バラステア戦記

第二十一話

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 ソード・ロックの激戦で下半身を怪我したリュウは、山賊・ガルサン一家のアジトで失
意のままに時を過ごした。そんなリュウを、ガルサンの娘・メイは献身的に介護した。
(メイはあの男に惚れている)
ガルサンは大事な一人娘であるメイの気持ちが気がかりであった。
(あの男は戦いの人生を歩んでいく。あの男に恋をすればきっと悲しむことになる)
屈強な男達がそろうガルサン一家の中で、メイは女ながらに剣や弓を習い、その腕前は他
の男達にもひけをとらないほどであった。可愛らしい顔つきをしたメイは、男達の何人か
に求愛されたが、その気持ちが傾いたことはなかった。
 しかし突然現れたリュウに、メイは恋をしたようであった。
(せめて娘にはまともな道を歩んでもらいてえ)

リュウは徐々に体が回復し、歩ける程度になると剣をとって体を動かさずにはいられなか
った。
「リュウ、剣を振り回すのにはまだ早すぎます」
「大丈夫だよ」
リュウは少しでも早く体を回復させなければならなかった。
(バラ・シティへ行き、リンス姫を助ける)
リンスとリリーは捕らえられ、バラ・シティへ連行されたという。どんな目にあってるか
は想像がつくが、それは考えないようにするしかなかった。
(俺は無力だ)
幼い頃からバラステア軍との戦いはリュウの宿命であった。
「何故・・・・あなたはそんなに必死なのです」
「俺には戦う理由がある。守らなければならない人がいる。」
「それはあなたの大事な人ですか」
「そうだ」
必死に体を動かすリュウを、メイはじっと見守るしかなかった。そして自分も、こんな男
に想われたいと心から思った。

 リンスとリリーがバラ・シティへ連行されてから、バラステアの皇帝・カルノアとその
周辺にも変化が起こっていた。
 今まで他国の姫や美しい女達を好き放題に陵辱してきたカルノアは、リンスを正妻とす
ることにし、その婚儀は一月後に取り行われることとなった。それまでカルノアはリンス
に手を触れないように決めていた。そしてその替わり、カルノアの異常な陵辱欲は同じよ
うに美しい妹のリリーに向けられた。
 それまで何人もの女を思いつくままに犯してきたが、リリーが現れてからはリリー1人
に固執し、他の女には気を取られることはなかった。毎日毎日、朝も昼も夜も、カルノア
はリリーを犯した。カルノアはリリーの美しい顔と男を惑わす体付きに完全に心を奪われ
ていた。そしてそのリリーよりも更に美しいリンスを散々に犯すことを楽しみにしている
のだった。
(傾国の美女とはよくも言ったものだ)
リリーとリンスに夢中になることによって完全に政務をかえりみなくなった皇帝・カルノ
アに、クレファー・ロロイは侮蔑の念を深めていた。
(しかしまだ時ではない)

皇帝カルノアとの婚儀を一月後に控え、囚われのリンスは妹のリリーや消息不明のリュウ
のことを思っていた。
(リリーは今頃どんな目にあっているのだろう・・・・・リュウは無事なのでしょうか・・
・・)
 ある日、皇帝の花嫁と決まったリンスに、バラステアの王女としてのしきたりを教える
ために1人の侍女が付けられることとなった。
「リンス姫様、ご機嫌うるわしゅうございます・・・・私はこの度あなたの身の周りの世
話をまかせられることになりましたリネと申します」
「そうですか・・・・宜しくお願いします」
リネと名乗った女は、年はリンスの母親くらいの年齢だろうか、なかなかの美人だがリン
スを見る目は、まるで汚い物を見るかのような目つきであった。
「それではさっそく・・・・・私はあなたが皇帝の花嫁となるにふさわしいかどうかを確
認しなければなりません・・・・着ている洋服をお脱ぎください」
「えっ?」
「何度も同じことを言わせないでください。着ている物を全部脱ぎなさい」
(私にここで裸になれというの・・・・・?)
リンスは一瞬とまどった。リネと名乗った女は侍女という立場ながら自分に対してほとん
ど命令するかのような態度で物を言ってくる。
(私は囚われの身)
リンスは今更ながらに囚われた自分の立場を思い知らされる。
(・・・・どうせ一月後には汚されるこの体・・・・・)
リンスはリネの言うとおりにおとなしく洋服を脱ぎはじめた。正に聖女とも言える美しい
裸体が他人の目に晒される。
(これは・・・・・)
リネはあまりにも整ったリンスの体付きに驚嘆するしかなかった。これほどまでに完璧な
女は見たことがない。顔が美しいだけでなくその体付きまでも女性として理想的なスタイ
ルをしているのである。
リンスは相手が女性とはいえ、見ず知らずの他人に全裸の姿を晒したことで恥ずかしげに
うつむいている。
(なるほど・・・・陛下が心を奪われるだけのことはあるわね)
リネは全裸となったリンスに近寄ると、その聖なる秘部を隠す茂みの中へ手を伸ばした。
「・・・・!何を・・・・・?」
「あなたが処女であることを確認します」
リネはリンスに股を開かせると、老練な手つきでリンスの中を確認した。
「あっ・・・・・・」
「なるほど、確かに生娘のようですね。陛下の花嫁としての資格はあるようです」
リネは内心、美しいリンスに嫉妬の念を禁じ得ない。リネも昔、カルノアの若きころにや
はり他国からさらわれてバラステアにやって来た。そして若く美しかったリネは、カルノ
アの寵愛を受けたのである。初めは強引に犯され続けただけであったが、何度も抱かれて
いるうちにリネはカルノアの行為を快感に感じるようになっていったのである。しかしカ
ルノアは性欲の対象を次々と替えていった。飽きられた女達は家来に払い下げとなるか、
奴隷として売り出されるか、その結末は決してよいものではなかった。そんな中でリネは
城内で侍女としてカルノアの身のまわりの世話をする役目をいいつかったのであった。
「さあリンス姫様、陛下の花嫁となるには性の感度も敏感でなくてはなりません。あなた
には陛下を受け入れやすいように性の感度を高めていただきます」
そう言うと、リネは何やら白いクリームのようなものを取り出した。
「それは・・・・・」
「そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ、姫様。これは性の感度を高くするためのお薬で
す。これはアソコに塗れば感度が高くなるだけではなく男性と交わりたくなる不思議な感
じがいたしてくるのです」



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