美姫処女調教3ダーナ編
不夜城といわれるこの町に 明かりの消えることなどない。
今夜もまた男達の欲望と女達の野望に 染め抜かれた街が異様な祭りを演出している。
人々のざわめきと馬車の行き交う やかましい音。
舞踏会という一大イベントが終了した街は 険しさから解放された安堵感と、けだるい雰囲気に満ちていた。
そういう僕もその中の一人なのだが・・。
僕はしがない貴族の三男だ。
幸いにして、禄はそこそこにある家柄。
生活に窮することなど無い・・。
ここ数日国をにぎわせた舞踏会の接待役などの重責も 結局まわっては来なかった。
それはいつものこと・・・
無役の俺はやることなど無く 日がなからだをもてあます。 その日も街のカフェで これまた無役の悪友どもと いつものたわいもない会話に明け暮れていた。
会話といったら決まっている。
どこぞの家の娘がどうのと スキャンダラスな女の話ばかり。
無理もない、 家柄のいい娘といい仲になれれば 仕官や、地位も夢ではない。
だが、そんな話はそう有りはしない。
すでに札付きとなった僕らになびこうという娘など いるはずもないからだ。
しかたなく、娼婦を買うのが日課だった。
といって、白粉にまみれた娼婦達にはもう辟易していた。
悪友の一人が僕にだけこっそりと呟いた。
「いい、娼婦宿があるんだ」
「またその話か?お前の話にろくなのはないからな」
「まあそう言わずに・・・」
この男、娼婦宿にはやたらと詳しい。
今まで何件も進められて行ってみたが 実際そんなにいいところなどあろう筈もなかった。
悪友・・・。
確かにそうだ、顔だけは知っているものの どこの誰かまでは知りもしない。
互いの人相風体を見れば、 同じような身分なのは一目瞭然。
元々こんなところで知り合ったどうしだ。 互いに名乗ることさえなかった。
「・・・これは内緒だが、本物の姫君を抱ける店があるらしい」
「またきた、そんな店があったらお目にかかりたいもんだよ」
他の悪友達があざけ笑う。
確かに、眉唾ものだ。
さりとて他にやることもない。
それに たとえそれがうそだとしても 飽き飽きした街の女達とは違うだろう。
退屈さを紛らわすために 冒険をしてみたくなった。
そんなたわいのない理由で 悪友に誘われるまま馬車に乗った。
既に閉門の近くなった城門を通りすぎ 小一時間ほど馬車に揺られる。
どこをどう通ったかなど 夜道のためか知れはしない
やがて、暗闇の中に 確かにその館はあった。
館の中は薄暗い。 思ったより広いホールだ。 だが人っ子一人いない。
「本当にここなのか?」
僕は疑いの目で辺りを見回した。
まるで廃墟のようでもある。
「この方が隠れ家らしくて良いだろう?」
悪友の言葉にめずらしくうなずいた。
すると・・・。
奥に人影が見えた
小さな足音と共に、人影が近づいてくる。
この屋敷の管理人だろうか
「・・・どなたですか?」
その声は、まるで少女のようなすんだ響きを持っていた。
声の主がその姿を現した。
「・・・・・・」
僕たちは声を詰まらせた。
現れたのは小柄な女性だ。
顔を斜に構え、こちらを見つめている。
だがその風体といったら 裸体に黒いマントを羽織っただけ。
マントの前は開いており、 魅惑的な白い胸が覗いている。
「何かご用ですか?」
僕たちが少女に見とれていると、 つぶやくような小さな声で僕たちに 話しかけてきた。
その目にはあからさまに嫌悪感が浮かぶ。
「あ、あの紹介で来たんですが・・・」
ややあって、悪友が気まずい雰囲気を打ち破った。
そして懐からカードの様な物を取り出す。
「・・・・」
少女はそれを一目見ると僕たちに言った。
「ここがどんなところかご存じなのですね? あなた達のような方は珍しいのですが」
どうやら招かざる客であることは 間違いないようだが、
そんなことはかまいやしない。
悪友は何度もうなずいた。
「こちらへどうぞ」
そういうと、少女は先に歩き始めた。
「おい何をしてるんだ?」
悪友が僕に声をかける。
僕は思わぬ少女の出現にとまどい、ぼっと立ちすくんでいたからだ 少女は階段の入口まで来ると ピタリと止まり振り返った
「お二人とも初めてですね・・・」
僕たちは黙ってうなずいた。
特に悪友のアクションはオーバーで こっちが恥ずかしくなってくる。
「最初のご説明しておきます」
少女の言葉にいちいちうなずくあいつ・・・。
困った奴だ。
「お約束は明日の正午まで。 それ以上はいかなる場合も延長はいたしません」
淡々と話し出す少女。手慣れた感じがする。
僕はそんな少女を見つめてしまう。
この子はどこの子なんだろう。
ただのやりてババアには見えない。
場末の安い飲み屋の女の子でも、 こんな派手な格好はしていないだろう。
だが、それでいてこの気品は何なのだろう・・。
僕があまり見つめるせいか
「なにか・・ご質問でも・・」
「え、!いえ!なにも・・・ 続けて下さい」
「・・・・お部屋には入り口の他に 2つの扉がございます。一つは、浴場へ。 もう一つは裏庭に続いております」
「裏庭へ?」
「ただし夜の間はこの扉は閉じております
朝早くから、正午までの間です」
裏庭へ?
そこで何をするというのか?
・・・・・ 決まっているだろうな。
「裏庭に出られる際には二つご注意がございます。
必ず時間までにお帰りになること。
もう一つは・・・・」
「もう一つ?」
僕は思わず聞き返した。
時間厳守はともかく。
そうか、 脱走を企てる奴もいるのか?
「くれぐれも森には、お入りにならぬよう。
・・・・・ 命の保証はございませんから」
命の保証?
なにやらすごいことを言う。
何か不味いことでもあるのだろうか。
「・・・以上でございます」
それだけ言い終えると マントのポケットに手をやり、 カードを取り出していた。
それはさっき悪友が持っていたのと 同じ物に見える。
「今日入られた姫君がご所望ですね?」
少女の言葉に 僕たちはこっくりとうなづいた。
期待感はまし、ときめいてさえ来る。
もし本当の姫君であればばだが。
「それでは。本日の姫君はこちらです・・・」
少女が手に持ったカードを見せてくれた。
そのカードは2枚あり、姫さまの似顔が書いてある。
一枚目のカードを捲った。 銀色の髪の姫君だ。 お名前はダーナ姫。
まるで法衣のようなドレスをお召しになっている。
「おい!この子 顔に似合わず胸が大きそうだなあ」
たしかに・・・ 身体のラインのでにくい衣装だ。
にもかかわらず、 胸の豊かさを隠し仰せてはいない。
どんな子なんだろう・・・。