2005年お正月贈り物SS
かみおりの巫女

simon


2005年お正月贈り物SS

かみおりの巫女


ざあぁ

 滝の飛沫に打たれながら、凍えきった身体に鞭打って、祝詞を唱え続ける。
 氷点下にありながら、けして凍らぬ霊山の滝は、僅かでも気を緩めれば命まで刈り取っ
てしまうだろう。
 神降りの儀――千年を超えて、この国を支えてきた儀式
 今年選ばれるのは私だろうと思っていた。だからこそ、失敗など絶対にできない。
 その想いが通じたのか

ふあ

「……あ」
 何か……大きくて、歪みのないものが、私の中に満ちた。
 滝の水が、身体に触れることなく弾かれる。指先から、髪の一筋にまで、ゆらり、と。
 神というものが何なのか、私は知らない。けれど、確かにこれは、そうとしか呼びよう
のないものだ。
「亜矢、見事に成し遂げたようだな」
「宮司さま……はい」
 滝壺の前に、いつの間にか。齢90を超えてなお矍鑠たる、私たちの束ね。
 でも宮司さまは、穏やかな微笑で私を押し止めて
「いや、礼を取らねばならぬのは、わしの方よ。今のそなたは、神降りの巫女なのだから」
 じわじわと、達成感と、喜びが湧き上がってくる。
「自分では分からぬかも知れんが、滝に打たれて3日。早く温まらねばな」
 手を差し伸べて、私を水の中から引き上げてくれる。嬉しいけれど、繋いだ手が、何だ
か恥ずかしかった。



「宴の準備はできておる。皆、今か今かと待ちわびていたのだ」
「それって、私が遅かったっていうことですか?」
「や、これはすまん。そんなことはないぞ」
 宮司さま相手に、冗談が言えるとは思わなかった。こんなに気さくな方だったなんて。
 く 手を引かれて……え? ここを曲がるの?
「あの、どちらへ? この先は……」
 女人禁制の奥の院。それに、今の時期は閉じられているのでは。
「亜矢は特別じゃよ。それに、元々奥の院は、神おりの儀のために設けられたものだから
な」
「そうだったんですか」
 全然、知らなかった。去年もそうだったのかしら。
 そう言えば、去年選ばれた巫女って……あれ?
「どうした?」
「いえ、その……」
 おかしい。名前が思い出せない。確か、私にとても優しくしてくれて……長い黒髪の…
…顔も、思い出せない。
 足が遅くなりそうになっても、宮司さまにぐいぐいと引っ張られて。どうして、そんな
に強く手を握るんだろう。
「……皆、亜矢のことを待っておる」
 逝きたくない と、そう思った……



 月の光りの中に、黒々と聳え立つ……これが、奥の院。
 何だか、とても重い。

ぎ いいい

 近づくと、両開きの板戸が重い軋みをあげながら……ジジ……灯りが点っているのに、
どうして中がこんなに暗いんだろう。
 とん 軽く背中を突かれて、23歩、よろめくように。
「……う…あ」
 空気が、めちゃくちゃ重い……押し潰されそう。

