淫汁の白鳥(第2話)1

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どのくらいの時が経ったのだろうか。 莉菜は薄暗い一室で目を覚ました。コンクリートが
打ちっぱなしのその部屋は窓さえない。
明かりといえば、わずかに裸電球が一つ、その小さな光は点滅し、今にも消えそうだ。
見えうる限りの部屋の中は、埃にまみれ、生臭いすえた臭いが蔓延している。
うち捨てられすでにいすとは呼べないいくつかの家具が雑然と積み上げられている。
莉菜はその埃だらけの床に、直に寝かされていた。
「やだ!チュチュがこんなに・・・・」
攫われた時のままに、スカートは大きく捲り上げられている。莉菜は慌てて直そうとする。
下に履いているのは下着ではなく衣装ではあっても、無防備に下半身をさらけ出すのは恥ず
かしい。おもわず下に下げようとする。しかし、ぴんと張った、チュチュのスカートは何も
隠してはくれない。
「私・・誘拐されたんだ・・・・・」
やっと、自分の立場を思いだし、思わず身体を両手で覆う。特に変わったところはない。
「・・・よかった・・・なにもされていないみたいだ・・・・え?・・・・・」
その時、莉菜は部屋の中に荒い息遣いを感じた。部屋の隅でなにかが蠢いている。
「…だれ!だれなの…・」

全身を黒いマントで覆った大柄の男が立ちあがった。それは一人ではなかった。 もう片方の隅にも同じようにマントを着た2人の男がうずくまっていたのだ。 男達は、莉菜の言葉には答えず。莉菜に近づいて取り囲んだ。 「…ひっ!なんなの…・」 莉菜は男達の顔を見て驚いた。男達は揃って、白鳥の姫オデットを攫った魔王ロットバル ドのマスクを被っている。 「ふふふ・・・魔王に攫われたかわいい白鳥のお姫様が、本当はどんな目にあうのか、お まえに教えてやりたくてね」 「違いねえ…・!」 男達は仮面からわずかに覗く唇をいやらしく歪めて笑い出した。 「な、なにをするんです!あなた達は誰?ここはどこなの!?」 「ひいっつ!」 男達は、そこまで言うと黒いマントをいっせいに脱ぎだした。 「…・!っ!きゃ!きゃああああ…・!」 なんと、男達のマントの下は素っ裸であった。でっぷりと太った男。毛むくじゃらな男。 筋肉質の男。三人三様だが!そのいずれもが、大きく太くそそり立った男根を容赦なく 莉菜に突きつけていった。 「いやっ!助けてえ!」 必死に逃げ惑う莉菜。しかし、狭い部屋の中では逃げおおせようも無い。苦も無く捕まり 取り押さえられてしまう。 「ヘヘヘ生きのいいお嬢さんだぜ」 恐怖におびえ、逃げ惑う莉菜の姿は、男達の欲情をそそるだけだった。 男達は、莉菜を取り囲むとチュチュの短いスカートを捲り上げる。 オーガンジーのスカートが大きく捲れあがって、白いタイツに包まれた美しい脚線美が あらわになる。そしてあでやかな飾りのついたチュチュのショーツが男達の目に晒される。 「い、いやっつ!な、何するの!ヤダ!やめて!」 前から後ろから、3人の男達は笑いながら何度も何度も執拗に捲り上げる。 「いやっつ!やめてやめてえ!」 「なんでいやがるんだ!舞台ではあんなに盛大におっぴろげていたじゃねえか!」 「そうそう!あれだけ大勢の観衆の前でだぜ!おれたちに覗かれたって恥ずかしいはずが ねえじゃねえか!」 「そ、そんな…・」 この男達も会場にいたというのか。ステージの裾で、莉菜の下半身に欲望の目を這わせて いたというのか。 そう考えると莉菜は背筋が寒くなった。 「それにおまえが目を覚ますまでは、3人で覗き込んではしごいていたんだぜ」 「おれなんか3回はイッタゼ!」 「まだ一回もぶっ掛けちゃいないがな」 莉菜は男達が自分の姿を見ながらオナニーしていたことに驚いた。それで、大きくスカートが 捲られていたのだ。辺り一面に漂う生臭い臭いの訳もこれで分かった。 それ以上に莉菜は男達がますます恐ろしくなっていった。 「へへへ…おまえの相手の王子役の男に、股間のもっこりを何度も押し付けられてよろこん でいたじゃねえか…」 「そんな!」 莉菜は、発表会でのおぞましい出来事を思い出して、頬を染めうつむいた。 白鳥と王子のグランパドドウ。相手役のダンサーは決して実力のあるダンサーではなかった。 たんに、バレエ団のスポンサーの息子だったからだ。莉菜はこのスポンサーには留学費用を出 してもらっていた。コンクールに入賞できたのも、この地元のスポンサーのおかげだったのだ。 しかも、地方のバレエ団には貴重なソリストではあった。 莉菜はこの男が好きにはなれなかった。しかし、男の方は違っていた。 莉菜を見る目には、明らかに女として好色な目を向けているのを感じていた。 しかも今日の衣装ときたら、ごく薄の白いタイツ。 特に股間の部分は一層だった。その下にサポーターすら付けずにいたのである。 おもわず目を背けたくなる破廉恥な衣装。 その姿で、パ・ド・ドウのとき、明らかに身体を必要以上に押し付けてきた。特に大きく開けた 股間に熱いたぎりを押し付けてきたことも…。 下半身に注意が取られるぶんだけ踊りにも集中できなかった。 「へへへ…おまえの相手の王子役の男に、股間のもっこりを何度も押し付けられてよろこん でいたじゃねえか…」 「そんな!」 「へへへ…図星のようだぜ。案外気持ちが良くなって踊りにも艶がでたんじゃねえか」 「…・・へへへ…お、おい。白鳥のお姫様よお!俺達にもしてもらいたいんじゃないか」 「へへへ…だだし、タイツごしじゃねえ…。こいつは本生だぜ…」 男達は、そう言うと、大きくそそり立ったペニスをしごきながら近づいてくる。 「!」 莉菜は、何をされるのか理解できずに身構える。男達の目的が、莉菜の身体だという ことは分かっても、それが、白鳥の衣装そのものを陵辱するなどという変態行為を理解 できはずもない。 「へへへおいらのをよおく見な!白鳥のスカートの中を覗き込んだらこんなになっち まったぜ」 「いやっ!いやああああ!」 莉菜は目の前に男の膨れ上がったペニスを突きつけられて、震え上がった。 莉菜は女の子達だけで交わす会話を思い出していた。男性の踊り子達の股間の膨らみ。 下半身が薄いタイツだけで覆われた男性の股間に、興味の無い子などいるはずもなかった。 しかしそれは、漠然とした性への好奇心のなせるものだ。 だが、獣のような性欲に勃起する男のペニスを見せつけられると、あまりのおぞましさに、 恐怖以外のなにもの感じることはできない。

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