リレー小説2『魔戦姫伝説』


 第1話 サーヤの初陣.5
山本昭乃

 
 サーヤたちが連れ去られてから三日が過ぎた。
 きたならしいケダモノたちの饗宴は、まだ続いていた。

「おおっ、おおおおっ!!」
 男がサーヤの顔に何度も腰を打ちつけ、引き抜く。
「はぁ....」
 半開きになったサーヤの口から、白濁液がどろりとこぼれる。だが息をつくまもなく、
別の男が彼女の口に肉棒を押し込み、歓喜の声をあげる。
「おおっ、こりゃいいぜぇっ、舌がからみついてくるっ!!」
「最初はあんなにいやがってたのによお、まったく淫乱なお姫さまだぜ!!」
 さらに別の男が、後ろからサーヤを犯しながら笑う。
「それにしてもすごいマ○コしてやがるぜ。いくら突っ込んでも全然ゆるくならねえや」
「まったくだぜ、それに引き換えこの前ヤったお姫さまたちはよお.. つっ!!」
 サーヤの口を犯していた男がいきなり肉棒を引き抜く。
「このアマぁつ! 歯ぁ立てんじゃねえっ!!」 大きな手で何度もサーヤの頬を叩く。
「ゆ.. ゆるしてください..」 サーヤはうつろな瞳から涙を流し、
「わたくしはどんなことでもいたします。どうかじじょたちだけはかえしてあげてくださ
い..」
 それを聞いて部屋の中がどっと沸いた。
「バカじゃねえのか? 召し使いなんざ、あいつらがとっくにヤっちまってるぜ」
「おいおい、イカレちまったんじゃねえのかぁ?」
「かまやしねえ、マ○コさえキツキツならよお」
 男たちに侍女の安全を否定されながらも、サーヤは表情を変える事なく、うつろな瞳を
どこへともなく向けたまま、うわごとのように、
「ゆるしてください.. わたくしはどんなことでもいたします。どうかじじょたちだけ
はかえしてあげてください..」
 うつろな瞳、だらしなく開いた口。可愛らしいドレスは胸や下半身の辺りを無残に引き
裂かれ、彼女の汗や男たちの体液でかろうじて貼りついているのみ。
 いまやサーヤは、侍女たちの無事を願う事でのみ、精神の安定を保とうとしているかに
見えた。

 また次の男がサーヤの口に取り付く。彼女の視線が一瞬動いたことに気づかずに。
(・・・・・・)
 サーヤの視線は部屋の隅に向けられていた。そこにはひとりの男が座り込んでいた。
 十数分ほど前に彼女を犯した後、そこに座り込んでからぴくりとも動かない。
(・・・・・・)
 虫一匹殺したことのないサーヤが初めて奪った、人の命。
 だが、
(少し力みすぎましたか.. ベスたちにあわせて、もう少し力を抜きましょう..)
 感傷や後悔の念を覚えるには、盗賊それも名もない三下の命は、あまりにも軽すぎた。



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