神風剣士ロゼッタ (魅惑の魔界商人登場♪)

(2) 呼ばれて飛び出て魔界商人!?
原作:神光寺雅
ムーンライズ

 
 壺から沸き上がる真っ白な煙・・・そしてエスニカルな音楽と共に壺の中から何者かが出現した!!
 「呼ばれて飛び出て、じゃ・じゃ・じゃ・じゃ〜んっ♪お呼び頂き真にありがとうございま〜す☆」
 現れたのは・・・ハ○ション○魔王・・・でわなかった、堪能的なベリーダンスを舞うアラビア風の衣装を纏った美女だった。
 突然の事に、ロゼッタ姫もアンリエッタも目を点にしてボーゼンとしてる。
 「ね、ねえアンリエッタ。この人が壺の精霊さんかしら?」
 「精霊とゆーより(キツネ女)ですわね。」
 アンリエッタの言う通り、現れた美女は(キツネ女)だったのだ。外見は人間の女性だが・・・その頭とお尻にはキツネ耳とフサフサ尻尾がついてる。
 そして容姿も然る事ながら、どこか妖しげな雰囲気を漂わせる妖艶さも人間離れしてる。
 美女は恭しく一礼し、自己紹介した。
 「初めまして、私は魔界商人の白魔天と申します。如何なる商品も売買致しますので御遠慮なく申しつけくださいませ。」
 売買との事を聞き、ロゼッタ姫は慌てて詰め寄った。
 「ち、ちょっとキツネ女さん。商品を売買って仰ったけど、願った物を授けてくれるじゃないの?」
 するとキツネの美女こと白魔天は、指をチッチと振って答える。
 「あーら、何事にも代価が必要ですわよ。言いますでしょう、只ほど高い物はないって。」
 「そんなの聞いたことないけど・・・(~_~;)」
 どーも胡散臭いと思っちゃうロゼッタちゃんであった。
 白魔天の言う事からして、欲しい物があっても金で購入しなければならないらしい。
 「そう言えば欲張りじーさんが言ってましたわね、(魔商の壺)だって・・・なーんだ、お金を出さなきゃいけないのね。それじゃあ普通にドレスや宝石買うほうがマシですわ。」
 幻滅してるロゼッタ姫の耳元で、悪魔のよーに囁く白魔天・・・
 「私が売買するのはドレスや宝石だけではありませんわよ〜。入手不可能な幻のお宝とか、人間界では絶対手に入らない魔法のアイテムとか。そして全ての女性が最も求めている秘宝、永遠の若さをもたらす不老の妙薬とか・・・欲しいとは思いませんか?うっふっふ〜。(邪笑)」
 (永遠の若さ)との言葉に強く反応するロゼッタ姫。
 「い、今なんて言ったかしら?永遠の若さをもたらす不老の妙薬って言いましたわねっ?ほんとにあるの!?売ってくれるのっ!?」
 それを聞いてニヤリと笑う白魔天。
 「真偽の程は実物を試してから御判断くださいませ♪」
 そう言うと、腰にぶら下げた(でっかいガマ口)から怪しげな薬を取り出す。
 キラキラ光るガラス瓶に入った液状の薬・・・それをロゼッタ姫のほっぺたに塗った。
 「夜更かしなさったのではないですか、少々お肌が荒れてますわね〜。でもこのお薬を塗るだけでほら♪」
 ほっぺたを触ったロゼッタ姫、ビックリ仰天の声を上げるっ。
 「ま〜っ!!お肌がツルツルですわ〜っ、まるで赤ちゃんのお肌みたーい♪」
 その効果たるや絶大。一瞬にして荒れたお肌が艶々の美肌となったのだ。
 驚いてるロゼッタ姫に、白魔天はたくさんの(怪しい)薬や化粧品を見せた。
 「その程度で驚いてはいけませんわよ。他にも永遠の美貌をもたらす秘薬や化粧品がいっぱい。これはいくら食べても太らなくなるお薬。こっちはパサついた髪に黄金の輝きを与えるコンディショナー。でもってこれはウインクするだけで殿方を魅了するアイシャドウ。これらを使えば、あなたは究極の美貌をもつ女神さまに大変身ですわよお〜。」
 机に並べられた数々の化粧品を前に、目をキラキラ輝かせるロゼッタちゃん。
 「きゃ〜っ♪これ全部欲しい〜っ。ねぇね、いくらぐらいなの?」
 すると白魔天はソロバンを取り出してパチパチ弾く。
 「全品ご購入されるとなれば・・・セット価格で、このお値段となりまーす。」
 ソロバンを見たロゼッタ姫の目が(おっきく)開かれた。はっきり言ってメッチャ高いのである。(O.O;)
 「あ、あにょお。こ、これわ高すぎると思うんだけど。私のお小遣いの何ヶ月分かしら。や、やっぱり止めとこうかなあ。」
 諦めかけてるロゼッタ姫に、白魔天は危険な誘惑を囁いた・・・
 「世界最高の美しさを手に入れたいとは思わないのですかぁ?その輝ける可愛さを永遠に保ちたいでしょう。多少の出費を惜しんでいては美しさを手にする事はできませんわよぉ。ただいま割引期間となっておりますから、本日ご購入なされると、なんと1割引!!でもって今回だけ特別に、魔界製プラチナネックレスを無料進呈させて頂いておりま〜す。このチャンスを逃したら後はありませんわよ〜。」
 誘惑に迫られるロゼッタ姫の頭上には、天使と悪魔がグ〜ルグル飛び回ってる。
 「あうう〜、ママからお小遣い前借りしなきゃ買えませんわ〜。でも化粧品は欲しいし・・・分割払いはできるの?」
 「お支払いは分割をお望みですか。あなたはとってもラッキーですわよお、今なら(初回のみ)お支払いの金利を無料にしておりまーす。契約はとっても簡単、この書類にサインして頂くだけでOKですのよ♪」
 契約書をかざす白魔天は、とっても愛想の良い営業スマイルを浮かべてる。
 しかし・・・この書類は(けいやくしょ♪)とだけ書かれた白紙なので、後で何を書き込まれるか判ったもんじゃない。はっきり言って(悪魔の契約書)よりタチの悪い代物なのだ。(O.O;)
 頭を抱えて悩んでいるロゼッタ姫を見て、深刻な溜息をついているアンリエッタ。
 「キツネ女にダマされても知りませんわよ姫さま。どーせインチキ商品に決まってるンですから。」
 すると白魔天は突然、アンリエッタの顔を見て(わざとらしく)驚く。
 「あらまあ〜、あなたは・・・とっても苦労をなさってますねっ?それも、お姫さまのワガママで悲惨な目にあって、殿方と愛を語らう事もままならない状態でしょう?このままでは確実に婚期を逃してしまいますわよ、うふふ〜♪」
 図星を突かれ、アンリエッタは顔面真っ青になった。
 「こ、こ、婚期を逃すだなんて・・・ああ〜、それだけは嫌よお〜っ。」
 半泣きのアンリエッタに、(魔商)の誘惑が迫る!!
 見るからに怪しい恋愛成就のアイテムを、これ見よがしにちらつかせる白魔天。
 「だったら殿方をゲットして寿退社すればいいのですよぉ。そーすればワガママ姫さまのお守りから解放されて、バラ色の人生を送れますわ。ちなみにぃ、この首飾りは身につけるだけで恋愛運がアップする幸運の首飾りでーす。魔界の高名な魔術師が愛の魔力を込めて造り上げた貴重な品で、購入された方の全員が幸せな結婚をされてまーす。買って幸せな結婚をするか、買わずに一生お姫さまのお守りで苦労するか・・・それにこれは最後の一品ですからねぇ、買わなきゃ絶対に損ですわよ、うっふっふ〜。(邪笑)」
 キツネ耳をピコピコさせて邪悪に笑う白魔天の魔術に惑わされ、幸せな結婚の幻想を見てしまうアンリエッタ・・・

