クレール光の伝説ミッドランド編


第7話


「・・・・きゃああ・・・・いやああ・・・・」
また、あの声だ。さっきより激しく聞こえてくる・・・。

「・・・・うっ!・・あっ!」

 なんということか。エルは全裸だった。おまけに手足の自由が利かない。どうやら縛ら
れているらしい。
「きゃああ!あれえ!」
 部屋の中から、さっきの若い娘の声が聞こえてくる。
 エルは気を失っている間に、着衣の全てをはぎ取られ、後ろ手に縛られていた。すでに
身体のあちこちを強力の舌が手が這い回ったらしく。ぬめっとした、男の唾液や手の感触が身体にこびりついている。乳房は幾たびもコネ回されたらしく。感触が残っている。
 
「くそお!あいつらまたしょうこりもなく!」
エルは、不覚にも気を失っている間に、あの不潔な男たちに体中をまさぐられたと思うと、
無性に腹が立った。

エルは温泉場で襲われた時のことを思い出していた。あの時は逃れた物の、今度は捕らえられてしまったのだ。
幸いにも、乙女の命の部分への辱めは受けていないようだ。

「向こうが先というわけか・・おのれ・・」

戒めを解こうともがくが、後ろ手に縛られていて容易に解けそうもない。
芋虫のように蠢くだけだ

「あんなやつらに・・・」

温泉場での強力達の醜い姿が目に浮かぶ。
オーク達に辱めを受けてはいたが、獣のような奴らといっても強力達は人間なのだ。
こともあろうに毛むくじゃらの下卑た男の手にかかるなど考えたくもない。

男勝りの気質であっても、助けねばならない貴婦人の悲鳴を聞き、次は自分の番と、恐怖にぶるぶると震えている哀れな乙女だった。

不覚にも単身行動をとった自分を戒めながら
「ブライトのバカ・・・どうして肝心なときに」
相変わらずの悪口をつぶやいて、自分を慰めていた

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