ぎぃぃ……ばたん

 僅かに流れていた風が、閉ざされちゃった。へたり……立ってられなくて。どうして…
…何が起こってるの? 私はちゃんと神降りの儀を成し遂げたのに……

「それでは……これより神おりの儀を始めよう」

 ミシリ……右手の闇の中から、背の高い影。どういうこと? 逆らう間もなく両の手首
と足首に、縄が掛けられていく。
「やめてくださいっ 離してっ!」
 だけど、ぐいっ……きゃぁっ! 振り解くより早く、左右から両手の縄が引き絞られた。
 がらがらと滑車の軋む音がして……いたっ……僅かに足が浮くくらいに吊り上げられる。
 そして、両足もまた……太腿に力を入れても……ぐい ぐいっ……やだぁっ!……引き
伸ばされる。
「……ああ」
 どうして、こんなことをするんですか、宮司さま。
 目の前に、ぼうと浮かび上がる、能面みたいな表情をした宮司さまが。ひた……骨ばっ
た指に頬を撫でられて、全身が粟立つ。
「……我が国には、元より神が居らぬ」
 搾り出すような声。それは知っています。だから私たちは、神を降ろして……
「違うのだ。それでは、神はただ通り過ぎてしまうのだ。我らの元には、留まって下さら
ぬのだ」
 ぐいっ……きゃぁっ! 巫女服の胸元を肌蹴られた。ぷるんと震えながら零れ出る乳房。
さらに、引き千切るような勢いで、広げられた。
 はぁはぁ……じわり 汗が浮く。ゆらり……灯りが揺れながら、近づいて来る。みしり
 みしり……やだ、来ないで。
「ならば……閉じ込めればよい。巫女の身体ごと な」
 違う。全ては流れ行くもの……それは、禁呪。まさか、国の基となるここで、そんな禍
事が……まさか
「……鈴菜さま…も」
「ほう? 思い出したか。あれもまた、神の檻となって、国を支えたぞ」
 それが、真の神檻の儀だと、宮司さまが哂う。
「これから、そなたの肉を檻と成す。そこから離れようなどと思えぬようになるまで……
神が肉に溺れるまで」
 それは呪いだった……千年続いた妄執が、言霊となって私を縛る。むにゅ……後ろから
回された太い腕が、私の胸を包む……宮司さまの言葉に合わせて、強く、弱く……
「……あ……あうっ……」
 べろり……前に跪いた誰かが、お腹に舌を這わせて……くぅっ!……おへそに舌を潜り
込ませようと。
「……んっ!……くぅっ……だめ……」
 耳を塞ぐことができない……一方的に呪われて……はぁはぁ……ぬちゃぬちゅ……暑い
……
 耳の穴にも……むぐっ……口も塞がれて……頬を押されて、口を閉じることができない
……ぬちゅぐちゅ……ぐぅ……喉の、そんな奥まで、嘘……びちゃぬちゃ……舐め回され
て……
 どろり……くぅっ!……なに気持ち悪いっ……服の上から、全身にどろりと生暖かい物
が掛けられた……ぬちゃぬちゅ……にゅちゅ……何本もの手で擦り付けられて……ああっ
……やだぁっ
「……うっ……ぐふぅっ!……ぶはぁっ!……ああっ!……ひあああぁぁっ!」
 ぎくんっ なにこれ熱いっ 苦しい。ぬちゅぐちゃぬちゅ……おっぱいもみくちゃにさ
れて、ぢゅるるくちゅっかりっ……きゃうっ!……噛み潰されて……ああっ!
 びりり……袴が引き裂かれて……ぬちゅり……ふああぁっ!……擦り付けられた途端に、
あそこがかっと熱くなって……あううっ ひぃっ!……腰が、勝手に がくがくと跳ねる。
ぬちゃり……なのに、指が追いかけてくる。くはぁっ!……あぶっ……口に突きつけられ
た器 から 甘ったるいどろどろ……いやっ……頭を押さえられて、上を向かされて……
んぶぅっ ぐふっ……んく……ぅ……
 息を止めようとし……むにゅ ぬちゃ……ひゃうっ! おっぱいを芯まで揉みくちゃ…
…あ……どろ……喉の奥に……
 ぐちゅり……ぬちゃちゅぶちゅ……ぐちゅ……私の身体が……ぬぷっ……やぁっ!……
あっ!……ぬぷり……ひいぃぃっ!……



 霞む目……目の前に宮司さま……どうして裸……ぴと
「……っ!……な、何…………宮司さまっ! だめです 堪忍してくださいっ!」
 それだけはやだぁっ! だって、そんな……私の腕よりもおっきい……びくんびくんっ
て……
 「……ぁ」
 めりっ……て……息が詰まった。ただ、涙が止まらなくて……べろり……宮司さまの舌
に舐め取られた。
 ……逃げられないって 分かった
 少しでも身体を浮かせようとしてた腕から、力が抜けた。ずぶずぶ……ぎゃ あっ!…
…裂けちゃう でももう止まらない……ずぬっ……ぐはぁっ! 突き上げられた。ごりご
きごきっ……骨盤が軋む……もう無理 なのに、両側から、腕に手が掛けられた……身体
が、ほんの少し浮いて……一気に突き降ろされた――



「……ああぁぁ……ふわあぁぁ……」
 ぐちゅっぬちゅじゅぶっ……ぐちゅぬぶっ……
 まえと後ろから 交互に いっしょに突き上げられ て がくっ がくん
 どびゅっ びゅぐっびゅっ
「……あ……あふいぃ……」
 今度はお尻ぃ……ず…るる……じゅぼっ……抜け出した後、どぼどぼとお腹の中のがあ
ふれだし……てるのに、いれちゃやだぁおなかいたいのぉ……めりぬぶぶぐぶぅっ
「……かはっ!……あがっ……ひっ……ああっ!」
 はじける あたまのなか ぐちゃっぐちゅっ……い……あ……あっ……ぬちゅぐちゅ…
…ああっ!……じゅぶっぐちゅぬぶぐちゅっ……ああああぁぁぁっ!!……



「……皆、ご苦労であった。この神檻なれば、この国の運気を大きく盛り上げてくれよう」
 おお と、疲労を感じさせつつも明るい声が起こる。
 いいな……みんなたのしそう……
「では、本尊に据えようぞ」
 ぐい 両腕をとられて、身体が浮き上がる。本尊?……あれかな? きらきらしてるの
……きんいろの、大きな鶏さん。
 跨ぐように持ち上げられて……あ……鶏さんの背中に、大きなこぶが二つ 腕よりも太
くって……びくん、びくんって。
 あれ? 向こうにも金色の像がある……大きな お猿さん……その前に蹲ってる人がい
る……こっちに顔を向けて……誰だっけ 知ってる……ええと……鈴菜さまだ
 何だろう、鈴菜さまの口から、ずるって太い棒みたいなのが出たり引っ込んだりしてる。
 すぅ……ぴとっ
 ひゃうっ……お尻に、すごく硬くて熱いのがさわったっ……さっきのこぶ……めりみき
……い……めきごきぶぢぶぢぃっ!……いぎゃあぁっ! いたいいたいっ! でも、声出
なかった だって

 ごぎごりめき……ごぼぉっ

 おしりから口まで……串刺しにされちゃったから……
 ず……ずずっ……ずぶぶっ……ずごごごっ……うごぉっ!……体の中をぐちゃぐちゃに
っ……死ぬ……
 あ……鈴菜さまと目が合った……教えてくれた……死ねないんだって。
 だって、私たちは……神さまの檻だから……これからずうっと……こうして……ここで
……

 いつまで……も……



Fin







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