美姫処女調教3パトリシア姫編(幸福と別離と)11
「さあ、お早くお帰り下さい。 この先に、乗って来た馬車が待っております」 そういうと立ち去ろうとする。 僕は、少女を呼び止めた。 「君も一緒に行こう」 僕の言葉に少女も足を止める。 「君も攫われてきたんだろう? 一緒に逃げ出そう・・・」 僕の言葉を少女は一笑する。 「おかしな事を・・・・。 私はここの人間ですよ?」 「ではなぜ僕らを? それになりはそんなでも、 君はただの娼婦ではあるまい?」 僕は、今までの疑問を一斉に投げかけた。 だが、少女は僕の言葉には応えず。 「ごきげんよう・・・」 そうひとこと呟くと、館のなかに消えた。 「ピエール様・・・・。 逃げましょう」 いつの間に、着替えたのか。 パトリシアがあの衣装を着て立っていた。 「・・・う、うん」 僕はパトリシアと館を離れた。 ・・・・・・。 馬車はそこにいた。 乗り合いの御者はまだ寝ていたが。 たたき起こした。 乗り込んで、振り返ったあの館は・・・
「あ、火事だ!」 御者が叫んだ。 たった今、少女が入っていった忌まわしい館から 炎が吹き出していた。 僕は身を乗り出す 「出して!出してください! 一刻でも早くここから」 パトリシアが叫んだ。 御者はその言葉にせかされるように馬にむちをくれる。 無理もない・・か。 パトリシアには思い出したくもない 悪夢の場所だ。 だが・・・・・。 炎は一瞬のうちに館を飲み込んだ。 窓に一瞬少女の姿が映ったような気がした。 (終わり)