廃墟の奴隷市(第1話)


廃墟の奴隷市

「・・・どうしたの、くらくらする・・・」
海野望は公演終了後控え室に帰ると差し入れのドリンクを飲んだ。
けだるい雰囲気に包まれ、それ以降の記憶がなかった。
「どうしたんだろう・・・」
意識がもうろうとしている。
「・・・・・・・・・」
だれかが話す声が聞こえてくる。
男の声のようだ。

「・・・・・いや、まずいだろ・・・」
「でも少しくらいならかまわないさ・・・・」

けらけらと下品な笑い声もする。

少しずつ回復してきたのだろうか、うっすらと目の前が見えてきた。
男達のこえもだんだんはっきりとしてくる。

「・・・すげえいい女だぜ。少しぐらい良いだろう?」
「・・・まずいよ、兄貴に叱られるぞ」

鼻にかびくさい臭いが漂った。どこかの物置の中?
辺り一面薄暗い、乱雑に物が散らかり、照明は懐中電灯のようだ。

「・・・どこ、ここはどこ?」

妙な胸騒ぎを覚え、身体を起こそうとする。
身体の自由が利かない。
背中にはごつごつとした木の感触が・・。

「・・・柱に縛られているの?どうして・・・」

望はすぐには状況がつかめなかった。
ヨーロッパの国際コンクールで優秀な成績を収め
国内有数のバレエ団に入団。その記念すべき一回目の公演。
それが海賊のメドウーラだった。割れるようなアンコールを何度もうけ。
けだるい恍惚の中にいた。
なのに・・・・。

暗闇に目が慣れてくる。目の前には、ガラの悪そうな若い男達がいた。
いや、望は柱に立たされ、まわりを男達が取り囲んでいるのだ。

「おや、お目覚めかい、バレリーナのお嬢ちゃん」

「だ、だれ!?ここはどこ?」

驚きの連続だ、まわりはまるで廃屋だ。
取り囲んでいるのは3人のヤンキーらしい。
にたにたといやらしい表情で望を見つめている。

「ここわどこ〜。あなたはだあれってか〜」

ヤンキーどもはおかしな声をあげて笑っている。
望の不安は増していく、いや、恐怖といった方がよいか。
以前状況は判らない。夢でないことは確かなようだ。
だが、どうしてこんな事が。
いろいろ考えを巡らすが判らない。
すると、ヤンキーの一人が、にたにたと笑いながら近づいて来る。
その目にはいかがわしい光が浮かんでいる。

「えへへへ・・・かわいいなあ・・・」
「おいやめとけって」
もう一人が注意する。
「うるせえなあ、大丈夫だよ。何もしやしねえって。
お前だって、かわいいバレリーナの姉ちゃんがどんなパンツはいてるか、見てみたいだろ?
」

「え・・・、きゃつ」 男がロマンチックチュチュの裾を捲りあげた。 エスメラーダのチュチュは、胸の所までが止まっていて、あとはふわっと広がる。 ヤンキーは苦もなくスカートを捲りあげた。 「うほっ!ピンクだ!」 「い、いやっ!」 「恥ずかしいのかい?舞台では脚おっぴろげて、平気でいるくせにさ・・・」 「う・・・・・」 男は望の表情を伺っている。望は顔を真っ赤にして目を閉じている。 舞台で見えるのと、男に無理矢理覗かれるのは違う。 恥じらいに震えている。 「へへへ・・・それにしてもずいぶんでかいパンツだなあ・・。あんまり色気がねえな」 「ばかだな、そいつは見えパンだぜ。だから平気で脚をおっぴろげられるんだ」 後ろの男が知ったかぶりをする。 望はキャルショーツといわれるタイツの上に穿くショーツを穿いていた。 ツンがついているクラシックチュチュとは違い、ふわっと広がるロマンチックチュチュは 下に白いレオタードをつけることが多い。 だが、それでも完全とはいかない。 リフトを伴うバレエの演技ではレオタードはちょっと困ったことがある。 「なんだそうか、興奮して存したな。ほんとだ下にレオタードを着てら・・・」 そう言いながら、男がキャルショーツも脱がしていく。 「ああっ、いやあ・・・・」 「そんなにいやがるなって、パンツみたいだけだからさ・・・・」 薄ピンク色のキャルショーツを膝のあたりまで脱がす。 望はその下にベージュのインナーレオタードを着ていた。だが、 「うほっ・・・・こいつはすげえや・・・・」 「なんだなんだ・・・・」 スカートを捲っていた男が大声を上げた、他のヤンキーも覗き込む。 「・・・へへへえ・・・・すげえなあ、こりゃ・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 望は黙ってしまった。

インナーのレオタードは、股間にくっきりと食い込み、端からは白いアンダーが覗いてい る。 更にお尻の方はすごかった。 レオタードも、アンダーショーツも紐のようになって、お尻に食い込んでいる。 バレエタイツの下には、引き締まったお尻が丸出しになっていたのだ。 「・・・・すげえや・・・・・たまらねえ・・・・」 すでに歯止めは利かなくなっていた。 男達は、次々にパンツを脱ぎ捨て、若い欲望をもろ出しにしていた。

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