゃんと飲めたなぁ」
「どうだ? 慣れると旨いだろう」
――きもち……わるい
何度も抵抗して――その都度自分の体がいいように操られて
「――ん〜ぶぶぶ――ぶはぁ――ほら、飲んじまいな」
「――んっ……く!」
「だから無駄だってのに」
――トスッ
「――んくっ!――んんん〜!!」
けして乱暴にされるわけではない――それなのに抵抗することができない
このまま行けば――自分がそれを望んでいると錯覚してしまうかもしれない
それだけは嫌だった
――だって――ユウナはもっと、あまいにおいがした
――へぇ なかなか頑張るじゃない
――どうせ、無駄なのにね
漸く口を解放されて、こほこほと咳き込むリンス
10回以上繰り返したが、結局最後まで自分からは飲もうとしなかった
「中々、粘るじゃねえか」
正直少し驚いた
この小さな身体ではきつい責めには耐えられないだろうと思ったから、まず気力
から挫いてやろうとしたのだが
半べそを掻きながらも、後ろ手に縛られた身体を精一杯捩って、男たちを振り払
おうとしていた
「――まだまだ、元気が余ってるみたいだな」
「もう少し揉んでやりましょうか」
リンスに聞こえないように囁き交わす
「唾もそうだが、男が嫌いみたいだぜ――まずはそこから直してやらねぇとな」
思いついて、後ろ手に縛っていた縄も解いてやる
弛めに縛っていたはずだが、ピンク色と言ってもいい赤ん坊のようなきめ細かい
肌には、痛々しく赤い縄目がくっきりと残っていた
――すげえ肌だ――後でたっぷり縄の味を教えてやるぜ
その時のことを考えると、尾骨の先の辺りが、何やらムズムズしてくる
「たっぷり飲んだ後は、汗を掻いてもらおうか」
「なに? ――――きゃあ!」
突然後ろから男に伸し掛かられて、リンスが悲鳴を上げる
「つ〜かま〜えた〜――う〜ん、いい匂い」
「やだ! はなし……てっ!」
男が髪の毛に顔を擦り付け、その香りを堪能する
リンスは肩にかかった腕を押しのけ、できた隙間から身を捩って抜け出した
――がばっ!
「――キャァ!?」
後ろから腕ごと抱え込まれて、ぐいぐいと揺すられる
「早く逃げないと、またキスしちゃうぞ〜」
肩の上に男が顔を乗せ、嬲るように耳元で囁く
ゾワッ――とリンスの肌に鳥肌が浮かぶ
「やぁぁーっ!!」
「――うおっとぉ! 強い強い」
メチャクチャに暴れて、何とか腕が緩んだところで、隙間から飛び出した
「え〜〜〜い!」
「――きゃぁぁぁ!!」
必死に転がって、飛びついてきた男の横をすり抜ける
――がしっ!
「あっ!――」
脇から伸びた手に手首がつかまれ、そのまま抱き寄せられ――
「おいおい、手を使うのは反則だぞ」
「ちっしょうがねえな――ホラよ 早く逃げな」
突き飛ばされて蹈鞴を踏む
――なに?……このひとたち、なにがしたいの?
壁を背にしたリンスに、薄ら笑いを浮かべながら、男たちがにじり寄る
「さあ――鬼ごっこを続けようか」
――頑張らないと――食べられちゃうわよ?
――ドキン
リンスの体に、冷たい汗が吹き出した
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