廃墟の奴隷市(第3話)


男は、望のくい込んだレオタードの股間に指をはわせる。
「くくく・・・こんなにくい込ませて。気もち良かったか?え・・・・?」
ぐりぐりぐり・・・・。
レオタードの股間はくっきりと、割れ目が見えている。
その筋に従って、男が指をはわせる。

「ううっ・・・・だめえ・・・・・」

股間に刺激が走る。薄手とはいえレオタードとアンダーを穿いているのに
まるで直接さわられているようだ・・。

男はしばらくそうして楽しんでいたが、突然手を止めた。

「・・・・?」

望は、ふうっと息を吐いた。これ以上触られたら気が変になってしまいそうだったからだ。

「・・・おしいが、ここで手を出す訳にはいかないんでね。お前さんは大事な商品なんだ
から」

そういうと、望の縄を解き、改めて後ろ手に縛ると、歩かせようとする。
だが、足に絡まるキャルショーツが引っかかる。

「こいつは俺が頂いておこう・・・・」

「あっ・・・・」

男はキャルショーツを一挙に引き剥がすと、自分のポケットに入れた。
「か、かえして・・・・」
望の言葉は無視して、男は廊下へと連れだした。

「あ、あの・・・」
「・・・・・・・・・」
男は望の言葉には応えない。黙ったまま、望を歩かせる。そこは薄暗い廊下だ。

ここはどこなんだろう?
どこへ連れて行くというのだろう・・・。

望は不安に包まれていた。

それにしてもやたらと長い廊下だ。
まるでホテルのようだ。
それにしては、あちこち、壁にヒビが入り、照明も暗い。
とても営業しているとは思えない。
やがて、つきあたりにドアが見えてきた。

そこから人の声がもれ聞こえる。ホールのようだ。

男は正面のドアからは入らず、横にまわると別のドアが見えてくる。

「・・・どこなんだろう?何をされるんだろう・・・」

望の不安は募るばかりだ。

中に入る。そこはまるで舞台の袖のようなせまい部屋。
男は望を部屋に押し込に座らせると、ドアを閉めて出て行った。
暗くて良くは見えないが、人の気配がする。
すすり泣く声も。

だんだんと目が慣れてくる。

そこにいたのは2人。いずれもバレエチュチュをまとい、望のようにうずくまっている。
一人はオーロラ姫のチュチュを、もう一人は村娘のチュチュを着ている。
望はびっくりした。ここに連れてこられたのはバレリーナばかりなのだろうか?
声をかけようとするが、そばに男がたっているのを見てやめた。
他の2人も望の顔を見て、何か話したそうだったが、やはり見張りの男が気になるのだろ
う。
黙ったままだ。

しばらく沈黙が続いた。

望は、見張りの男のいやらしい視線だけが気になっていた。
さっきのヤンキーの仲間だろうか、へらへらと笑いながら望達を
見つめている。

「・・・へへへ。バレリーナなんて初めておがんだけど。みんなカワイコちゃんばっかり
だね。
あんなおやじどもにくれてやるのはもったいないな・・・・・・」

そうつぶやいたかと思うと近づいてきて腰をかがめて望たちをのぞきこんだ。
「いろいろな衣装があるんだな。こっちはすけすけだし・・。こっちはパンツ丸出しだよ・
・」
望の、透ける衣装に興味を持ったのか、裾をまくり上げる。

「すげえ、こんなにくいこんでら・・・。痛くないのかい・・・それとも・・・」
そう言って望の顔をのぞき込む。
男は望の顔をのぞき込んでひひひと笑った。

今度は、オーロラ姫の衣装の子のツンをのぞき込んだりしている。

「こんなHな衣装で足おっぴろげてるんだ。たまらんね・・・」

望は生きた心地がしなかった。このまま3人ともこの男に?そう思うと身体が震えて止ま
らない。
だが、本番はまだまだこれからだった。

奥から別の男が現れた。

「おい次だ!次の娘をこっちへ・・・・。そうだ、その緑色の女をこっちへ・・・」

指名されたのは望だった。

男に連れられ、舞台へと連れて行かれる。
望は何がなんだかわからない。だが、これから恐ろしいことが待っていることだけは理解
出来る。
さっきの男の言った、『おやじどもにくれてやる』その言葉の意味が。

望は後手の縄を解かれ、突き飛ばされるように、舞台へと送り出された

舞台に上がる、ピンク色の怪しげな照明が目に入った。

舞台下の男達の視線が一斉に集まる。
そのどれもが食い入るように望を見つめている。

突然舞台に音楽が流れ出した。
海賊のメドウーラのソロ。ここに来る前に踊ったばかりの曲。
望は頭が混乱した。だが、幾たびかのレッスンでなじんだ曲。いつしか身体が動き出し。
怪しげな場所だと言うのに、踊り出していた。

「ほう・・・・」

会場から溜息がもれた。どうやら、かなり目の肥えた客が揃っているらしい。
だが、それと同時に、望は全身に淫らな視線が這い回っているのも感じた。
チュチュが広がるたびに、くい込んだ股間に熱い視線が注がれる。
視線を感じるたび、股間に汗とは違うじわっとした感触があふれてくる。

「あ・・・見られてる。私のあそこが。いや、すごくくい込んでいるのに・・・」

恥ずかしさに、逃げ出したい気分。だが、バレリーナとして鍛えられた体は
望の意思とは関係なく踊り続ける。
踊る踊る・・・。
そこにいる客が、たとえ汚れた好色な目で、望の身体を値踏みしているのだとしても。
舞い上がるチュチュが、更にくい込んだ股間を卑猥に演出しているだけだとしても。

バレリーナとして、舞台に上がった望には最高の舞台を勤め上げる努力を惜しまない。
全身を心地よい快感が走り、チュチュの中で、乳首がたって行く。
股間はきゅっとしまり、やがてじわじわとこみ上げてくる。

「はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・・・・」

曲が終わり、ソロを踊り終えた。ダンサーの習性か、お客に挨拶をする。
だが、膝はがくがくと震え、立っているのもやっと。
ただの疲れではない。男達の目にたっぷりと犯されたように思える。
一瞬の静寂が舞台を取り巻き、そして割れんばかりの拍手が上がった。

やがて、入札が始まった。

100、150,200・・・・・。

男達が、次々と高額な値をつり上げて行く。

「なんなの?これは一体・・・。何が始まるの・・・・」

望は、倒れそうになるのを必死にこらえて、立ち上がった。



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