大和古伝、桜花姫ヨシノの物語 (ヨシノ姫とアマノウズメの外伝♪)後編

ムーンライズ


 (2) 誠実なる姫君が、自由なる(裸の舞姫)へと変わる時・・・!!

 浜辺に出たヨシノ姫は、静かな夜空を見つめた。
 満天の星空に、蒼い満月が浮かんでいる。それはまるで、静かなる夜を見守るかの如き聖なる光を放っていた・・・
 夜を見守る存在・・・ヨシノ姫はハッとしたように跪き、夜の守護者へと祈りを捧げた。
 「・・・夜と月を司る聖なる大神、月読之命さま。今宵も民の平穏な眠りを御守りくださいませ。そして・・・我が行いを・・・姫君としてあるまじき行いを許したまえ・・・」
 月読之命(ツクヨミノミコト)・・・それは太陽神アマテラスの弟神であり、夜を司る、大和の三主神の1人である。
 ツクヨミは三主神の1人であるにもかかわらず、その姿を見た者は数少ない。それはツクヨミが人々の眠る(夜の世界)の支配者であるからだ。
 闇の帳が下りる夜は、悪しき魔の者が跳梁跋扈する時でもある。
 そんな魔の者から人々を守る正義の神、それが月読之命・・・
 誠実なるヨシノ姫は、いつ如何なる時も神への祈りを欠かさない。この静かなる夜の世界のどこかで、聖なる月の神は民を見守ってくれている・・・その想いを込め、静かに祈った・・・
 やがてヨシノ姫はゆっくりと立ち上がり、砂浜を踏み締める。僅かに下がっていた身体の火照りと疼きが、情熱の想いと共に再び高まり始めた。
 心と身体を焦がす熱き萌えの疼きが、純情なお姫さまを大胆にしていく・・・
 腰ひもを解いたヨシノ姫は、着物の前を軽くはだけて手を広げる。開いた着物の間から、形の良い乳房が現れた。
 そして露な胸を隠す事なく、浜辺を小走りに駆けるヨシノ姫。
 広い砂浜にいるのは、ヨシノ姫ただ1人。その誰もいない浜辺で、ヨシノ姫は思いっきり大胆に振るまう。
 日頃、誠実な姫君として窮屈な生活を送っていたヨシノ姫は、この自由なる刻に、押さえられていた感情の全てを解放したのだ。
 浜辺の中央までくると、足どりも軽快に踊り始めた。
 砂を蹴って飛び跳ねると、心まで弾けるような感覚になる。
 風の音と波の音を調べに、自由な振り付けで気ままに舞う。
 「うふふ・・・とっても気持ちいいですわ。」
 乳房を摩る風の感触が心地よい。
 その感触を全身で受け止めようと、上着を脱ぎ捨てた。
 腕に、背中に、潮風が吹き抜ける。
 まるで自分が風になったかのような感覚だ。素晴らしき解放感に、ヨシノ姫は心を踊らせて喜んだ。
 でもまだ、ヨシノ姫は究極の解放感に達していない。
 まだ恥ずかしさが心に残っているのだ・・・
 僅かにためらいながら、腰布に手を当てるヨシノ姫。
 「・・・恥ずかしい・・・でも、これを脱げば、もっと開放的になれる・・・ウズメさんみたいに・・・」
 アマノウズメのように、大胆に、自由奔放になれば、真の解放感に達することができる・・・
 ヨシノ姫は、究極の解放感を求め、ついに大切な部分を隠す、最後の一枚を脱ぎ捨てた!!
 ハラリ・・・と、絹の腰布が砂浜に落ちる。
 そして、桃のように可愛いお尻が露になった・・・
 恥じらいながら前を隠していた手を外し、ヨシノ姫は一糸纏わぬ姿となる。
 「・・・ああ・・・ついに私・・・スッポンポンになってしまいましたわ・・・はずかしい、でもうれしい・・・♪」
 もはや姫君の体を覆う物は一切ない。羞恥心も一切捨て去った。
