ダーナ氷の女王 第二部 第6話 2
そこは暗闇が支配していた。
「あう・・・ううう・・・・・・・」
悲しげな女の泣き声が響いていた。
闇を支配するものは蠢く触手・・・。
そこは、砂漠の魔女の城の地下。アンデッド達がねぐらとするところだ。
アンデッド達には光など必要ない。
闇の中を蠢き、ただ生きながらえているだけなのだ。
アンデッド達の一部はその形を変え、触手だけの化け物になって
闇を徘徊している。だが、砂漠とこの地になんの獲物もあろう筈はなかった。
「うぐ・・・・いや・・・やめて・・・・」
闇の中に白い女の身体が悶えている。
そしてその女の身体を、触手が蠢いている。
それはダーナ姫だった。
浴場でかってドモンだったアンデッド達に襲われ、ここに連れ込まれていた。
ダーナの母乳の力によって、人間の姿を取り戻したのもつかの間。
時がたてば再びアンデッドへと逆戻り。
悲しみにも似た怒りをダーナにぶつけるように、ダーナの身体をむしばんでゆく。
「ああ・・・・だめ・・・・・やめて・・・・」
ダーナの全身を触手が這い回る。それはかってドモンだった男のなれの果て、
人間への回帰を果たしたものの、時間の経過がかえって、崩れた身体へと落ちて行く。
いまや、全身の半分が触手の化け物となって、ダーナの身体をむしばむ。
再びダーナの母乳を搾り出そうというのだ。
だが・・・そこまで母乳が持つはずもない。
やがて止まってしまった母乳を求めるように触手が這い回る。
いまや、ドモン達には言葉を発する能力さえ失ってしまった。
にゅる・・・にゅる・・・・渇いた触手の塊が、ダーナの体液を求めて体中を這い回る。
「うぐ・・・・やめてやめて・・・」
すでに、一昼夜こうして責め抜かれる・・。
ダーナも、言葉を失い、悲鳴を上げることも喘ぐことも出来ない。
ただ、触手の動きに呼応するかのように、せつなげに声を発するだけだ。
ダーナの肉体も、精神も極限まで疲弊していた。
「・・・ううう・・・・・ああ・・・・だ、だめっ・・・」
にゅるにゅる・・・じょぼっ・・・・・。
触手がダーナの女陰に入り込んだ。かって人間であったことを思い出させるかのように
触手はダーナの中に入り、激しく蠢いた・・。
「・・うう・・・ぐふう・・・・」
また一本の触手が、ダーナの口に入り込む。
渇いた木の枝がその時ばかりは赤く膨らんだ男の性器のようにさえ見えた。
「ぐふう・・・・・うぐうう・・・・」
ダーナは全身を串刺しにされる恐怖に、震え蠢く・・。
「・・・ああ・・・このまま私はここで死んでしまうのかしら・・・・。
せめて・・娘に一目会いたい・・・」
延々と続く責めに・・・。ダーナは死をも覚悟した。
「う・・うぐ・・・」
ぶしゅぶしゅ・・・・・。
触手が破裂したかのように、樹液を吐き出した。
それは、ドモン達の最後のあがきのようでもあった・・。