ダーナ氷の女王 第二部 第1話 3

 話せるわけもない。
 朝目を覚ますとマナがいない・・・。
 いつもの事だが、早おきなヤツだ・・・。
 いつものようにおなかがすいたら帰ってくるんだろう。
 ガインはそう思った。

 マナは高台に上って、海を見つめていた。
 遙か北を・・・。
 その先には何があるのか、マナに知り得ようもなかった。

「何を見てるんだ?」

 突然声をかけられ振り向くと、そこには見慣れぬ男が立っていた。
「だれ?見たこと無い・・・」

 深い緑色の髪の背の高い男だ。ひょろっと背が高く、猫族とは思えない。

 マナは猫族の中で育った、他の種族など生まれてこの方見たこともない。

「そうか?俺もお前は初めてだ」

 ぶっきらぼうだが、その声に悪い気はしない。
「猫族じゃないの?」
「ああ・・・・おまえもだろ?」

 男がマナに近付いた。
「マナ!猫族!お前嫌い!」
 男の言葉にびっくりして、マナはそこから逃げ去った。
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