荒ぶる欲望の果てに
第10話:
神光寺雅
「ぷはあ・・」
鼠はミルに一気にはき出すと息を吐いた。
セレナに比べるとほっそりとしているが、それでも肉付きは豊かだ。
これもお城での生活が長いからだろう。
鼠は豊かな身体を撫で回し、乳首を吸ったりしている。しつこくいやらしく。
「くう・・」
ミルは鼠の体臭に辟易していた。
それこそまるでどぶ鼠のぅようなにおいが漂っている。体を拭くことなどないのだろう。こんな男に汚されるのではたまったものではない。それこそ病気にでもなりかねない。
姫様でなくてよかった・・・そう思うことで自分を慰めていた。
「気が済んだでしょう?・・・・」
ミルはやっと周りを見渡す余裕ができた。
いまだに鼠はミルにのしかかったまま、なんとかここから逃れて、姫様をお助けせねば
そう思う一新で、鼠の隙をつこうと、チャンスを狙っていた。
襲ってきた男、確かに覚えのある男だ
姫の更衣室だ、あたりは散らかされ
姫のお召し物が乱れている。下着に至っては床に広げられ、汚されていた。
「ひどいことを・・姫様のお召し物になにをしたの」
「うん?」
鼠は振り返った、そこには自分が欲望をはき出した姫君の下着が散らばっていた
高価な下履きがくちゃくちゃになって丸められていた。
「へへへ見られたか・・なにね・・俺は姫様をやることは出来ねえんだ・・あいつとの約束だからな・・代わりにお召し物で抜かせてもらったのさ・・」
鼠は臆面もなく、肌着にべったりと付いた欲望の果てをミルに見せつけて、いいはなった。
「・・・」
ミルは目を背けたくなった、姫様のお召し物になんてことをするのか。おぞましいどぶ鼠の顔につばを吐きつけたやりたいほどだった。
だが・・・
ミルは思いとどまり、一計を案じた。
「・・・それはそれは・・・なさけないことです・・」
鼠の顔をさげすむように見つめた。
「なさけないだぁ?どういうことだぁ」
ミルのことばに鼠はいらついた。
「情けないではありませんか、あんなチンピラに姫様をくれてやるなど・・・それともお仲間に恩でもおありなのか?」
「ぐっ・・・」
鼠の顔に明らかな動揺を見たミルはさらに一押し。
「こうして守護兵に守られた館に押し入ったのに、目的の姫君を奪えず。姫の肌着で憂さを晴らすとは滑稽です」
ミルはますます小馬鹿にしたように、せせら笑い、鼠を挑発した。
「だまれだまれ!・・お前になにが分る!・・この鼠様にやられておいてなにを偉そうに!」
ミルは鼠の挑発に乗りだした。
「ほう?・・ではわたしだけで満足してしまわれたのですか?・・わたしの主人などもういらぬと?」
そういって、ミルは終わってすっかり縮んでしまった、鼠の一物をぎゅっとつかんだ。
「お、おおお?・・なにをしやがる?」
鼠は目を大きく開けてミルを見つめた。
『姫様すぐに助けに参ります』
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