魔戦姫伝説(アンジェラ・閃光の魔戦姫15)


  第68話  アントニウス、ブレイズ・・・愚か者達が屠られる時。
原作者えのきさん

 首都の広場で乱ちき騒ぎが起きている頃、歓楽街の風俗店を借り切って遊んでいたアン
トニウスとブレイズは、戦利品が大盤振る舞いで蒔かれている事を聞いて大慌てした。
「あ、アントニウス君っ。大変でやんすよっ、早く広場に行かないと戦利品がなくなる
でやんすっ。」
「ほえっ?な、なんで戦利品を?帝様に献上するんじゃないの?」
「それが帝様は、戦利品を仲良く分けろと仰られたそーでやんすよ、だから早い者勝ち
でやんすからして〜☆」
 大喜びするブレイズだったが、アントニウスは少し疑問を感じていた。
「う〜ん、あの帝様が(仲良く分けろ)って・・・なんかおかしいけど〜。」
 首を傾げるが欲のほうが優先したので、ブレイズの後を追う事にしたのだった。
 店の入り口では、ブレイズの弟子達も待っている。
「師匠〜、アントニウスさーん。早く早く〜。」
「そんなに急かさないでくれでやんす。慌てる何とかは、もらいが少ないって言うでや
んすから・・・」
 ブレイズが慌てて外に出た。すると・・・なにか異様な物体にぶつかって転んだ。
「あいたた・・・誰でやんすかっ、こんなとこに・・・あれ?」
 それに見覚えがある、ブレイズ自身が造ったアリエル姫凌辱の像であった。その像が、
ブレイズ達を店から出さぬように入り口を塞いでいたのだった・・・
 
 そしてアントニウスも出て行った店の部屋では、マスターとボーイが後片づけを始めて
いた。
 マスターやボーイ達も戦利品を漁りに行きたいのだったが、店をほったらかしにもでき
ず、渋々居残っていたのだ。
「やれやれ・・・下っ端は辛いぜ。貴族達に戦利品を横取りされるのを、指くわえて見
てなきゃならねーんだからな。」
「仕方ないっすよマスター。こうなったら客に愛想して、その分料金を多い目に貰っち
ゃいましょう。」
「それもそーだな、あの客人も戦利品をせしめたら店に戻って来るだろう。それまでに
(天使ちゃん達)の用意でもしておこう。」
 そう言ったマスターは、ボーイに命じて(天使ちゃん達)の用意をさせる。
 その天使ちゃん達とは・・・先のミュージカルで、凌辱の舞いを踊らされていた天使達・
・・レイラ、キャスリーン、そして凌辱モデルをやらされていた美少女であった。
 ブレイズとアントニウスは、懲りることなく3人を辱めようと企み、この風俗店に連れ
込んでいたのだ。
 店の奥に監禁されていた天使達を、ボーイが強制的に引っ張って来る。
「おら、さっさと来るんだ。」
 自在香の影響は消えているが、まだ完全に身体が動かない。風呂場に連れて来られた3
人は、無理やり服を脱がされ、シャワーを浴びせられる。
「きゃあっ、何するの、冷たいっ。」
「文句言うんじゃねえっ。きれいに洗ってやろうってんだ、ジタバタすんない。」
「い、いや・・・触らないで・・・」
「へっへっへ〜、どこから洗ってやろうか?尻か、オッパイか〜。」
 ボーイ達は乱暴に3人を洗い、そして淫乱な感情を露にする。
「ミュージカルで犯られて悶えてたそーじゃねえか、俺達もイジメやるぜ〜。」
「お願いですっ、私達をイジメないで・・・」
 見境ない彼等の欲望に晒され、3人の天使達は極度に怯えていた。
 ボーイ達は、自分達の所業が客人に知られぬよう、天使達に脅しをかける。
「俺達に犯られた事を客人にチクるんじゃねぞ。もし喋ったら・・・わかってるよなあ、
あんっ?」
「は、は・・・い。」
 ブルブル震えながら頷く天使達。一番強気であったレイラですら、もはや抵抗する気力
もないほど怯えている。
 彼女達が抵抗できない事を確認すると、ボーイ達はズボンを下ろして凶悪なイチモツを
天使達に突き付けた。
「さあ〜、御奉仕してもらうぜ〜♪」
 天使達が絶体絶命となった、その時である。
 
 ---ドォンッ、ドンッ、ドオオ〜ンッ!!
 
 地響きと轟音が連続して轟き、ボーイ達は床に転がった。
 地震かと思って風呂場を飛び出したボーイ達は、アントニウスとブレイズが、真っ青な
顔をして部屋に飛び込んできたのを見た。
「お、お客様。どーなさったんですか?」
「あ、あわわ・・・そ、空からアリエルちゃんの像が降ってきた〜っ!!」
 アントニウスが手を震わせて玄関を指差している。不信に思ったボーイの1人が玄関か
ら出てみると・・・外ではなんと、いくつものアリエル姫凌辱の像が乱立しており、店の
前を封鎖していた。
 どうやら先程の地響きは、像が空から落下した事によるものらしい。像の一つの下には、
上半身を下敷きにされたマスターが、両足をピクピク痙攣させて悶絶している。
 なんで像が・・・そう思う暇は彼等に与えられなかった。
 
 ---ヒュウウウ・・・ズッドオオ〜ンッ!!
 
 今度は店内にアリエル姫の像が落ちてきたのだ。
 そして逃げる暇も彼等には与えられなかった。
 連続して像が落下し、像の下敷きにされるボーイ達。風俗店は無残に倒壊し、周囲は大
量のハレンチな像によって取り囲まれていた。
 逃げ場を失い、抱き合って怯えているアントニウスとブレイズ・・・その前に現れたの
は・・・
 それは・・・魔神だった・・・愚劣なる輩を地獄に堕とす処刑人だった!!



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