 全裸となったヨシノ姫は、美しくも可憐な裸身を潮風に晒し、究極の解放感をもって舞い踊った。
 風に身を任せ、手足を大きく広げて、軽快に且つ大胆に踊る。
 興奮と喜びで桜色に染まった肌が美しい。裸体を踊らせるたび、可愛いお尻と、形の良いオッパイが可憐に揺れる。
 束ねていた髪を解くと、麗しい髪がフワリと風になびく。
 ヨシノ姫は今まで、人に尽くすためだけに踊ってきたため、自分自身の喜びのために踊ったことはなかった。
 束縛するものを全て捨て去った彼女は今、自分の喜びのためだけに舞い踊っている。
 その裸の舞いは、普段の舞いよりも遥かに見事で、そして魅力的であった。技量の向上は、衣服や執着心という枷から解放されたゆえのことである。
 なんらためらうことなく足を広げ、大切な部分を惜しげもなく晒して飛び跳ねる。
 栗毛色の陰毛が揺れ、桜色の美しい秘部までもが大きく開花している。
 究極の解放感は、姫君の全てを露にしてしまったのであった・・・
 ヨシノ姫は全裸で踊る、心のままに・・・
 「ああ、裸で踊るのがこんなに素晴らしい事だったなんて・・・ウズメさん・・・あなたと一緒に踊りたいですわ・・・」
 だがヨシノ姫は、自分が極めて危険な状況に陥っている事に気付いていない。
 実は・・・彼女、心を解放し過ぎたゆえに、身体が(えっちぃ)な感覚に目覚めてしまったのである。
 もちろん、とっても生真面目なヨシノ姫は、自分が(とっても、えっちぃなお姫さま♪)になってしまった事を全然自覚していない。
 心は真面目なまま、激しく(えっちぃ)で官能的な身体になってしまったヨシノ姫・・・
 今の状態は、下半身の猛々しい悪党野郎どもにとって、最もオイシイ状況になっていると言えよう。
 もしこの状態で悪党に襲われでもしたら、それこそ最悪の陵辱となる。心は真面目で汚れないまま、(えっちぃ)に目覚めた汚れない裸体を、ボロ屑のようにされてしまうだろうから・・・
 そんな危険があるとも知らず、ヨシノ姫は疲れ果てるまで延々と、全裸で舞い続けた。
 恐るべき邪悪の化身が、闇の中より・・・音もなく忍び寄ってきている事も知らずに・・・
 「・・・ふう・・・つかれましたわ・・・もう動けないですわあ・・・」
 全身から流れる汗が、月の光を浴びてキラキラ輝いている。
 少しけだるそうな表情、そして男どもを萌え狂わせる(えっちぃ)な裸体が悩ましく揺れている・・・
 「あ、もう、いやだ。お尻に砂がいっぱいついてしまいましたわ。お尻ペンペン♪」
 可愛いお尻を叩いて、砂を払う仕種も悩ましい。
 そしてちょっぴり未練を残しながらも、屋敷の方へと戻ろうと思うヨシノ姫。
 屋敷では、侍女や女兵士達が爆睡しているであろう。これ以上心配をかけるわけにはいかない。
 「ええっと着物と腰布は・・・あっ。」
 不意に強い風が吹き、着物と腰布が飛ばされた。
 慌てて追いかけるが間に合わず、着物も腰布も海に落ちてしまう。
 「もう〜、着物がビショビショになったら後で乾かすの大変ですわ。」
 困った顔で着物を拾うとした、その時であるっ。
 着物と腰布が海に吸い込まれ、海底から不気味な笑い声が響いてきた・・・
 『・・・でっへっへ〜。お姫さまの腰布、とってもいい匂いがするなあ〜♪』
 身震いするほどの邪悪な声。
 恐るべき闇の怪物が、ヨシノ姫を陵辱すべく現れたのだ!!

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