魔戦姫伝説(アンジェラ・閃光の魔戦姫)2


  第4話 卑劣なる陰謀と、おぞましき陵辱
原作者えのきさん

 アントニウスを引き込んだズィルクは、早々にガルダーンへと戻り、グリードル帝に詳
細を報告した。
 漆黒に包まれた城の中で、悪の権化グリードルが椅子に座って報告を聞いている。
 「では、振り付け師を裏切らせるのに成功したのだな。首尾は万全か?」
 「はい、全て帝様の御命令どうりに致しましてございます。アントニウスめには監視を
つけておりますから、我等の事が露見する心配もございませぬ。」
 頭を下げるズィルクの言葉に、グリードルは頷く。しかし暴帝は用心深い事でも有名だ。
 ズィルクの報告にも気を緩めていない。
 「ぬかるなよ、今度の戦いこそ我がガルダーンの完全勝利とせねばならん。バーンハル
ドの動きにも注意しろ、リスカー国王が妙な真似をせぬよう見張るのだ。」
 「ははっ、承知しました。」
 バーンハルド王国・・・この国はノクターンと親密な関係にあるのだが、グリードルは
ノクターン攻略を確実なものとするために、バーンハルドの姫君を人質に、派兵を命じて
いるのだ。
 拮抗していたノクターンとガルダーンの闘争も、これによって勝敗が決る事は確実とな
った。
 グリードルは、僅かに薄笑いを浮かべ、グラスのワインを飲む。
 「フフフ・・・今度こそノクターンを、マリシアを我がものに・・・そうだ、勝利の前
祝にリスカー国王の娘を嬲ってやろうじゃないか。」
 狂気を孕んだその言葉に、ズィルクは嬉々とした顔を浮べた。今まで多くの女がグリー
ドルに嬲られているのを見てる筈だろうが、なぜか(リスカー国王の娘)に強く反応して
いる。
 「おお、それは良きにございます・・・で、また帝様が御直々にでしょうか?」
 「いや、今回はズィルク、お前にやってもらおう。いつもいつも女を調達してくれてる
のだ、少しはお前にもお裾分けしてやろうじゃないか。」
 すると・・・陰険なズィルクの表情が狂喜に震えた。まるで、食い物を前にした餓鬼の
如き形相で・・・
 「お、おおお〜っ、う、嬉しゅうございます〜っ。リスカー国王の娘を嬲らせて頂ける
とは・・・感謝感激でございます〜っ。」
 大げさに頭を下げ、感激を表すズィルクを見て、グリードルはニヤリと笑った。
 「あの娘はお前好みだからな。どんな手を使っても構わん、俺の前でヒイヒイ言うまで
可愛がってやれ。」
 「ええ、それはもちろん・・・しかし、どうして私などにリスカーの娘を?」
 疑問はもっともだった。いつもなら自分自身か、強姦専門の下僕どもに嬲らせているの
に、今日に限ってズィルクに命令したのだ。
 「フッ、お前は可愛い小娘をメチャクチャに虐めるのが趣味だそうじゃないか。今まで
小娘を何人誘拐して壊したんだ?」
 グリードルに鋭く指摘され、ズィルクはギクッとする。どうやら、裏でかなり疚しい事
をしているらしい。
 皺だらけの顔をブルブル振って応える。
 「め、め、滅相もございません・・・ほんの30人・・・じゃなかった、誘拐などして
おりませんよ、孤児の娘を金で・・・でわなかった・・・ああ、帝様の千里眼にはかない
ませぬ、平に御容赦を。」
 平謝りするズィルクを見て、暴帝は大声で笑った。
 「何を謝る必要があるンだ?小娘の30や40、お前が何をしようと知った事か。それ
にあの小娘、俺の事を外道だとかぬかしやがった・・・思い知らせる必要がある、徹底的
に嬲ってやれ。」
 頭を上げたズィルクは、再び嬉々とした顔になって喜ぶ。陰険な表情がさらに邪悪さを
帯びている。
 「それはそれは・・・帝様に対する無礼許すまじ、私めがきつくお灸をすえてやりまし
ょうぞ。」
 そう言うと、後ろに控えている手下に命令を飛ばす。
 「おいっ、今すぐわしの屋敷から(道具)を全部持って来いっ。それと(あれ)も連れ
てくるのだっ。」
 (あれ)との言葉に、手下が驚愕する。
 「あ、あの・・・(あれ)って・・・あれですよね?あ、あ、あの危険な奴を連れてく
るのですか?」
 「そうだっ、速攻で連れて来いっ、大至急だーっ!!」
 「は、はいーっ。」
 脱兎の如く屋敷に向った手下を見送り、揉み手でグリードルに向き直るズィルク。
 「失礼をば致しました。なにせ私の遊びは特別ですゆえ・・・」
 「なんだ、道具ならいくらでもあるぞ。それに(あれ)とはなんだ?」
