廃墟の奴隷市(第10話)


望を抱きかかえたおやじはまた自分の部屋に戻ろうとしたが、足を止めた。
「・・そうだ・・・いい場所があるじゃないか」

おやじは舞台の袖にいた親分に声をかけた。

「ここに大きいベッド代わりのソフアを持ってこいよ・・・」

「へい?なんに使うんで?」

不思議そうな顔の親分におやじがにひひぃと笑う。
さすがの親分もぞっとした・・。

「いやはや、最後まで綱渡りをするとは見上げたもんだ・・・プリマはどんなことがあっても舞台を勤め上げるのが役目・・まさにプリマの鏡というものだ・・」

腕の中の望を見つめ口からはよだれが溢れんばかりだ。

「それに免じて、この娘の処女はこの舞台で奪ってやろうじゃないか。大勢の観客の前で・・」
そういって、親分をにらんだ。
「へい・・それはいい考えで・・・おい・・聞いたとおりだ直ぐに用意させろ」

親分は気が気ではない、まさか、がまがえるおやじがまだやってなかったとは。もし、ばれたら・・殺される。

親分は真っ青になった。

客席がどよめいた。舞台の上には真っ赤な丸いソフぁが置かれた。がまがえるおやじが望をベッドの上に寝かせた。
客席を見回して、一人勝ち誇ったように満面の笑顔だ。

まだ気を失ったままの望の足を広げて、次にレオタード、プテッテイとずらしてゆく。

「おやおや・・・しっかり反応するようになったじゃないかひひひひ・・・・」

ロープに擦られて赤くなって痛々しい股間。
でもそこはしっとりと露に濡れている。

「ひひひぃ・・たまらんなぁ・・・頂くぞぉ」

がまがえるおやじは一気につっこんだ。


「・・痛い!・・・い・・きゃぁ!」

処女を奪われてはいる物の、おやじの一騎のつっこみに激しい痛みが襲い。
再び出血する。
ロープで痛めつけられたせいもある。

「うん?・・・そうか痛いか?そうか?ひひひひひぃ・・・」
おやじは盛りのついた若造のように激しくつっこみ、がくがくと望の身体を責め立てる。

「きゃぁ・・痛い・・いたぁい・・・・」

身体をくねらせ、悲鳴を上げる。

あたかもクライマックスシーンのパドドウのごとく・・。
悲惨な舞だ。


客席がどっと湧いた。
「バレリーナの俎(まないた)ショーや 」
「たまらん俺もやればよかった」

次々に歓声が上がる。 満場割れんばかりの歓声だ。


「こんなに・・・たくさんの拍手と歓声が・・・」

望は、地獄へのカーテンコールを聞いていた。

(完)

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