魔戦姫伝説異聞〜白兎之章〜
第2話 琥珀の風 part18
Simon
駆け寄って――傍で見てみれば、アリーシャ様の肌は、無残な有様だった
傷の一つ一つは深くないものの、それこそ無数と言っていいほど――
「――ユーディ…ごめんね…でも――」
ポロポロと零れる涙――この手が自由であれば、すぐにでも抱きしめて差し上げ
るのに!
少しでもぬくもりを伝えようと、肌を摺り寄せ――
――ニチュ…
こんなに蜜油を塗られて――身体で拭い取ろうにも、これでは塗り広げるだけに
終わってしまう
これしかないのだ――
「アリーシャ様――ご無礼をお許しください」
「ユーディ?――うあっ!…そこっ…」
胸の膨らみを――舌を一杯に使って、蜜油をこそげとるように舐めあげる
掬い上げた蜜油を喉の奥に流し込んでは――甘さを感じなくなるまで、繰り返し
――
「――はぁっ!――ユーディ…いいのっ?――くぁ!」
ビチャビチャと舐め上げる、力を込めた舌の動きに合わせて、アリーシャ様の柔
らかい乳房がフルフルと揺れて――弾む
身悶えるたびに逃げていく乳房を追いかけて――時には押し付けられて
アタシは夢中になって舌を使った
――ん
甘さで痺れかけた舌先に、ピリッと、刺激が走った
「――んきゃぅ!」
仰け反るアリーシャ様――ごめんなさい、でも、時間がないんです
唾液をいっぱいに絡めて、少しでも傷に障らないように――
あぁ……こうしていたんでは間に合わない――
はしたないほど大きく口を開けて――アタシは、アリーシャ様の乳房を、口いっ
ぱいに頬張った
「なんっ!――ユーディ…ユーディ!――ダメェッ」
――ズチュルル……
吸い上げるように――あまくて……おいし……
あまりの柔らかさに、つい歯を立ててしまいそうになる
――グチュグチュグチュッ!
口の中で、甘い唾液を掻き回すように舌を使う――ツンと、甘く尖った蕾が、舌
を擽るのが気持ちよくて
「アァァッ!――ユーディ……こわいっ!」
――大丈夫です、アリーシャ様
――ジュルルルルッ!
「――キャァァァァッ!?」
気持ちを少しでも伝えたくて、力いっぱい吸い上げる
―――ヂュゥゥゥ……ゴクッ
――あぁ……なんて甘い……
――ジュ……ボッ
「――ファッ!」
名残惜しかったけど、口を離す――最後に唇で軽く挟んだ乳首が、プルンと震え
て――ゾクゾクした
口の周りの蜜油と涎を嘗め回しながら――これで、アリーシャ様のここは、アタ
シに塗り替えてやった!
――ファズになど……男になど渡してやるものか!
アタシの唾液に濡れて、震えながら誘ってくる乳首に吸い寄せられそうになって
――ドウシテ、アタシニ、チカズケテクルンデスカァ?――でも!
首を捩るようにして、もう片方の胸に喰らいつく
しゃぶりながら、軽く歯を立てて――蜜油をこそげ取る
「――アッ!――イィ……いた――アゥン!」
アリーシャ様が、アタシを抱き寄せて――甘い香に、頭がクラクラする
この匂いも――声も――全部アタシのものだ!
「――アアァァ!――アァッ――アアァァー!!」
「――ンムッ――べちょ……ハフゥッ――アム…ング!…」
「――キャフ!――アッ!アッ!――そこ……イィッ!」
――いつの間にかアタシとアリーシャ様は、しっかりと抱き合ったまま、床の上
をのたうっていた
蜜油でベタベタのアリーシャ様の腕が――片脚までがアタシの腰に絡みついて、
苦しいほど締め付けてくる
アタシも、両足でアリーシャ様の脚を挟み込んで――体中を使って、扱き上げる
――甘くて――美味しくて――気持ちよくて……どこまででも溺れてしまえそう
……
――カタッ――――サラサラサラ……
倒れていた砂時計を戻しながら、ファズが哂う
「制限時間は――あと2分というところか」
男たちの間に笑が広がっていく
1時間以上に渡って、彼らの目を愉しませてきたショーが、次の幕を開けるのだ
「――バダン、やつらの様子はどうだ?」
「もう、ガマンできないって感じですね」
「よかろう――連れて来い……」
――サ……ラ……
「丁度、時間切れだ」
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