クレール光の伝説(第4話)2
そのころ、公国ハーンにも滅亡の時が訪れていた。オーガ一族の王ガミア率いるオークの一団が城を攻撃していた。
クレールの助けた侍女は、森でまもなく再び捕らえられ。城にはなんの情報も伝えられなかったのである。 最近の平穏な日々に、すっかり士気を失っていた兵士達は、凶暴なオーク達に続々と駆逐され、意外なまでにあっさりと城は落ちたのである。
「ヒルデガルドは何処にいる!」
国王の首を取ったガミアはその首を持ち歩きながら、城じゅうを探し回った。やがて、城の一番奥まった場所にある、堅固な扉に守られた部屋を探し出した。
「このドアをたたき壊せ!この奥に女達がいるぞ!」
「へい!がってんだい!」
国中の、高貴な婦人達全てがさらわれたといってもいいハーン城である。既に城の中には女の姿はなかった。オーク達の不満が高まろうとしていた時である。
オーク達はその怪力を遺憾なく発揮し、頑丈な扉をたたき壊した。
「ひいっ!あれ〜っ!」
中には数人の女達がいた。その中にはクレール達の母ヒルデガルドの姿が。
「へへへ・・・やっと女がいやがったぜ」
「このままじゃ女の顔も見れねえかと思ったぜ」
狭い入り口から、オーク達が一気に中になだれ込んだ。初めてオークを見た女達は恐ろしさのあまり、固まって震えるだけだった。
やがて、ガミアがオーク達をかき分けるように中に入った。
「ヒルデガルドはいるか!」
女達をじろじろと見回しながらガミアは大声で叫んだ。
「私です!私に何のようがあるというのです!」
侍女達に取り囲まれていた王妃ヒルデガルドが、凛とした声で応えると、侍女達をひかせて前に出た。
「このような狼藉を働くとは!いくら獣達等はいえ許されることではありません!何者です!」
すでに30を越えているというのに、ヒルデガルドの美しさは輝くばかりであった。どちらかといえばクラリスに似ている。
クラリスの美しさが若々しさだとすれば、ヒルデガルドは完成された美しさとでも言うのだろうか。薄い紺色の決して派手ではないが、上品なドレスに身を包み、頭には王妃のテイアラが輝いていた。その美しさと気品にオーク達は一瞬たじろいだ。
「くくく・・そうかお前がヒルデガルド・・・お前の前ではクラリスなどただの小娘!」
「クラリス?クラリスをどうしたというのですか?」
ヒルデガルドの顔が一瞬こわばる、しかし、ガミアはソレには応えず。つり下げているハーン王の首を高く上げて叫んだ。
「どうだ!この通りハーン王の首はいただいた!ヒルデガルドお前は今日からオレの后となるのだ!オーガの王ガミア様のな!」
「おおお!」
女達から絶望の悲鳴が上がる。数百年も続いたハーン公国滅亡の時でもあった。
「オーク共!女達をくれてやる!今日の戦の褒美だ!思う存分かわいがってやれ!」
「おおおう!」
オーク達は待ってましたとばかり気勢を上げて、女達に襲いかかる。女達は20人ほどだ、2〜3人で一人の女をかつぎ上げて続々と部屋を出ていった。
あとにはガミアとヒルデガルドが残るだけとなった。
ガミアはヒルデガルドの全身を舐めるように見回す。ぽっちゃりとした気品のある顔立ち、美しくストレートに伸び、後ろでまとめあげた美しいブロンド、質素ではあるが上品な草色のドレス。そのドレスを持ち上げる豊かな胸。
「話には聞いていたがコレほどの美形とは思わなかった。お前がいるのなら、クラリスなど奴等にくれてやってもおしくはない・・・」
「ク、クラリスをどうしたというのです!」
再びヒルデガルドが問いただす。さっきより口調はあらい。
ガミアは有無を言わさず。ヒルデガルドをそばにあったベットに押し倒した。
「な、なにを・・・きゃっ!」
ガミアは自分の鎧を脱ぎ捨て、猿股を引き下ろした。全身を剛毛に覆われ、茶褐色の隆々とした筋肉を持つ肉体があらわれる。そして、その根本には30cmはあろうという逸物を大きく反り返らせていた。
「どうだ!貧弱なハーン王とは比べものにならんだろう!オレが今から本当の雄というものを教えてやるぞがははは・・・」
「・・・そ、そんな!クラリス、クラリスのことを!どうしたというんです」
ガミアは一気に襲いかかる、ヒルデガルドは必死になって身をかわし、逃げようとするが、やがてベットの隅に追い込まれる。
「ほほう・・・さすがに王妃様だすばらしいレース飾りの下履きをおめしだ・・・」 ガミアがからかって笑う。貞操を守ろうと必死に逃げ回るヒルデガルドのドレスの裾は乱れに乱れ、めくれ上がって、豪華にレース飾りの施された下履きの裾が丸見えになっていた。
「あれっ!」
ヒルデガルドはまるで少女のように顔面を染め、躯を硬くして動けなくなってしまった。
「うおおおおお!」
まるでこのときを待っていたかのように、ガミアはヒルデガルドに襲いかかった。
「ひっ!お、おやめください!そ、そのような!ひいっ!」
ガミアは王妃を羽交い締めにして、体を起こすと、スカートの裾を捲り上げて、その上に乗って、身動きできないようにしてしまう。