 「それはですね・・・」
 薄笑いを浮べてグリードルに陵辱の内容を話すズィルク。
 「・・・で、ございまして・・・(あれ)に嬲らせるわけです。」
 「ほう、それは楽しみだ。そんな奴の強姦とは、俺も始めてだ。」
 強姦や陵辱の限りを尽しているグリードルですら知り得ぬ陵辱の内容・・・それはかな
り常識を逸したものであると推測される。
 やがて屋敷に向った手下が、大勢の召使いを引き連れて戻って来た。
 召使い達は、陵辱道具の入った箱と、何やら毒々しい模様の壷や、大きな竹カゴを抱え
ており、そして・・・その壷や竹カゴの中から、ゴソゴソと異様な音が響いてくる。
 「ご主人様、全て用意できました。」
 「おお、待ったぞ。すぐに部屋へ運べ。」
 召使いに命令し、ズィルクは壷やカゴの中身を説明した。
 「帝様、この中に(あれ)が入っております。どうか近付きにはなりませぬよう、狂暴
な奴らでございますからね。」
 「フッ、狂暴・・・か。俺よりも狂暴か?」
 「ええ、それはもう・・・」
 互いに薄笑いを浮べた2人は、リスカー国王の娘が囚われている部屋へと向った・・・
 
 その部屋は、グリードル帝が婦女子を陵辱するために特別に設けた部屋で、人質を軟禁
するとかに使われる事はない。
 しかし、その日は特別だった。
 人質であるバーンハルドの幼き姫君・・・ローネット姫と侍女が、その部屋に囚われて
いた。
 しかも、その扱いは奴隷以下ともとれる扱いであった。
 寒々とした部屋に、薄いドレスだけの姿で囚われているローネット姫と侍女。2人はト
ゲのついたカーペットの上に座らされ、逃げられないよう拘束されている。
 グリードルに暴言をしたとの事で、悲惨な扱いをうけているのだった。
 カーペットのトゲは、正座している2人の素足や尻に容赦ない苦痛を与えており、姫君
を庇う侍女が、少しでもローネット姫が痛くないよう、両足をローネット姫のお尻の下に
さし込んでいた。
 「れ、レティー、もういいわ・・・あなたも痛いでしょ?私なら大丈夫だから・・・」
 「あっ、うう・・・いいえ・・・私の事は気になさらずに・・・あ・・・」
 健気にローネット姫を庇う侍女のレティーだったが、か弱い少女の事、到底耐えられる
筈もない。
 ローネット姫も、レティーと替わってあげたかった。傷つくレティーの苦痛を和らげて
あげたかった。
 しかし、自由を奪われた状態でできる事はなく、ただ耐えるしか術はなかった。
 今まで穏便な生活を送っていたローネット姫にとって、これは地獄の拷問とも言えるこ
とだったが・・・しかし、姫君の想像を遥かに超えた地獄が迫ろうとは、思いもよらぬ事
だった。
 コツン、コツン・・・
 死刑執行人の足音の如く、グリードル達の足音が部屋に近づく。
 そして、地獄が部屋に入ってきた。
 「ほう、泣いていると思ったが、結構がんばるじゃないか。可愛い顔して辛抱強い娘だ
な、ローネット。」
 嘲笑うグリードルの声に、ローネットは勇気を振り絞って暴帝を睨んだ。
 「誰が泣くものですかっ、これ以上レティーや父上を苦しめると言うなら・・・私は舌
を噛んで死にますわっ。」
 辱めを受けるぐらいなら、自ら潔く最後を遂げる・・・幼いながらも、王族としての誇
りは心得ていた。
 しかし、その高貴なる者の心得すら、暴帝にとって姫君を嬲る食材でしかなかった。
 「クックック・・・じゃあやれよ、俺の前で潔く死んで見せろ。リスカーの親父が泣い
て喜ぶぞ?さすがは我が娘ってな〜。」
 「そ、そんな・・・いや・・・」
 父親の名を出され、ローネットは堪え切れず泣いてしまった。
 死を選ぶ事はできない・・・私が死ねば、父上がどれだけ嘆き悲しむ事か・・・
 そして、悲しむローネットを暴帝はさらに苦しめた。
 「ふはは〜っ、そうだもっと悲しめっ。この俺に楯突いた事をタップリ後悔しやがれー
っ!!」
 そう言うなり、非情にもローネットの膝を足で踏みつけた。
 「いいたああああーいいっ!!ひいいっ!!」
 凄まじい激痛が襲う。トゲが、ローネットの膝とレティーの脚に刺さる。
 「うああ・・・ひめさま・・・」
 「やめて・・・レティーをくるしめないで・・・この外道皇帝ーっ!!」
 ローネットの叫びに、グリードルは烈火の如く怒り狂った。
 「なあにぃ〜っ!?また外道とぬかしやがったな小娘っ!!」
 ドカッ!!
