kinshishoさんからいただいたCG
いつもいつもありがとうございます設定もいただいておりますのでご紹介します。
 水軍元帥 大勲位功一級 

 伏士見宮 伊紗那(ふしみのみや いさな)

 五親王家の一つ、伏士見宮家の三女として誕生。身長182cm、体重65kg。上から92・60・90。血液型は典型的な日本人に多いと言われるA型。現在皇族軍人のリーダー的存在。
 伏士見宮家は皇室を担う宮家の中でも別格の宮家と言われる。それは、皇国建国以来から残っている唯一の宮家だからであり、また閑令徳院宮家を除く全ての宮家はこの伏士見宮家からの枝分かれだからなのである。
 宮家も全てが建国から続いている訳ではなくここまでに幾つもの宮家が廃絶と創設を繰り返してきている。
 そんな中にあって伏士見宮家は子宝にも恵まれここまで順調に血脈を受け継ぎ、宮家のなかでも最も繁栄した。そのため一見すると最初の子供に見える伊紗那姫ですら六人目の子供である。
 伏士見宮家は閑令徳院宮家と並ぶ武門一族であり、主に陸軍に数多くの皇族軍人を輩出した。
 このため本来なら彼女は陸軍に赴任している筈だった。しかし、とある視察が彼女のその後の将来を決定した。
 そろそろ武官となるべき時期が近付いた頃、父親に連れられて各軍の視察に行ったとき、ふと水軍の兵士たちの表情が印象に残った。
 水軍は上陸作戦を専門とする独立戦闘集団であり、日本皇国の軍事作戦では尖兵役を担う。
 しかし、この時水軍は荒れ放題だった。もともと作戦の性質上、荒くれ者が多く、日々有り余る闘争心を持余すあまり素行不良が目に余って伊紗那姫が着任する以前は組織崩壊寸前の状態。このため規模を大幅に縮小して海軍の傘下に組み入れ、廃止が真剣に検討されていた。
 そんな風評とは裏腹に、伊紗那姫は彼らの悲しげな表情が気になって仕方がなかった。
 伊紗那姫には、こう映っていたのである。
……可哀相、可哀想な男たち……彼らはきっと、自分たちに命令を下すのに相応しい指揮官を待っている……。
 そう、水軍もまたイメージのせいか創設以来お姫様不在の軍種だったのである。ならば、自分が彼らの勝利の女神として君臨しよう。
 水軍の司令官になると申し出たとき、反対に遭うのも覚悟したが、意外にも父親は敢えて反対はしなかった。
 彼女が水軍の司令官として着任した時、その歓迎振りもまた凄まじかった。そして、あれ程手に余っていた荒くれ者たちが、彼女に対して湧き上がる忠誠心を抑えられずにいた。
 しかし、それまでが荒れ放題だったため、着任当初の伊紗那姫の仕事は組織の再編成とイメージチェンジだった。特に伊紗那姫が気にしたのは水色主体の野暮ったい正装だった。これを白と赤を主体とした精悍なイメージに変えた。以後、水軍の正装は皇国軍の正装の中でも一際美しいといわれるようになる。
 次は組織の再編成なのだが、ここで伊紗那姫は考えた。それまで水軍が海軍の添物のようなイメージがあり、このため航空戦力は殆どなく、それを空海陸一体の三次元戦法を得意とする真の独立戦闘集団に変身させようというのである。丁度その頃海軍航空隊が再編成で基地航空隊が余るというのでそっくり水軍に組み入れ、また新兵器の採用にも積極的で、ホバークラフトを始め、皇国軍の中で最初に戦闘ヘリを導入した。また必要に応じて空軍及び海軍の航空戦力の支援を受けられるよう互いの連携にも力を入れた。
 こうして、それまでとは打って変わって水軍は本当の意味での独立戦闘集団となり、また緊急展開能力も随一で、水軍をして自らをミニットマンならぬセコンドマンと称している。
 また、もともと戦闘力の高い彼らは服従すべき司令官を得たことで様々な局面でその精強振りを見せ付けた。
 時として無謀な戦術や自殺行為とも思える行動もあったが、彼女と兵士との間に絶大な信頼があればこそであり、互いにありふれた作戦では満足しないからこそでもある。
 そんな普段の伊紗那姫は和装で過ごすことが多く、つぼ装束を好んで着ている。見かけどおりの典型的な純和風のお姫様であり、時折水軍の荒くれ者たちと茶道や華道などの会合を開いている。そのせいか彼らも随分変わったことは確かで、以前のように酒場で荒れ狂うような不名誉な行為は激減した。
 また、皇族軍人のリーダーとして、他の姫君司令官にとってもよき姉であり、愛璃姫が目標とした存在でもある。普段の装いに和装が多いのもやはり何らかの関連があるものと思われる。
 進路に迷っていた有璃紗姫、飛鳥姫にそれぞれ空軍、国防大臣を勧めたのも彼女である。
 ただ、戦闘時の精悍な印象とは裏腹に、普段は至って雅で呑気な性格で、そのスローライフとマイペース振りで人々を煙に撒くことがしばしばなのが珠に瑕。


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