(銀河の姫君)ギャラクシー・プリンセス♪(2)

ムーンライズ


数日後、将軍は帝国と敵対する反乱軍の基地を急襲した。
 将軍と対峙した反乱軍の司令官は、怒りを込めて銃の引き金を引く。
 「皇帝の腰巾着めっ!!貴様などに・・・我々は帝国に屈しないぞっ!!」
 しかし、恐るべき戦闘力を誇る将軍にとって司令官は敵ではなかった。
 赤い刃がきらめき、司令官の両腕が切り落とされてしまった!!
 「ぐわああっ・・・うでが、うでがあ〜っ!!」
 「フッ、未熟者め。わしを倒すなど100年早いわ。」
 不敵に笑った将軍は、司令官を掴んで無理やり引き起こす。
 「さあ来るのだ、お前は皇帝陛下のために役立ってもらうぞ。」
 「役立つって・・・わ、私をどうするつもりだっ。」
 首都に連行された司令官は、銀河皇帝の前で虜囚の辱めを受ける羽目となった・・・
 皇帝の住まうインペリアル・パレスに連れて来られた司令官は、苦悶の表情を浮かべて呟く。
 「くそっ、私に生き恥を晒させるつもりか・・・極悪皇帝め・・・」
 だが、怒りと憎しみを込めて目を開けた司令官の前に現れたのは・・・美しきお姫さまだった・・・
 この世の者とは思えないほどの美しさと、そして慈しみに満ちた姫君を前にして驚愕する司令官。
 「な、なんだこのお姫さまは・・・ま、まさか・・・このお姫さまが・・・?」
 ボロクズ状態の司令官を、慌てて抱き起こすギャラクシー・プリンセス。
 「・・・ああ、なんて酷い目に・・・痛かったでしょう。」
 司令官の顔を抱きしめたギャラクシー・プリンセスは、平然と立つ将軍に向って叫んだ。
 「ひどい事はしないと約束したではないですかっ・・・腕を切られたら痛いですわ・・・」
 「その者が陛下の御心を受け入れなかったゆえに止むを得ませんでした。どうか陛下の御慈悲にて、その者を救って頂きたく願います。」
 ・・・その者を救う・・・将軍の言葉に、心優しきギャラクシー・プリンセスは速やかに反応した。
 彼女は女神のように優しく、そして慈悲深い・・・
 目の前の困った者を助けずにはいられないのだ。
 「・・・今すぐ助けてあげますから・・・ケガを治してあげますから・・・」
 ギャラクシー・プリンセスに秘められた力・・・それは癒しの能力だった。彼女の肌に触れると、如何なる傷も癒されるのだ。
 可憐な舌で、唇で・・・傷口を舐める。そして服を脱ぎ、美しく豊満な乳房で司令官を抱擁した・・・
 切断された両腕の傷口が、みるみるうちに塞がっていく。
 姫君の麗しい唇が、放心状態の司令官の唇と重なった・・・
 心優しいお姫さまは、涙を流して呟く。謝罪と慈愛を込めて・・・
 「・・・ごめんなさい・・・あなたは何も悪くありませんわ・・・あなたは心良き人・・・悪いのは私だから・・・許して・・・」
 慈悲の涙は司令官の心に(激しい萌えの)愛を目覚めさせた!!
 「おお・・・おおお〜っ、優しいお姫さま〜♪わ、私はなんと愚かな過ちを犯していたのかっ。こんなに美しくて優しい御方を極悪皇帝などと思っていたなんて〜(涙)。」
 痛みや憎しみが消え去り、感涙を流して(悦ぶ)司令官の顔を見て、ギャラクシー・プリンセスは安堵の笑みを浮かべる。
 「・・・泣かないで、もう誰もあなたを苦しめたりしませんから・・・」
 無垢で疑う事を知らぬギャラクシー・プリンセスは、もうこれで司令官が無益な戦いをしなくて済むのだと信じていた。
 優しいから、疑う事ができない・・・純朴だから、信じる事しかできない・・・
 しかし、司令官を抱きしめるギャラクシー・プリンセスは知らなかった。
 自分の背後で、将軍が闇の笑いを浮かべているのを。そして・・・司令官はもはや手の施しようがないほど萌えに狂ってしまったと言う事も・・・(O.O;)

 なぜギャラクシー・プリンセスは(癒しの能力)を身につけているのか?そして、彼女はなぜ多くの者を見境なく萌えさせてしまうのか?
 実は・・・ギャラクシー・プリンセスには、闇に秘められた(萌えの)過去があったのである・・・
 彼女の父、先代の銀河皇帝は極悪非道の暴君であった。
 強欲だった先代皇帝は、征服した星々の姫君を強制的に連行し、性欲の限りに犯し尽くしていた。
 そして孕ませた姫君から女の子だけが産まれるように処置を施し、さらに我が子を萌えお姫さまに(造り上げ)て、玩具として弄んでいたのである。
 おびただしい数の萌えの姫君が(造られ)、そして闇に堕とされた・・・
 人道を無視した遺伝子操作、および非情な改造手術・・・その悪魔の所業の果てに、究極のお姫さまが完成した。それが・・・このギャラクシー・プリンセスなのである。
 数多くの姫君や(姉達)から受け継いだ完璧なる美しさと優しさ、そして純真なる魂を宿した(愛娘)に、先代皇帝が激しく萌え狂ったのは言うまでもなかった。
 姫君の身体が朽ちぬよう、どれだけ陵辱されても自己修復する(癒しの肉体)に改造し、さらには極悪な性教育を施して、(最高級の玩具たるお姫さま)に仕上げてしまったのだ。
 先代皇帝は(愛娘)を永遠に弄ぶ事ができる(楽園)を建設しようと、帝国のあらゆる財を使い尽くした。
 萌えお姫さまの(製造)と(楽園)の建設に、星一つを丸ごと買えるほどの財が費やされたのだが、そんな愚かな悪行が長続きするはずもなく、ついには無様な自滅と言う結末によって、極悪皇帝は自らの人生に幕を閉じてしまったのだ・・・
 だが皇帝の崩御によって壊滅するかに見えた帝国は、新たに後を継いだ二代目皇帝・・・ギャラクシー・プリンセスによって大復活を遂げたのだった。
 無論、非力な姫君が1人で皇帝として成り上がったわけではない。
 先代皇帝の側近であった将軍が、先代皇帝を遥かに凌ぐ力を駆使して、姫君を玉座に据えたのだった。
 無論、この完璧なる美しさと優しさを持つお姫さまに、帝国の全員が萌えの忠誠を誓ったのは言うまでもない・・・
 自身はもちろん、助かる見込みのない者まで復活させてしまう癒しの能力と、あらゆる者を萌え狂わせる力を持った二代目皇帝によって、完璧な統治がなされた帝国。
 しかし・・・この帝国に本当の意味の平和が訪れたわけではない。
 先代皇帝の時よりも過酷な独裁と侵略があったからだ。
 そして悪しき侵略の責務は、将軍に操られているギャラクシー・プリンセスの小さな肩に、重くのしかかっているのであった・・・(^^;)

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