 強烈な蹴りが炸裂し、ローネットとレティーがカーペットの外に吹っ飛ばされる。
 「「きゃああっ!!」」
 ゴロゴロと転がる2人の先に、陰険な老人が邪笑いを浮べて待ち構えていた。
 「おお、愛い奴だ・・・まだ初潮を迎えて間がないとみたぞぉ〜、わしの好みだわい。」
 陰険な老人・・・ズィルクの出現にローネット達は恐怖する。
 ズィルクは異常な美少女趣味という性癖をもっており、儚くも幼いローネットとレティ
ーを狂気の眼で見ている。
 「いや・・・こないで・・・」
 苦痛と恐怖の虜となっている2人に、邪悪なズィルクが迫るっ。
 「グフフ・・・お前達を我が家来どもの餌食にしてくれん。壷を開けろっ。」
 その声に、召使い達が壷のふたを開ける。すると・・・
 ――シュー、シュー・・・
 壷の中から異常な音と瘴気が立ち上り、おぞましい生き物が現れたっ。
 「ひ、ひいい・・・へ、ヘビーッ!!」
 絶叫するローネット。壷から現れたのは、鎌首をもたげる無数の毒蛇だったのだ。
 背中を膨らませ、スルスルと壷から這い出てくる毒蛇たち・・・
 「そいつらは只のヘビではないぞ、猛毒を持つコブラだ。一噛みで巨牛を死に至らしめ
る威力を持つ。小娘など一溜まりもあるまいて・・・」
 「あ、あああ・・・」
 顔面蒼白になったローネットは、屈強な召使いによって手足に鉄の枷をはめられ、コブ
ラの群れに投げ出された。
 「た、たすけて・・・」
 残されたレティーは、ローネットを助けようとする。しかし、すぐに召使いに捕まって
しまった。
 「いや、は、離してーっ!!」
 「騒ぐンじゃねえっ。お前はこっちだ。」
 泣き叫ぶレティーを引き摺り、ローネットと引き離す召使いども。そしてズィルクは奇
怪なデザインの笛を手に持った。
 「さ〜あ、我が可愛い家来どもよ。思う存分姫君を虐めてやれ。」
 ――ヒュルールー、ヒュルルー
 不気味な音色を奏でるズィルクの笛。その音を聞いたコブラ達の眼が、凶悪に光る。
 ――シュー、シュシューッ!!
 操られたコブラ達が、一斉にローネットに襲いかかる。
 「いや、いやっ、いやああーっ!!」
 必死で逃げようとするが、手足につけられた鉄の枷によって思うように走れない。
 「あ、あわ、あああっ、ひっ。」
 何度も転びながら部屋中を逃げるローネットを見て、グリードルはゲラゲラ笑い出す。
 「おらおら、さっさと逃げろ〜。早く逃げんとヘビどもに尻を噛まれるぞ〜。」
 コブラ達もまた、ローネットを弄んでいた。1匹また1匹、ローネットの薄いドレスに
飛びつき、鋭い毒牙で切り裂いてゆく。
 「やめてーっ、こないでえーっ。」
 ドレスを切り裂かれる恥辱と、柔肌を掠める毒牙の恐怖が、ローネットをさらに追い詰
めた。
 足は竦み、もはや逃げるどころではない。小便が足元を伝い、床を滑らせる。
 転倒したローネットに、無数のコブラが群がった。
 鋭い牙が、ボロボロになったドレスを残らず食い尽くす。そして、下着も全て・・・



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