淫らの森の美女(第5話)


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ハナシは少し前に戻る。
春川れな、美杉琴慧、香山桜子の三人は。座らされた状態で、両手をバーに縛り付けられ
ていた。両手を頭の上で組む格好だ。
男達が去ったとはいえ、彼女たちの危険が去ったわけではない。彼女たちもまたレオター
ド姿のままなのだ、しかも両手を拘束されその美しい身体のラインを余すことなくさらし
ている。
あたりが暗くなり、灯りすら消されたレッスン場は彼女たちの不安と恐怖を増長するだけ
だ。
「せ、先生達大丈夫かなあ・・・・」
一番背の低い桜子が不安そうにいう。
「・・・なんでこんな事になるのかしら」
れなが神経質そうに言葉を続けた。他の二人とは一年年長になる琴慧は黙っていた。
3人とも不安をうち消すかのように一言二言話し出すのだが、やがて言葉は途絶えてしま
う。
3人とも裕福な家庭に生まれ育ち、バレエ一筋にその青春を燃やし続けてきた。だが突然
に襲いかかった獣のような脱獄犯達に、どのような目に遭わされるのか。思い描く最悪の
事態に身も凍るほどの恐怖にさいなまれていた。
 そのころ、男達の一人禄助は腹が一杯になると、こっそりと食堂を抜け出した。
「ちくしょう!耕太のガキ!ひとりだけがいい思いをしやがって!」
ぶつくさと文句を言いながらトイレへと向かう。禄助もまた、耕太と同じように美春に狙
いを付けていた。生徒達の中で唯一ピンク色のレオタードをまとい、端正な顔立ちに、見
事なプロポーション。自分が最初に美春をいただこうと密かに狙っていたのである。が、
そのもくろみははずれ、事もあろうに一番の若造に寝取られたことが我慢ならなかったよ
うだ。
「・・・・よしおれも残った小娘共を・・・」
禄助は向きを変え、レッスン場へと向かった。
ぎいいい・・・。
遮音効果のある厚いレッスン場のドアが音を立てて開いた。と、同時に部屋に灯りがとも
された。暗闇から解放された生徒達は一瞬安堵の表情を浮かべる。が、入ってきたのは禄
助一人だった。
「せ、先生は。先生はどうしてるんです?」
年長の琴慧が男に向かって声をかける。しかし、禄助はそれには答えず、にやにやと笑い
ながら生徒達を眺めている。
「あ、あの・・・先生は・・・」
桜子が舌っ足らずな声で再び聞き直す。禄助はそれにも答えようとはしない。禄助の異様
な雰囲気に生徒達に緊張が走った。
メンバーの中で一番身長が高くスリムだが端整な顔立ちの琴慧。一番のお嬢さん育ちで少
し丸みを帯びた体型と、おっとりとした顔立ちのれな。155cmとメンバーでもっとも
身長の低い桜子は今年入学したばかり、顔立ちもあどけない。
同じ校章の入った地味な藤色の長袖レオタードと白のタイツ。薄桃色のトウシューズ。美
春と比べると地味な印象をだった彼女たちだったが、こうして近くで見るとなかなかの美
少女達だ。いや、逆にその清楚な姿が40男の淫らな欲望に火を点けた。
「こうしてみると、どうしてどうしてかわいこちゃんばかりじゃねえか・・・」
禄助は、品定めするように少女たちの身体に視線を走らせた。生徒達は禄助のイヤらしい
光を帯びた目が、自分たちの体中をなめ回すのを感じて、身を隠そうとする。だが、ただ
でさえ、体の線が丸見えのレオタードである。両手で身を隠そうにも、両手は頭の上で練
習用のバーにくくりつけられているのである。せめて、足を固く閉じて壁際により、男の
目から一番大事な部分を隠そうとする。だが、そんな処女の恥じらいすらも、禄助の欲望
にさらに火を点けるだけであった。
「へへへ・・・かわいいねえ。さっきまであんなに派手にあんよをおっぴろげていたって
のにねえ」
「・・・・・・レッスンを覗いていたんですね・・・」
琴慧が顔を真っ赤にしてつぶやいた。
確かにバレエは鑑賞されるモノだ。だが、こんな下品な男が、練習中の自分たちの股間を
イヤらしい考えでのぞき込んでいたのかと思うと、おぞましさで震え立った。
「・・・へへへそうとも!お前らの股の間をのぞき込んでいたら、おいらのデカマラがこ
んなに膨れちまったぜ」
「・・・・!!」
禄助はそういうと自分のズボンのチャックを開き、言葉通り、すでに醜く脹れあがったペ
ニスを生徒達の前にさらけ出した。
少女たちは恐怖の叫び声をあげた。
春菜が聞いた悲鳴はこの時の悲鳴だったのだ。
「さあてどのお嬢さんからいただこうかな・・・」
禄助は自分のモノをしごきながら生徒達を選んでいた。一番年少の桜子は震え上がってし
まって、今にも泣き出しそうにしゃくり上げている。琴慧は一番の年長ということもあっ
て、責任感が強いのか、精一杯禄助をにらみつけてわずかな抵抗を試みる。
バレリーナにしては肉付きのいいれなに禄助の目が留まった。窓から覗き込んでいた時に、
美春の次に目がいったのがれなだった。他の華奢な体つきの少女たちに比べ、胸が目立つ
れなに、この時から目を付けていたのだろう。
「へへへ・・・やっぱりお前だな・・・」
「ひっ!」
男と目を合わせないように顔を伏せていたれなに、禄助が近づいていった。
「や、やめてください!」
春菜があわててレッスン場に飛び込んできた。
「せ、先生!助けて!いやああ!」
「春川さん!」
一番に飛び込んできたのは、禄助に体中をまさぐられ悲鳴を上げる、れなの姿だった。禄
助は少女たちの中でもっとも胸の目立つれなに襲いかかったのだ。もっとも女らしい肉体
を犯してみたくなったのだ。
「へへへ・・・たまらねえ!むちむちしてやがる!」
 禄助の左手が、れなのタイツに包まれた太腿を這い回り、右手は、レオタード越しにれ
なの胸を揉みしだく。れなの後ろに回った禄助が、白い首筋に舌を這わせ、更に悲鳴を上
げさせている。おまけにその下半身からは節くれたペニスがレオタードに包まれた柔らか
い、れなのお尻をつついていた。
「先生!先生!助けて!いやああ!」
「やめて!春川さんを!春川さんをはなして!代わりに私を!」
春菜が絶叫する。だが禄助はそんなことにはお構いなくれなをいたぶっている。やがてそ
の手はレオタードの中にまで進入しようとする。
「うるせえなあ!おいらはあんたよりこのかわいいお嬢ちゃんと一発やりてえのさ!」
「せ、先生!いやあああ!」
禄助の言葉にれなは狂ったような悲鳴を上げる。他の二人も手を出すことさえできず震え
上がっていた。
「そんな!なんでもします!何でもしますから!春川さんを!春川さんを助けて!お願い!
」
春菜の言葉に禄助は一向に耳を貸さない。その時だ・・・。
「先生よお!その言葉に嘘はないんだな・・・」
春菜が振り返る。そこにはあのでっぷりと太った兄貴が立っていたのだ。


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