*A week・第2日目(3)

T.MIYAKAWA


 天海が戻ってきたのを知った王子は、さっきまでむき出しにしていた股間を
慌ててパンツの中にしまいこみ、ズボンを急いで履き直した。
 「おかしな格好をしてますけど、どうかしましたか?」
 「な、何でもないよ。」
 天海の質問に王子は身をかがめた姿勢のまま答えた。
 勃起した股間がまだ収まらなかったため、ズボンを履いていても隠しきれなかった。
 そのため王子はそれを隠すため両足ではさんだ姿勢をしていたのだ。
 天海がいない間にしていた行為を気付かれては大変だと、王子は落ち着いては
いられなかったのだ。
 「そう、それならいいけどね。」
 天海はそれしか言わなかったが、その時の顔がまるでお見通しという顔をしている
のを見て、王子は思わず視線をそらしてしまった。
 「ところで王子様、ひとつお願いしてもよろしいですか?」

 「え、お願い?」
 突然の天海のお願いにさっきまでうつむいていた王子は顔をあげた。
 すると天海は何も言わずに王子から背を向けて座ると、いきなり着物を脱ぎ始めた。
 「い、一体何を!?」
 「さっきまで巻いていたさらしの跡が痛かったの。
 この薬を塗ってくれるかしら?」
 そう言って天海は驚く王子に薬を手渡した。
 「それじゃあ、お願いね。」
 天海はそう言いながら長い黒髪を持ち上げて背中を王子の方にさらけ出した。
 「…わかった。」
 そう言って王子はおそるおそる手を伸ばして、天海の背中に薬を丁寧に塗り始めた。
 (きれいな背中だな…。)
 薬を塗りながら王子はこう思った。
 「お、終わりました。」
 薬を塗り終えた王子は、天海にそう告げた。
 「ありがとう、おかげで背中が楽になったわ。
 そうだわ、ついでに前の方もやってもらおうかしら?」
 「ええっ!!」
 礼を言った天海は、王子にこんなことを言って驚かせたのだ。
 「フフ、冗談よ。」
 天海は、動揺している王子に笑って答えた。
 冗談だと言われた王子は一安心した。
 「それじゃあ、次は私の番ね。」

 「え、何を言っているの?」
 王子は動揺を隠せない様子で天海に尋ねた。
 「何って、決まっているでしょ。
 今度は私が気持ちよくしてあげるのよ。」
 王子は天海の言葉を理解できずにいた。
 「わかっているのよ。
 あなたがさっき何をしていたかをね。」
「何が言いたいのかさっぱりわからないよ。
 わかるように説明してよ。」
 天海の言葉を聞いた王子は意味が理解できず彼女にこう尋ねてた。
 「王子様、していたのでしょ?
 自分の欲情の処理を。」
 天海は王子の質問にこんな事を言ってきた。
 「どういう根拠があるの?」
 「それじゃあ、私が戻った時なんであんな格好してたのかしら?」
 天海は王子の質問にこんな言葉で返した途端、王子の両足を押さえ込み、開脚させた。
 「あら、こんなに大きくしちゃって。
 でも隠す事なんてないのよ。
 だって私の体に反応していたんですもの。
 私からして見れば嬉しいくらいよ。」
 大きく膨張している王子の股間を見て、天海は思わず笑顔になっていた。

 (…やっぱり、知っていたんだ。)
 今の天海の言葉に、王子は自分がさっきまでしていた行為を、天海にあっさりと
知られてしまった事にショックを受けたのだ。
 「我慢し続けると身体に悪いわよ。」
 天海はそう言いながら、笑顔で王子の方を振り向いた。
 「うわっ!」
 王子は天海が振り向いた時の姿を見て驚いた。
 というのも、天海が着物をはだけて上半身が裸体という姿をしているからだ。
 その姿に驚いて後ずさりをする王子を天海は体全体を覆いかぶさる形で押さえ込んだ。


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