ローザ姫の悲運第二部:白百合美少女親衛隊
第四話:姫の行方
神光寺雅
シンシアはもじもじしながらアンリエッタに尋ねた。
「あの・・あなたは、あなたも攫われてきたのですか?」
「まあな・・国王に聞かなかったのか?・・まあ・・お前達とはちょっと違うが」
アンリエッタは少し鼻にかかったような物言いをする。
【計画の上のこと・・お前達とは違うんだよ・・といいたいのだろう】
「では以前の作戦の時の方なのですね?」
シンシアは前回の作線の本当の意味を知らない。いや、親衛隊始めほとんどの物が知らされてはいない。
ただ、失敗したとだけ聞かされていたのだ。
シンシアの目に若干だが哀れみの光りが浮かんだ。
「な、なんだその目は・・なにも聞かされていないのか?」
アンリエッタはたじろぐ。妙にそういうことには敏感なようだ。
シンシアはじめとする5人の親衛隊の目が怖い。
「わかったわかった・・・たしかに・・あたしもつかまったよ・・ちぇ・・」
「だからなんだというんだ?」
アンリエッタはふてくされて言い返す。
「いえ・・あの・・あなたを見ているとただ捕まったのではないなと、何となくですけど」
シンシアは言葉を選んでいう。
「へぇ〜わかってるじゃないの^^もちろんそうだよ^^で、でなにが聞きたいの? 」
アンリエッタの態度がくるりと変わる。いい性格だ。
「はい・・あの・・・ローザ姫様はどこにおられるのでしょう?」
うるうるとした目で思い詰めたようにいった。
「そ、それは・・・・」
「この洞窟にはおられるのですよね?・・でなければ私たちなんのために・・」
【やばいな・・そうだよな・・こんなお嬢さん達まで姫を心配して危ない目に遭ってるんだ・・・】
アンリエッタも心が痛んだ。
「そのことなんだが・・・」
「はい・・もうおわかりになっているんですよね?」
アンリエッタも心がずきずき痛む。
「この洞窟なのは間違いない・・ただ・・」
「ただ・・・?姫様になにかあったのですか」
【なにもないわけはないだろう・・】言いかけてアンアリエッタは言葉を飲み込んでしまった。
「・・いや・・・この洞窟にいるのは間違いないが・・・・」
あえてその話題には触れずに現実のみを話してゆく。
「ここにいるのは下っ端ばかりで、この先に山賊の親方の洞窟がるようだ・・・」
「では・・姫様はそこに」
「間違いない・・だが、そちらに入る方法が分からない・・それでこまっているのだ」
「そうなのですか・・姫様がご無事ならなんとしてでもお助けしなければ・・」
アンリエッタはそれ以上のことは話さなかった。手下が床話に姫のことを話すのを聞いた。
でもとてもシンシア達に話す気にはなれない。
「とにかく・・・お前達はここを逃げ出して国王に今のことを報告してくれ。なに・・ここの若い奴らは十分手なずけているから心配ないさ」
「はい・・・」
シンシアはうなずいた。だが、大事なことを忘れていた。
「でも・・・攫われたのは私たちだけではなくて・・」
「他にもいるのか?」
アンリエッタが聞き返した。
「はい・・親衛隊長のロゼット様とユーリア様リヒテ様がどこに連れ去られたのか・・ごぞんじではありませんか?」
「・・・・・いまなんていった?」
「はい・・親衛隊長のロゼット様とユーリア様リヒテ様が・・ごぞんじではありませんか?」
アンリエッタには聞き覚えがあった・・いや思い出したくもないと言うべきか。
「・・マジかよ・・・」
再び頭を抱えた。
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