ロゼッタ姫と白雪姫の大活躍♪
(2) 謎の(おとぼけ)白雪姫登場!?
原作:神光寺雅
ムーンライズ
ミヤビノ国の国宝を奪還するべく、ロゼッタ姫は悪党のアジトを探している。でも検討
も無しに出てきてるから、当然アジトなどわかるはずもない。
森の中で右往左往しているロゼッタ姫が文句を言いだす。
「どこにもアジトはありませんわね。これじゃあ夕御飯にまで帰れませんわ。」
「そーゆー問題じゃないですわよ姫様。私達だけでアジトなんか見つけられませんって
ば、諦めて帰りましょう、ね?」
そんな懸命なる懇願を聞いたロゼッタ姫は、ハッとした顔になる。
「・・・そうでしたわ。あなたの言う通り、そんな問題ではなかったですわ・・・」
神妙な言葉を聞き、アンリエッタの顔が期待に輝く。
「わかって頂けたのですねっ。ではすぐにお城へ・・・」
「なに言ってンのっ。正義の(美少女)剣士が夕御飯なんか気にしては悪党と戦えませ
んわっ。悪い奴をやっつけて、美しい神風剣士の名を世界に轟かせるのですわ〜っ!!行
きますわよ神風ブルー☆」
青いコスチュームのアンリエッタは、目から涙を(だ〜っ)と流して落ち込んだ。
「誰が神風ブルーですか〜、少しでも姫様に期待した私がバカだった〜。」
でもってアンリエッタの脳裏に、ロゼッタ姫を守れなくてギロチン刑に処される自分の
姿が浮かぶ・・・
・・・薄暗い処刑室で、首をギロチン台に拘束された全裸のアンリエッタ。そして頭上
には、キラ〜ン☆と光る残虐な刃が!!
「あ〜んっ、お許しくださーいっ。私、結婚もしてないのにこんなのイヤ〜ッ。」
すると、お妃様が非情な言葉を告げる。
「あなたはロゼッタを守れなかった・・・この罪は許されるものではありませんわ、潔
く刑を受け入れなさい。」
でもってロゼッタ姫が無責任にも手を合わせている。
「ああ、なんてかわいそーなアンリエッタ。あなたの事は忘れないわ。」
「姫さま〜っ、誰のせいでこーなったと思ってるんですか〜っ。」
叫びも虚しく、黒い頭巾をかぶった処刑人が邪笑いを浮かべる!!
「さあ〜、スパッとイクだよ。覚悟するだべ〜。」
全裸で拘束された状態では、もはや打つ手はない・・・ただ泣き叫ぶのみ。
「ダメーッ!!何でも言う事を聞くから助けて〜っ!!」
「そーだべか、だったらオラの奴隷になってもらうべさ。」
処刑人が、邪悪に怒張したイチモツを突き付ける!!
「あ、ああ〜。そ、そんなあ・・・」
「ギロチンかチ○チンか、好きなのを選ぶだべ〜、ぐふふ〜。」
「い、いやああ〜っ!!」
闇に吸い込まれるアンリエッタの叫び・・・
ゼツボーの妄想に苛まれ、さらに暗ーく落ち込んでいるアンリエッタ。
そして森に響くよーな大声でロゼッタ姫が叫ぶ。
「見て見てアンリエッタ!!悪者のアジトですわ〜。」
「う、うそっ!?そんな簡単に見つかるはずが・・・え〜っ!?」
森の中に、見るからにそれらしい屋敷があり、玄関に(盗賊団のアジト♪)とゆー、で
っかい看板が掲げられていたのだ(笑)
「な、なんて安直な展開ですの〜?ああ〜、やっぱりギロチン刑は確実だわ〜。」
そんな苦悩も知らず、意気揚々と進むロゼッタ姫。
「天は我に味方せりですわっ。早速乗り込みますわよ・・・って、あら?」
何があったのか、急に立ち止まり建物の前を見つめた。
「あれって(白雪姫)ですわよね?」
その視線の先には・・・紛れもなく白雪姫がいるのだった・・・(O.O;)
悪者のアジトの前を歩いているお姫様は白雪姫だった。
白いドレスに純白の美しい髪と肌。そしてトレードマークである7人のドワーフを従え
た姫君は、おとぎ話の白雪姫そのものだった。
ハイホ〜、ハイホ〜と声を揃えて歩くドワーフの後ろで、地図を片手にした白雪姫が小
首を傾げている。
「・・・えーっと、盗賊さんのお家はこの辺だと思うのですが・・・困りましたわ、早
く見つけないといけませんのに・・・」
大きな屋敷を目にして、何か思いついたように呟いた。
「・・・そうですわ、このお屋敷の方に聞けばわかるかも。ごめんくださーい。」
何の警戒心もなく、屋敷のドアをノックする。すると出てきたのは・・・いかにも悪者
とゆー風体の男達だった。
「んん〜、誰だテメエは。」
むさ苦しい面を揃え、男達は白雪姫を睨む。すると白雪姫はニコニコとした顔で尋ねた。
