ダーナ氷の女王 第二部 第3話 1
尽きぬ欲望2
ダーナはいつもどおり2人の侍女に付き添われて温泉に入った
ドモン達はあたりの様子を確かめるとこっそりと中に入っていく。
もともと砂漠の城である。
誰がこうようものでもなかった。
むしろダーナの脱出を懸念してのものであった。
ダーナは二人に付き添われ湯の中に入った。
二人の侍女も裸になってつきそう。
いつも通り。
「せめてあなた達が話ができれば・・・」
敵であると知っていても、一年以上を共に過ごせば自然と情も移ろうというもの。
女同士話したいもあろうと言う物。
アンデッドという化けものにもかかわらず、端正な表情。
子供を産んで前よりふっくらとしてきたダーナとは反対にスレンダーなスタイル。白い肌。
表情一つ表に出さずダーナに尽くしている。
魔女に操られたアンデッドである彼女たちに感情のあろう筈もなかった。
これはあの魔女の趣味なのか、いたずらなのかわからない。
「う・・・また・・・」
ダーナには困ったことがあった。
魔法でのこととはいえ、子供を産んだダーナは、ときどき母乳が湧きだしてくる。
自然の摂理だ。
だが、肝心の赤子がいない。