*A week・第3日目(8)

T.MIYAKAWA



「イヤだ、いきなり何を言い出すんだ!」
 そう言いながら王子は猛反発をした。
 これ以上スカーレットの言いなりになりたくないと必死に抵抗をしてきた。
「そんなにイヤなの?」
 王子のこの抵抗に、スカーレットはさっきまでとは違い、冷ややかな表情で尋ねてきた。
「だったら、ベッドから出てこの部屋から逃げればいいんじゃないのかな?」
「……。」
 スカーレットの意見に王子は黙っていた。
 王子も本当は逃げたかったのだが、体が動けないかったからである。
「それとも、本当はして欲しいからそこにいるのかな?」
「違う、そうじゃない!」
 この質問に王子はやや投げやりな言い方で答えた。

「じゃあ、どこが違うのか教えて欲しいわね?」
 王子の反抗的な態度にカチンときたのか、スカーレットは上体を起こしてきた。
「ココはこんなになっているのに、何がイヤだって言うの?」
 スカーレットはそう言って、両腰に手を当てながら王子の下半身を見下ろしていた。
 王子の股間は勃起していて、天井に向かって大きく突き上げていた。
「それは僕に無理矢理飲ませた薬のせいなんじゃないのか?」
 そう言って、王子はスカーレットに負けじと反論した。
「本当は嬉しいんじゃないのかな?
 だって、今朝私を待たせている間に他の娘の覗きなんかしてたんだもの。」
 王子を見下ろした状態でスカーレットは話を続けた。
「それとこれは違うんじゃないのか。」
「どうかしらね。」
 王子の言葉にスカーレットは聞くつもりが無かったのか、耳を貸そうとはしなかった。

「いずれにせよ、君が何と言おうと私はやらせてもらうからね。」
「ヤダよ、やめてよ!」
 迫ってくるスカーレットに王子は叫びだした。
「やめてほしいなら、やってごらん。
 私を追い出せるものならね。」
 スカーレットは王子の勃起した股間を握りながら、やめる気配はなかった。
 やがてスカーレットは自分の腰を王子の下半身の方へと沈め始めた。
「待っていたのよ、この瞬間をね。
 プラムも本当は好きな人としたかったのでしょうね。」
 そう言いながらスカーレットは王子の体と密着させた状態で自分の腰を動かしていた。
「あの子は失恋してそのまま泣き寝入りしていたけど、私は違うわよ。
 私はどんな事があっても、欲しいものを手に入れる事にしたの。
 だから、あなたの童貞も必ずもらうからね。」
 そう言ってから、スカーレットは密着していた体をスライドさせて腰の動きも前後、
上下へと変化させていった。
「や、やめて…。」
「恐いのはわかってる。
 私も初めてだもの。
 お互い、初めて同士仲良くやりましょう。」
 スカーレットの腰の動きが激しくなるにつれて、王子の我慢も限界に近づいてきた。
 少しでも気を許すと、王子はすぐにでも射精しそうな状態になっていた。
「も、もうダメ…。」
「そう、じゃあ2人一緒にね。」
 スカーレットのこの言葉を合図に2人はほぼ同時に果ててしまった。
「フフ、王子様の童貞もらっちゃった。」
 満足げな顔でスカーレットはポツリと呟いた。

「王子様、とっても良かったわよ。」
 スカーレットはそう言いながら、ぐったりしている王子を自分の方へと抱き寄せた。
 王子の顔がスカーレットの両胸に押し付けられる形になっていた。
「本当に嬉しかったわ。
 私の初体験の相手が君みたいな人だというのが。」
「……。」
 王子はスカーレットの話をうつろな気持ちで聞いていた。
「今日は付き合ってくれて、とても楽しかったよ。
 また機会があったらまたやりましょう。」
 スカーレットはそう言って王子の頬にキスをしてから眠りに就いた。
 王子はスカーレットの胸の中で眠る形になっていた。
 スカーレットの童貞を奪われた王子はそのまま彼女と一夜を過ごす事となった。


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