バラステア戦記

第十七話

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「ゴアアアアアアアア!!」
突如として現れた巨大な暗黒竜がソード・ロックへ地獄の炎を放射する。
「ぎゃあああああ!」
「ひいいいいいいい!!」
「もうだめだ!助けてくれ!」
一気に大勢のアイルランガ兵が炎につつまれる。さすがのアリアもあまりに強大な敵を前
にして呆然と立ちつくしてしまう。
「ゴアアアアアア!!」
ブラック・ドラゴンが堅い鱗に覆われた巨大な尾を振りまわしてソード・ロック要塞を破
壊していく。兵たちは逃げまどい、すでに戦意を失ってしまっている。
(もはやこれまでか)
アイルランガ王宮が落ちたというのが本当であればこの要塞に立てこもることも全くの無
意味である。アリアはこの戦の負けを悟った。そして自分の戦いの人生が終わろうとして
いることも・・・。
「将軍!ここはもうだめだ!一時逃れて再起を計ろう!」
「リュウ、おまえはなるべく多くの兵を連れて脱出しろ。あたしはここで終いにする。・・
・おまえにこの体を慰められたことは忘れないよ」
「将軍・・・・・!」
アリアは一瞬リュウを抱き寄せると、別れのキスをした。
「おまえは生き残るんだ」
「将軍・・・・!」
そう言うとアリアは、ブラック・ドラゴンに向けて大剣を構えると要塞の城壁から跳躍し
た。そしてブラック・ドラゴンの燃えるように赤く光る目に大剣を突き刺した。
「ゴアアアアアアアア!」
ブラック・ドラゴンが苦しみ悶えて長い首を振り回して暴れ出した。アリアは宙高く放り
出されると、バラステア軍の真っ直中へ落ちていった。
「今だ!アリアを捕らえろ!」
「敵将だ!敵の女将軍だ!」
アリアは既に意識を失っていたが、バラステア兵達は腕から足から何重にもきつくアリア
を縛り上げてしまった。
「将軍ーーーー!!」
轟音と共にソード・ロック要塞は崩れ落ちてゆく。あまりに強大なブラック・ドラゴンの
破壊力であった。
(これで終わった)
クレファーは無表情なまま引き上げていく。皇帝の命により彼はまた一つの国を滅ぼした
のだった。


両国の戦はバラステア軍の圧勝に終わった。ソード・ロック要塞は破壊され、立て篭もっ
ていたアイルランガ軍は壊滅した。王宮も陥落し、新たな王にはクレファーと内通したゼ
ルがその野心を果たして王となった。
「敵の将軍だ!」
「犯せ!犯しちまえ!」
両手を後ろに縛られたアリアが敵軍の中を連行されていた。
「ざまあみろ!女の癖に戦なんかしやがるからだ」
「犯っちまえ!」
バラステア兵達が野次を飛ばす。捕らえられたアリアは、体中傷だらけで血と埃にまみれ
ている。捕らえられた敵将として、アリアはクレファーの前に連行され、跪かされた。
「アリア・レンハルト、戦は我々の勝利に終わった。 もうあきらめることだな」
「・・・・犯せ!好きなだけ犯して殺せばいい」
アリアは女将軍として覚悟は出来ている。敵に捕らわれればどうなるかは戦の常として充
分知っている。
「いや、貴様は殺さぬ。私の妻となれ」
「・・・・何だと!?」
あまりにも以外なクレファーの言葉に、アリアは動揺した。
「このクレファー・ロロイ、女に心を動かされたのは初めてだ。私はおまえを妻とする」
「何をふざけたことを」
アリアはクレファーの言葉を一笑に付した。
「あたしは今までバラステアとの戦いの人生であった。おまえの妻になるくらいなら死ん
だほうがましだ。あたしが気に入ったなら好きにすればいい。そして気がすんだら殺せば
いい」
「ふん・・・・いつまでそう強がっていられるかな・・・・・?」
アリアとクレファーの目が合った瞬間、アリアはそのクレファーの黒い瞳に吸い込まれそ
うな感覚に陥る。そして突然例の発作が疼きだしたのである。
「くうう・・・・・・」
アリアはそのことをクレファーや周りで見ているバラステア兵達に気付かれまいと必死に
我慢するが、全身は小刻みに震えだし、額から大粒の汗がしたたり始める。
(こんな時に・・・・なんと呪わしい己の体か!!)
理性で我慢しきれるものではない。これはクレファーがアリアにかけた魔法の効果であり、
女はこうなるとなりふり構わず男を求めずにはいられない。
「あううううう・・・・・」
まるで中毒患者の禁断症状のようにアリアの体は激しく男を求めている。
「アリアよ、男が欲しくてしようがあるまい。私の妻となるならばその体の疼きを私が満
たしてやろう」
「・・・・殺せーーーーー!!・・・あううううう・・・・私を・・・・殺せーーーー!
クレファーーーーー!」
アリアは残った理性で激しく叫んだ。しかしその体は快楽の虜として落ちていこうとして
いる。アリアはこの発作が起こる度に、リュウに体を慰めさせてきた。その時の快感はア
リアが今までに体験したことのない、女としての性の極みであった。アリアの体にはその
時の絶頂の記憶が深く刻まれているのである。今再びアリアはその時の歓喜の感触を淫ら
に求めているのである。
「あああああ・・・・・うううううううう・・・・・・」
アリアの我慢も限界に達しようとしていた。
「さあ・・・・・アリアよ、我が妻となるか?さすればその体に存分に快感をもたらして
くれようぞ」
アリアの理性は崩壊した。残っているのは一匹の淫らな雌としての感覚のみであった。
「・・・・妻となる・・・妻となります・・・ああああうううう・・・だから・・・・お
願い・・・ううううう・・・・ああああ・・・・早く・・・早く私を慰めて・・・・・あ
あああああ・・・お願い・・・早く・・・・入れて・・・・入れて・・・・・・!!!」



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