魔戦姫伝説(アンジェラ・閃光の魔戦姫9)
第32話 アリエルとの再会
原作者えのきさん
夜が訪れ、その日の陵辱ショーも一旦終わった。
アリエルの囚われている小屋では、奴隷の娘達がアリエルの汚れた身体を洗っていた。
どうやら娘達はノクターンの民らしく、汚された姫君の悲惨な姿に泣いている。
陵辱されたアリエルの身体の汚れは尋常でなく、放心状態のアリエルは、まさに生きた屍
同様であった。
「どうして姫さまがこんな・・・酷すぎます・・・」
悲しむ娘達であったが、彼女等も囚われの身、どうする事もできない。
せめて娘達ができる事は、悲惨なアリエル姫の汚れを、少しでも落としてあげることだ
けである。
無情な時間がしばらく過ぎて、不意に彼女達のいる小屋のカギが開けられた。
薄暗い小屋の入り口に浮かぶ人影は、見張りの兵隊であった。
それを見て恐怖に慄く娘達。
「ひっ、何しに来たのですかっ。こ、こないで・・・いじめないで・・・」
娘達は兵隊に強姦されるのではないかと怯えている。どうやら奴隷の娘達は、日常的に
強姦されているらしい。
アリエルを庇って震えている娘達に、見張りの兵隊が歩み寄って来た。
「あ、あの。みんな怖がらんといて。うちは味方やで。」
独特の訛りで喋る兵隊は、変装を外して素顔を娘達に見せた。兵隊の正体はマリーだっ
た。
「あ、あなたは・・・だ、だれです?」
「うちはアリエル姫様の侍女でマリー言いますねん。姫様とみんなを助けるのに来たん
やけど、手を貸してくれまへんか?」
唖然とする娘達は、ようやくマリーが味方であると理解した。
「た、助けてくれるのですか?あ、ありがとうございますっ。」
感謝する娘達に軽く頭を下げたマリーは、速やかにアリエルの元に駆け寄る。
「姫様っ、うちです。マリーです姫さまっ。」
マリーは兵隊の姿のまま、アリエルの名を呼んだ。すると、アリエルは酷く怯えた顔で
悲鳴を上げた。
「いっ、いやああーっ!!ごめんなさいっ、わたしがわるかったですわああっ、ゆるし
てえええっ!!」
暗がりのうえ、マリーが兵隊の姿をしているため、アリエルはマリーの事に気がついて
いない。
癲癇でも起こしたかのように暴れて怖がるアリエルを、マリーや娘達全員で取り押さえ
た。
「姫さまっ!!うちですってっ。マリーですよってっ。お気を確かにっ!!」
だがしかし、激しい陵辱と洗脳で正気を失っているアリエルに、何を言ってもわからな
い。
「あうう・・・ごめんなさいい・・・わたしがぜんぶわるいんですううう・・・」
「ひ、姫さま・・・う、うちの事わからんのですか?」
「ひいい・・・ひっ!?あぐっ、うぐおえええっ!!」
緊張感からか、アリエルは激しく嘔吐する。口から大量の汚らわしい精液が吐き出され、
秘部やアナルからも精液が垂れ流れる。
彼女が、如何に悲惨な陵辱を受けていたのか判ろうというものだ。
しかも、逃げようとしているのに立ち上がる事ができず、もがく手には力が全く無い。
異変に気がついたマリーは、アリエルの腕と足を見て理由を知った。
なんと・・・アリエルは腕と踵の筋を切断されており、物を掴む事も立ち上がる事もで
きない。一生、イモムシのように這いずり回る事しかできない身体にされていたのだ。
おまけに首にはめられた鉄の首輪は、留め金を溶接され、絶対に外れないようにしてい
る。
全て・・・悪の権化グリードルが、アリエルに行った卑劣な所業なのであった・・・
「ひ、ひめさま・・・こんなことって・・・」
あまりの酷い仕打ちに、マリーは愕然とした。
アリエルが怯えるのも構わず、涙ながらに友を抱きしめるマリー。
「姫さま、うちが来たからには、もう心配はありまへん。必ず、必ずノクターンにお連
れしますよってに・・・」
そんなマリーの悲しき抱擁にアリエルは、ようやくおとなしくなった。
娘達も安堵の溜息を漏らすが、今はためらっている暇は無い。すぐさま脱出の準備に取
りかからねばならないのだ。
スクッと立ち上がったマリーは、速やかに着ている服を全部脱ぎ捨てて全裸になった。
呆気にとられている娘達の前でマリーは、変装用のマスクを被り、アリエルに成りすま
したのだった。
近くに落ちている鉄の首輪を自分の首にはめたマリーは、娘達に向き直ってアリエル救
出の手段を説明した。
マリーは娘達に、自分が身代わりになるから、その隙にアリエルを連れ出してノクター
ンへ逃げて欲しいと言い出したのだった。
だが娘達はマリーの身を心配して首を横に振る。
「そ、そんな事できませんわよ。あなたはどうするのですっ?姫様の代わりに辱められ
てしまいます。」
するとマリーは自身満々に答える。
「心配はいりまへん。うちはこう見えても、超一流のスパイなんですわ。こんな場所な
んか簡単に抜け出せますねん。」
笑顔を作って話すマリーを見て、娘達はそれがウソであると見抜いた。しかし、ウソを
つくなとは言えなかった。笑顔の裏にあるマリーの哀しき決意を反論できはしなかったか
ら・・・
「わ、わかりましたマリーさん。姫様は必ずノクターンにお連れしますから、あなたは
無事に脱出してください。」
その言葉に無言で頷くマリー。
ためらいを降り切り、娘達はアリエルを抱き抱えて部屋を出た。そして後に残ったマリ
ーは、寂しそうにアリエルの背を見送る。
「姫様、もしかしたら・・・もう会われんかもしれまへんね・・・」
だが、2度と会えないかもしれない悲しみに浸る暇はなかった・・・
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