淫虐の罠(第1話)3
世に悪の種は尽きまじ・・・。 かの、極悪非道の海賊バラクーダは、オーロラ姫、2人の侍女達を巻き添えに、オルフ ェ王子の手によって海中深く没したと伝えられた。が、しかし、バラクーダは一部の手下 の手によって、沈没する海賊船の中から脱出していた。コレを悪運といわずなんと言えよ うか。 しかしながら、さしもの大海賊も船を失い体中に深い傷を負ったため、深く山中に隠れ ざるをえなかった。 たバラクーダは再び悪巧みをたくらんでいた。いや、オーロラ姫を失ったショックはこの 男にも少なからずあった。悪行を重ねたこの男が、40を過ぎ、初めて惚れた女がオーロ ラ姫だった。 愛するが故、気が狂うほど求めた姫君は気が狂い。ましてや、オルフェ王子の軍艦に自分 の築き上げた全てのものとともに、オーロラ姫をも失ったのである。見当違いな復讐の念 をめらめらと燃やしていたのだ。 バラクーダのアジトは、オラン公国のはずれの山の中にあった。ここからは地下水路が つながっており、小舟で海路へとつながっていたのである。 「親方、つれてきやしたぜ」 バラクーダの部屋に子分達が声を掛けた。 「どうした首尾の方は?」 「へい、うまくいきやした・・・」 「しかもなかなかの上物ですぜ・・・」 「そうか・・・そいつは楽しみだ」 バラクーダはにやにやと表情を崩して子分達の捕まえた獲物のもとへと向かった。 「はなせっ!なにをするかっ!」 ここは広間のようだ。女兵士トパーズが、両手を縛り上げられ、部屋の中心につるされ ている。 コニーを送った帰りの山道、トパーズは海賊達の不意打ちを受け、不覚にも囚われのみ となってしまったのだ。 「へへへ・・・なかなかのべっぴんさんじゃねえか」 「・・・こうしてみるとなかなかいい身体をしていやがる」 トパーズのまわりを海賊達が取り囲んで、服の上から胸や尻、太股などを触ってはいや らしい笑い声を上げた。 男の警備兵と同じ、白いタイツと短い上着のトパーズには、身を隠すすべとてない。 「ほほう・・・。こいつは確かに上物だ」 ドスの利いた声に海賊達が振り返った。 「へっへへへ・・親方・・・こいつを拷問して城の内情を聞きだすってのはどうですかい? 」 バラクーダのそばに妙に身体のでかい男が寄り添って話しかける。 「そうだな!おい女!オレのことを知っているか」 「・・・・」 トパーズは黙ったまま応えない。 「そうか、オマえらはオレが死んだと思っているんだろうからな。オレはお前達の姫君オ ーロラをさらったバラクーダ様だ」 「なにっ!お前がバラクーダだと!」 トパーズは一瞬きょとんとした顔をした。 「確かに船は沈んだがな!オレはこうして生きているんだよ!」 トパーズはバラクーダと名乗る男の顔を見つめた。・・・たしかに、人相書きにうりふ たつ。 これほど悪辣な顔はそうあるものではない。 「よくもおめおめと!お前が本当にバラクーダか!」 トパーズは怒りに身体を震わせ、今にも飛びかかりそうになる。しかし、その身体は天 井につるされ身動き一つできない。 「おい!ひんむいてやれ!」 「へへへ!がってんだい!」 バラクーダの命令一過。海賊達はトパーズの服を引き破る。 「や、やめろ!こいつら!くそっ!」 まもなく軽装のトパーズは海賊達の手で全裸を曝すことになった。 「うひょお!こいつはすげえや!」 「・・・・くっ!・・・・」 健康的な引き締まった純白の肉体が、海賊達の目の前に曝された。全身は程良く引き締 まってくびれた腰。お尻から脚に掛けての脚線美は見るものの目を奪う。 といって、筋肉質の身体ではない。そこはソレ20歳の乙女である。胸の膨らみ、お尻 の肉付きなど、充分に女の魅力を兼ね備えている。 「・・・ほほう!こいつはなかなか!かなりの上物だ!オーロラ姫以来女など抱く気にも ならなかったが・・・お前は別のようだ」 トパーズの美しい裸体に一瞬声を失っていた海賊達の中で、バラクーダがまず言葉なぶ りを始めた。 「お前を拷問して王子のことを色々聞き出そうかとも考えたが、ソレはやめだ!この女に は拷問より色責めの方が似合いのようだ」 「それに親方!身体のワリには、アソコの毛はまだ薄そうですぜ!案外まだおぼこ娘かも 知れませんぜ」 やがて、海賊達がトパーズの裸体に続々といやらしい視線を送り、そして言葉でなぶり 始めた。 「・・・・・」 海賊達の前にいや、初めて男の前に裸体を曝す恥辱にトパーズは返す言葉とてない。 ましてやそれは、あの愛する姫君を奪いさった憎い海賊なのである。憎んでも憎みきれ ない野蛮な男たちに自分の肉体を曝す。そのあまりの悔しさに顔面を赤らめ、涙さえ流れ てきた。 「おまえを腰が抜けるまでかわいがってやる城の秘密を聞き出すのはそのあとだ!」 バラクーダがそう言うと、海賊達が一斉にトパーズに飛びかかった。