 ・・・祝福の鐘の音が鳴り響く教会で、純白のウェディングドレスを着たアンリエッタがヴァージンロードを歩んでいる・・・
 その先には、凛々しい最愛の殿方が笑顔で待っていた・・・
 2人は手を取り合い、永遠の愛を誓い合う・・・
 「綺麗だよアンリエッタ・・・ぼくは君を一生手放さないぞ・・・」
 「私もですわ・・・愛しいあなたに身も心も捧げますわ・・・」
 超ラブラブの2人を、ロゼッタ姫が悔しそーに見ている。
 「あ〜んっ、その人は私が目をつけてたのにぃ〜。くーやーしーいー。(T_T)」
 「ごめんあそばせ姫さま。私、この方と幸せになりますから、姫さまも良い方を見つけてくださいませ♪」
 そして多くの人々が祝賀の歓声をあげる中、アンリエッタは殿方と誓いの接吻を・・・(ここで幻想は終了☆)

 「・・・愛してますわぁ〜、マイ・ダーリン♪・・・て・・・はっ?」
 急に我に返ったアンリエッタが振り返ると、そこには幻覚の魔術を使っている白魔天が・・・(^^;)
 「あ、あら、もう幻覚が解けちゃったの?あとちょっとで陥とせたのに・・・ぢゃなかった、お、おほほ〜。幸せな夢は見れましたか?(汗)」
 まんまと謀られたと知ったアンリエッタは大激怒!!
 「なぁにが幸せな夢ですかーっ!!私の弱みに付け込んでインチキ商品を売ろうとしたわね〜っ!?」
 「いやあの、インチキぢゃないけどぉ・・・一応。」
 「じゃあ聞きますけどね、どーしてあなたは幸運の首飾りをしてないの?そんなに効き目があるんなら、自分で身につけて良い男をゲットすればいいじゃない。」
 逆に言い返された白魔天は、アンリエッタの迫力に思わずタジタジしてしまう。
 「あ〜っと・・・私は首飾りしなくてもモテるから、なぁんちゃって。(汗)」
 「ウソおっしゃいっ、この女狐め〜っ。」
 逆上したアンリエッタに捕まり、くすぐりの刑に処される白魔天。
 「いや〜ん、くすぐりに弱いのよ〜。ダメ〜ッ、シッポ触られたらイッちゃう〜。」
 くすぐり攻撃で悶えてる白魔天を見て、ロゼッタちゃんもゴーモンに参加!!
 「うっふっふ〜、フサフサシッポが弱点ね(邪笑)。イジメられたくなかったら化粧品を半額にしてちょーだい。」
 「そんなあ〜、儲けがなかったら魔王さまに怒られる〜っ。あひゃひゃ、もっとイジメて・・・ちが〜うっ、イジメないでええ〜っ。」
 「さあ姫さまっ、このアコギな女狐を懲らしめてやりましょう♪」
 「了解よっ、キツネちゃんをスッポンポンにしちゃえ。でもってシッポなでなで♪」
 「あ〜れ〜っ、ロゼッタ姫のエッチ〜ッ♪」
 なにやら(楽しく)騒いでる美女3人。アコギな魔界商人は、2人の神風剣士によってあえなく陥落したのであ〜る。

 ※丸裸にされた白魔天が、ロゼッタ姫とアンリエッタにナニをされたかは御想像にお任せしまーす(^^ゞ

 こーして、ロゼッタちゃんは大量の怪しいお薬や化粧品をゲットしたのであった・・・


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