廃墟の奴隷市(第2話)




「きゃああつ!いやああ!」

望は、真っ青になって悲鳴を上げる。
目の前に若い獣たちの、そそり立つ肉の欲望を見せつけられて。
ぶるぶる震えた。

望は、まだ処女だった。
まがりなりにも、良家の子女として生まれ。
親からの支援もあってバレエ一筋の人生を送ってきた。
20歳の現在であってもそれに代わりはない。
性欲がないはずもない、共演する男性ダンサーの股間に
目がいくときもある。女性らしいあこがれや、性の知識もない訳がない。
だが、忙しい毎日がそれを押さえていたのだろう。

だが、目の前にあるヤンキー達のペニスは、そんな望の鑑賞を吹き飛ばす。
汚れた欲望で望を喰い破ろうとするエイリアンのようだ。

望にとってヤンキー達には見覚えはない。たまに町でたむろするヤンキーどもを見ても、嫌悪こそすれ、なんの関心も払わなかった。

だが、望のたぐいまれなるルックスと、鍛え抜かれたプロポーションは
若い獣たちの注目を集めないはずもなかった。

今最高の獲物を手にした獣たちはバイオレンスな欲望に充ち満ちていた。

「へへへ、こわいのかい?ねえちゃん」
「心配するなよ、俺たちがかわいがってやるから?」
「バレリーナの姉ちゃんは、どんなHがお好みなんだ?」

望は答えられず、ただぶるぶると震えるだけだ。
ヤンキー達はへらへらと笑いながら、望にまとわりついてくる。

「どうしたんだ?バレエのお嬢さんはHなんかしねえって顔をしてるぜ」
「そんなことはねえだろ、こんなハイレグ穿いて踊ってるんだ。やりまんにきまってら」

ヤンキーはそう言うと、レオタードを掴んで股間に食い込ませる。アンダーが更に覗いてくる。

「くうっ・・・・いやああ・・・・・」

「けへへへ・・・・。いいざまだな。さらにパンツが覗いてきたぞ」
「一人の時は自分でこうやってなぐさめてるのか?」

ヤンキーが身動き出来ない望を思いのままなぶっている。ロマンチックチュチュのスカートを
めくりあげて、レオタードを引っ張る。紐パンツ状態になったお尻をなで回す。

「やあっ!痛い・・・・」
「お前ほんとに胸がないな。乳首だけはしっかり感じてるってわけか?」

後から、チュチュ越しに胸に手をはわせる。 小さな胸の乳首が敏感に反応し
望は顔を真っ赤にした。

「えへへへ・・・たまらねえなあ・・」

ヤンキーどもの興奮は限界まで来ていた。鎌首から我慢汁をどろどろ流している。
その肉棒を、チュチュのふわっと広がるスカートに包んで、しごいたりもしている。
望は必死に身体をくねらし、逃れようともがく。



「おい、やっちまおうぜ」
「そいつはやばい」
「なに、脱がして一発やったらまた着せておけばいいさ。ばれっこねえぜ」

ヤンキーどもの会話が、いよいよ望の危機を知らせる。望はこらえきれずに
泣き叫ぶ

「ひいっ!だめだめえ・・・・」

「おい何をしている!」

ドスの利いた低い声が響いた。

「やべえ!」

ヤンキーどもはあわてて望から離れる。
あわてて、脱ぎかけのズボンに絡まってこける奴もいれば
フルチンのまま逃げ出す奴もいる。

「がきどもがさかりやがって!」

大柄な男が現れた、年の頃は40代半ばと言ったところだろう。
身なりはいいが、悪辣な面構えだ。

ヤンキーどものいっていた兄貴に違いない。

「・・・・・・・」

望は男の顔をみるなり、再び目をそらした。
何があったかはわからない。
だが、この男の方が危険な香りがする。
私は誘拐された。
望はそう確信せざるを得なかった。

男は望に近ずくと、全身をじろじろと眺めた。
「ガキどもめ、まさかもう手を出したんじゃないだろうな?大事な商品なだぞ」

値さだめをするようなその視線に、望は耐えられない。

「うん・・?あのやろう・・・・」

男が目をこらす。望のくるぶしの当たりに、脱がされたキャルショーツを発見して
あわててスカートをめくりあげる。
そこにレオタードを着ているのを発見すると、ようやく胸をなで下ろす。

「・・・・・いやっ・・・・」

望が耐えきれず小さく声を上げた。男は、望にはかまわず、股間を見つめてにやっと
笑った。そしてしわがれた声でいやらしい言葉を吐いた。

「随分食い込んでいるじゃねえか、ガキどもにいじられて気持ちよかったか?」

「・・・・・・・・」

望は恥ずかしさに声を詰まらせた。


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