「急におじゃまして申し訳ありませんが・・・この辺で盗賊さんのお家はご存じありま
せんか?」
緊張感のない、の〜んびりしたお姫様の質問に、男達は怪訝な顔をする。
「はあ?盗賊さんのお家だぁ?おめえ上の看板が見えてねえのか、あン?」
男の指差す看板には、でっかい文字で(盗賊団のアジト♪)と書かれている。
「まあ・・・気がつきませんでしたわ・・・とゆーことは、(考える事30秒)・・・
あなた達は盗賊さんですのね?」
あまりの安直な質問に男達はズッコケる。
「考えるまでもねーだろっ。お姫様が盗賊の屋敷に何の用だ?」
「はい、実は盗賊さんに誘拐された、ミヤビノ国のメイドの方達を助けに来ましたの・・
・すぐに彼女達を解放して頂けませんか?」
盗賊達はミヤビノ国から国宝だけでなく、多くの若いメイド達を拉致している。どうや
ら、白雪姫はメイドを助けるために参じたらしい。
「メイド達を解放しろだ?ふざけた白雪姫だぜ〜。盗賊の屋敷がどーゆーとこか知らね
えみてーだが、只で帰れると思うなよ〜。」
おとぼけ白雪姫に迫る男達!!危機一髪と思えたその時である。リンゴの入ったバスケ
ットを片手に、1人のリンゴ売りの娘が現れた。
「え〜、リンゴは如何ですか〜?」
トートツに現れたリンゴ売り娘を見て、男達は戸惑う。
「だ、誰だお前は?」
「ですからー、リンゴ売りの(美少女)ですわ♪」
娘の差し出すバスケットには、美味しそうなリンゴが沢山。腹の減っていた男達は、リ
ンゴを掴んでムシャムシャと食べ始めた。
「おおっ、こりゃうめえぜ。もうリンゴはねえのか?」
「スミマセン、もう売り切れですの。」
すまなさそうにする娘を見て、男達は凶悪に笑う。
「そんなはずねーだろ、胸に2個もあるじゃね〜か。」
そう言うなり娘の胸をモミモミ♪
「いや〜ん、それは私のオッパイですわ〜☆」
「うへへ〜、そう言うなよ〜。食べさせてくれてもいいじゃねえか〜。」
迫る男達を見て、娘はニヤリとする。
「ねえ、体がピリピリ痺れてきませんか?」
「痺れる?そりゃどーゆー・・・ゆ・・のおお〜っ、し、シビレる〜っ!?」
体を痙攣させた男達が全員ブッ倒れる。そして娘は頭巾を取って高笑った!!
「お〜ほほっ、如何かしら?ロゼッタちゃん特製、毒入りリンゴのお味は〜?」
なんと、リンゴ売り娘の正体はロゼッタちゃんだった!! (バレバレ?)
そして白雪姫に向き直り、指でVサインをする。
「白雪姫さん、あなたを助けに参りましたわ。」
突然なる助っ人の登場に、白雪姫は驚いた顔をしている。
「え?あなたは・・・」
「私は正義の(美少女)神風剣士、ロゼッタ姫ですわよ♪」
するとコケていた男達が突っ込む。
「ちょ、ちょっと待て〜。なんでイジワル継母が白雪姫を助けるンだよ〜っ。逆だろー
が〜っ。」
「まあっ、誰がイジワル継母ですって〜!?(`´)」
突っ込みを入れられ、無情にも動けない男達をポカポカ殴る。それもゲンコツで。
「ぎょええ〜っ、やっぱりイジワル継母だ〜っ。」
迂闊にも神風剣士の正体を暴露した助っ人を見て、白雪姫は考え込んでいた。
「・・・えーっと・・・確かロゼッタ姫はパンパリア公国の姫君でしたわよね・・・神
風剣士の噂は聞き及んでますけど・・・正体はロゼッタ姫だったのですか、なるほど・・・
」
手をポンと叩いて納得していると、ロゼッタ姫は焦った顔で言い寄った。
「うっかり喋ってしまいましたわっ。神風剣士の正体は誰にも言わないでくださいね白
雪姫さん。」
すると・・・白雪姫はキョトンとした顔で尋ねる。
「あの〜、どうして私が白雪姫だとわかったんでしょう・・・あら、ロゼッタ姫コケま
したわ・・・」
コケたロゼッタちゃん、なんとか立ち直って返答した。
「あ、あのね〜。その格好に7人のドワーフッ。白雪姫にしか見えませんわよ〜。」
「はあ・・・申し遅れましたが、私・・・名前をスノウホワイトと申します。お見知り
置きのほどを・・・」
「そ、そのまんまですわ〜っ。それにこの凶悪な天然ボケ・・・あ、侮れませんわ〜
(汗)」
白雪姫ことスノウホワイトの天然ボケに、何度もコケまくるのであった・・・(^^;)
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